1話 想いを食す悪魔
新作です。
既に書いてある作品ムーンのアトリエ(http://nk.syosetu.com/n2475en/)の時代から100年前を目安に時代設定をしています。
マイペース投稿をしていきますのでお願いいたします。
「今日も誰かが来たようだ...いらっしゃい今日は何をお探しかな?」
アルトラッド王国の表通りには沢山の店が並んでおり色々な人がいきかっている。そんな表通りに人の気配を感じない骨董品店がある。その店名はAntiquusといい、人がたまに入っているの見ることはあるが普通であればすぐに店が閉まるであろう。普通であればだが。
あなたは何を求めてここへ来た。何か心を揺さぶられたからこそ...ここへいるのだろう。
あなたは何を望む....金や名誉、欲望何でも叶えよう。代償にあなたの強い想いをいただく。それが悪魔との契約さ。
想いにも色々あるが分かりやすいものは感情だろう。それを捧げる覚悟はあるか?
読もうとしたあなたも大事な想いが悪魔に食べられているかもしれない。
♪チリンチリン♪
「今日も誰かが来たようだ...いらっしゃい今日は何をお探しかな?」
私はいつも通り客へ向かって話しかけると客は自分へ目を向けて黙り込んでいた。
「私をずっと見てどうしたんだい?大丈夫?」
黙っている客は女性で10代後半だろうか長い金髪が綺麗で目がルビーのように赤く美しい人というのが外見的特徴であった。
それに比べ私は黒い髪と目をしている。明るそうな人とは正反対だと思いつつ、客の女性を観察し続けた。
1分くらい観察していると女性がようやく声を返した。
「噂で聞いたのですがこの店は想いを代償に願いをかなえられると聞いたのですが本当かしら?」
「本当だけども、何を望むんだい?」
女性は追いすがるような顔で答える。
「国中が差別などせず、団結して平和な国にしたいの!!」
「なるほど~大きな望みを持つことはいいことだが、なぜ私を頼る?」
自分は問いかけつつ鑑定を使った。
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シルヴィア・アルトラッド
性別:女性
種族:ヒューマン
職業:王女
備考:アルトラッド王国第2王女
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「この国は他の国からいつも狙われて小競り合いをしているけども来月には大きな戦争に発展しそうな勢いなのに貴族内では争い、国民同士は種族の偏見で争っているわ。」
「つまり自分達で手に負えないから私に頼みにきたと.....」
「そうよ!このままでは戦争になる。そして負けるわ...」
「望みは分かった。なら代償にあなたの大事な想いをいただこう。」
「大事な想い?それは何を指すの?」
少しずつ声のトーンが上がっているがそれだけ本気なのだろう。なら本題へ移ろうとしよう。
「大事な想い...いわゆる感情と呼ばれるものを代償に願いを叶えるのだが、依頼者の一番大事な感情を頂く」
私が説明をすると女性は真面目に話を聞き始めた
「想いにも色々あるが、君は王女があるゆえに責任感が強く国の平和を望んでいる。だからこそ君の代償は人に対しての感情を頂くよ。」
「なぜ王女だって分かったの!?」
「それはあなたを鑑定させてもらったからだよ。この国...アルトラッドの第2王女様だろ。」
「鑑定ね..なかなかレアなスキルを持ってるじゃない。アルトラッド王国第2王女シルヴィア・アルトラッドよ。シルヴィアと呼んでちょうだい。」
「お言葉に甘えてシルヴィアと呼ばせてもらおう...私はサージェという。」
「サージェさんね....代償である人に対しての感情が曖昧で分からないのだけども何を指すの?」
王女なだけあって、この女性は鋭いようだ。簡単にはいかないようだ。
お読みいただきありがとうございます。