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諦めきれないバカの追求録《パルシィード》  作者: 霞空
一章 汚れる前の三人と諦めた振りしたバカの馴れ初め
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壊れたデバイスと出費に悩むバカ

長すぎた話を分割。

いやはや、1万字超えてると3話になるんだなぁ……。


そりゃ、長い言われるわ。

どうしてこんなに長くなってしまったのかは置いておくとして、唯の移動回に変わってしまった。


では、お楽しみ下さい。




 対策庁たいさくちょう海外出向班臨時本部。


 与えられた会議室で適当な椅子に腰掛けていると、初老に差し掛かったスーツ姿の日本人。

 この国の者と思われる若い青年が扉を開いて入ってくる。

 


 立場上上司ということもあり立ち上がり敬礼する。

 入ってきた二人もそれに応じて敬礼を返す。



 その形は綺麗だが解くのは早い。

 合わせて自分も解く。


 まあ本庁でもなく海外の臨時本部。

 一々長い敬礼しているのも時間の無駄なのだろう。

 内容も報告に対する返答なのだから尚更だ。

 青年が抱えていた書類をテーブルに置くと各々が席に着き、会話に入る。




「遠野君。お疲れ様。先に現場の検証が終わった所からかな」




「お疲れ様です。何かありましたか?自分は途中で抜けたのでわからないこともありますが」




「いえ、特に報告内容との差異さいはなかったですね。強いて言うなら主犯に逃げられたのと、サンプルやデータをほとんど拾えなかったぐらいですかね」




「いやぁ、面目めんもくない」




 青年の話を聞き、居心地いごこちの悪さに頭をく。



「だけど、今回の事は助かりました。あのまま研究を続けられていたら内容としても国の危機になるところでしたから。データに関してはあそこまでやられたら敵の方が上手だったと認めるだけの話です。サンプルとしてつくられた者達も、私としてはあれで良かったと思っています」



 上には言えませんがね……。と苦笑いを浮かべる。



「何はともあれご協力感謝します。人的被害も特に無いので、後は幾つかの報告書を上げて頂くだけで終わりとなりますので、ゆっくりとお休み下さい」


                        

「正直、よく生きてたと思うよ。室内含め、あれだけの()()が出たのに。まあ、そのせいで虚脱きょだつ状態になってはいたが、流石はウチのエースだな」




「流石に死ぬかと思いましたが、何事も無くてよかったですよ。休みも貰えそうで正直助かります」




 正直何も無くて安心した。冗談抜きで色々死ぬかと思ったし。

 ほんと何も無くてよかった。




「まあ、事後処理等の関係で、帰国は約ニ週間後。それまでは待機だ。街を出なければ観光を楽しんでくるといい。今回の件の功労者だ、それぐらいしても罰は当たらないさ。ゆっくり休みなさい」



「ありがとうございます。ならいい景色の見える宿にでも変えてみますよ。せっかく海が見える立地ですからね」



「まあ、それくらいならいいか。元々のホテルの方はこっちでチェックアウトしておくよ」



「助かります。では、私はこれで失礼します。まだ頭痛も残っていますし、何かあればデバイスにお願いします」




 早鐘はやがねを打つ心臓をうるさく感じながらゆっくりと立ち上がり部屋を後にする。



 部屋を出る際に一礼。

 労いの言葉を背にしながら建物から出てタクシー乗り場へと足を運ぶ。

 出る際に備え付けの電話からを呼んでいたので、既に到着していた。

 行き先を告げて乗り込む。



 そして、ようやく一息吐く。




「はぁ――――どうすんだよ、俺……」




 車が走り出すと同時に小さく溜息ためいきと共に言葉がれる。




 タクシーの運転手おっちゃんが気さくな感じに――どうしたんだい、兄ちゃん。と話しかけて来るが、適当に疲れているからと答え、映りゆく窓の景色に視線を移す。



 そんな自分を気にかけたのか、運転手が――なら夜街やがいはどうだい?と、話を振ってくれるが頭に入ってこない。

 適当に相槌を打ったりと、おざなりな返事をしながら思案する。





――結局こーなるんだよなぁ、知ってた。




 育てられたのがあのおせっかいな後見人だし、そこで形作られたモノっていうのは悪ぶった所で今更どうこうできるモノじゃない。


 そんな自分に呆れていると運転手が話し終わったのか、満足そうな空気を出していた。

 話の内容はわからないが、言いたいことを言い切ったのだろう。 

 まぁ、特に問題は無いと思い至る。





 目的地に着くにはまだ余裕があるのでデバイスを取り出してメンテナンスモードに移行する。



 デバイスは魔導まどうを使う上でかなり重要な役割を持つ。


 みなもととなる力には色々な説がある。

 人間の持っている生命力やら気力、意思、果ては魂の大きさなどと言われており、大体は魔導力まどうりょく魔力まりょくと呼ばれている。


 魔力を目的に沿い事象として現す為には、

 魔導式まどうしきと呼ばれる式が必要となる。

 それを記録し、必要に応じて魔力を流して起動、 事象を発生させる役割を持つのがデバイスだ。



 実際はデバイスが無くても魔導は使えるのだが、 一々頭の中で式を組み立てて魔力を制御し座標を決めて表に出すという演算処理が必要となる。

 そのため簡単な魔導ならまだしも大掛かりな物になればなるほど使用者に負担がかかり、時間も相応に必要となってしまう。



 一応紙に書いた魔導式に魔力を流しても使えるが、強度が持たない為使い切りで複雑になれば成る程不発したりすることもある。


 一々大量の紙束を持ち歩くのも非効率だ。

 中にはそれを是とする変わり者もいるが、同じ持ち歩くなら、多機能で装飾品にできたりするデバイスの方が都合がいい。


 魔導士まどうしにとって、切っても切り離せない物。




 だが、物語の魔法使いが持ってるような杖ではなく 、どちらかと言えば科学・機械的な分類に入るので、機能を維持するには定期的なメンテナンスが必要となってくる。

 これを怠ると発動が遅れ十全に効果を発揮しなかったり、最悪の場合不発、暴発等の事態を招くこともある。


 従って魔導士にとってメンテナンスは日課と言ってもいい。




 駆動音と共に空間ディスプレイが投影される。

 表示された検査結果に顔をしかめた。




 自分のデバイスは黒いちょっと大きめのクロノグラフ。

 要は腕時計の形をしている。

 仕事柄どうしても魔導を使う機会が多いので、かなり丈夫に作られている。

 実際は腕輪に近いのだが、様々な形種類があるデバイスの中でもお気に入りの物だ。



 小型なのに魔導式を入れる容量も一般のデバイスよりも少し多く、メンテナンスも最小限で済む。

 整備に出すこと事など滅多にない程丈夫で、携帯電話、空間ディスプレイの投影とうえい機能、魔力で情報機器に接続できる機能等、かなり高価な特注品だ。

 


 入庁にゅうちょう祝いでもらったプレゼントなので値段は知らないが、技師に整備依頼を出した時の費用が一般のデバイスに比べ頭がおかしかったので相当高いと思う。




 なのに吐き出された結果はエラーが多数。

 ソフト面だけでなく、ハード、部品交換が必要なモノまである。

 普段は専用モードでプログラムを整理するだけで済むのだが、

 研究所を出る際に相当無茶をさせたせいだろう。

 修理に出すのは確定として、かつて無いほどの破損に一体どれだけの費用が掛かるのか考えたくもない。






 エラーの件数と出費について溜息を吐き出しながらも頭を切り替える。

 吹っ掛けられるであろう値段を少しでも軽くするため、無駄だと知りつつもエラーを解消するための作業に移った。




 これ、経費で落ちないかなぁ………………。






少女達が出てくるのはまだ先です。


落ち着いてくれ。俺は悪くない。

報告があったのだからしょうがない。

仕事、大事、うん。

生きるためには仕方ないんだ。

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