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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【強者の権利】面倒事対処 その05【最下の義務】

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スレ94 衝撃は時に想いを塗り変える

すみません、遅れてしまいました

そして、お待たせしました!



「後輩、早く滅ぼすぞ」


「……落ち着いてください、クーフリ先輩」


「敬語はもういい。それより、具体的にどんなウワサがあったか言う」


「…………まあ、敬語はいいや。けど先輩、本当に滅ぼしますか? 具体的に案があるなら協力しますけど」


 ピクッと俺の言葉に反応し、意外そうな視線を向けてくる。

 寒々しいほどに無機質だった眼も、瞬きをするたびに元へ戻っていく。


「こういうのって、冗談だって流すのが普通だって聞いたことがある」


「先輩が嫌なら、いいと思うぞ。別に全部を滅ぼすわけじゃないんだろ?」


「もちろん。滅ぼすのはウワサを知っている奴だけ」


「……俺も例外にしてくれるなら、可能な限り協力するよ。さっきので分かったと思うけど、俺は無属性ならほぼ自在に使えるから譲渡ができるぞ」


 ここで説明をしておこう。

 魔力の回復手段は大きく分けて三つ──自然回復・魔力を回復するアイテム・他者による魔力譲渡だ。


 一つ目はそのまんまだから省くとして、二つ目はポーションや使用者の属性適性に合わせた魔力を籠めた魔石の使用などである。


 そして三つ目も同様に、属性に合わせた魔力を送る必要があった。


 だが、無属性以外の適性を持つ者の場合、他の属性魔力が混ざってしまい10を籠めても1しか届けられない……みたいな感じの問題が起きてしまうのだ。


 その点、無属性適性しか無い者が行えばほぼ100%を籠めることができる。


 ポーションや魔石へ魔力を籠める作業は、そのため無属性適性のみを宿している者たちによって行われる場合が多い。


 まあ、属性を籠めればその属性の魔法が使える触媒になったりもするのだが……説明も面倒臭いので、詳細は必要に応じてやろう。



 閑話休題(むぞくせいチート)



 無属性しか適性が無いことを明かしている先輩には、こういうことを言っておく。


 序列二位に喧嘩を売って社会的に地位を落とされても困るし、魔石やポーション作りならいつでもできるし。


 あと、虚無魔法のこともあってサーシャといろいろと試したところ、伝導率は普通に無属性と同じく100%だった。


 というか、量が多すぎて誤差の範囲になっている可能性が高いんだけどな。


「──とりあえず、これどうぞ。少し小さいが無属性の魔石、さっきのアレでだいぶ魔力消費しただろ?」


「うん、貰っておく」


「俺の手作りだから何か問題があるかもしれない、だから使う時はゆっくりと──」


「えいっ」


 魔石の使用方法は──ゆっくりと体の一部から循環させるように取り込むか、一気に割り全身で浴びるように吸い上げるかだ。


 面倒臭かったので、後者を選んだのだろうが……どうやら失敗だったらしい。


「……ッ!? なに、この量!」


「えっ? んー、ただ籠められるだけ籠めてみただけだが……何か問題だったか?」


「異常過ぎる。それに、この質……ちょっと吸っただけで全快してる」


「そうなのか? まあ、とりあえず漏れた分は回収しておくか」


 先にクーフリ先輩の身の安全を確保するため、周囲に球体状の壁を構築しておく。

 そして辺りの魔力をすべて感知し、それらすべてを己が身に取り込んでいく。


「とまあ、そんな魔石なんだが……要る?」


「……いくら?」


「金は要らない。ただ、序列云々で揉めたら便宜は図ってほしい」


「それぐらいなら、問題ない」


 魔石は片手間数秒で作れるので、どれだけ交渉材料にしようが俺に負担は無い。

 ……それに、今のが衝撃的だったのか、先ほどまでのやり取りを忘れている気がする。


 面倒臭そうな序列者相手に協力してもらえるのなら、いくらでも魔石を提供して学園にダメージを与えてもらおう。


「とりあえず前払い分は……百個ぐらいでどうだ? 正直余ってるから、欲しくなったらいつでも言ってくれ。空間属性が使えるなら仕舞えるよな?」


「……いいの?」


「良いって良いって。しいて理由を付けるなら……献上金ってことで」


「分かった。先輩に任せて」


 こうして(魔石で買収した)先輩が、快く俺に協力してくれるようになった。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 一瞬漏れた魔力がトラブルを起こすことはなんとなく分かっていた。


 予め、間引きしておかなければどうなっていたことか……なんて思いつつも、夜中に魔物たちを処理していく。


「まあ、これは俺の責任だしな」


 せっかくなので、今回の鬼ごっこで考え付いたことを実行してみることに。

 すでに魔物は殲滅してあるので、暗闇に包まれた夜の世界は魔法の練習場でしかない。


「空間属性そのものに、魔力は干渉できる。熱が陽炎を生むみたいに、魔力自体が空間を歪めることができるなら……膨大な魔力を誇る虚無魔法で、空間干渉ができるはず」


 空間属性は座標を把握し、魔力の線をそこへ伸ばすことで発動する。


 転位と転移、二つの移動方法が存在し──前者は固定した座標に移動する方法を、後者はその都度座標を指定して移動を行う。


「空間、座標、実部と虚部、虚数、在って無く無くて在る、異次元──“虚数転移(イマジンジャンプ)”」


 このとき考えていたのは──“虚無庫(ストレージ)”とクーフリ先輩が造った第二の大地だ。


 未だに理解していなかった“虚無庫”の存在する世界をしっかりと知覚すれば、中継地点として使えるのではないか、と。


 第二の大地のようにそこを一つの世界だと認識したうえで、適性のある俺が入り出る地点を変更すれば……なんだか転移っぽくなるのでは? という陳腐な考えだ。


 制御の方は“虚無纏装(ボイドオプション)”に任せれば勝手にやってくれるので、俺は行き先を念じるだけで移動できるようになる。


 ……まあ、普段は転移するための石があるから必要ないんだけどさ。


「安全圏の確保には成功か? うん、ばっちり移動できている」


 無尽蔵の魔力があれば、どこへでも行けるだろうと思っていた。

 そしてしっかりとイメージができれば、補正が働く。


「うん、良い練習場を見つけたな」


 誰もいない無人の場所……しかし来たことがないのに、来ることができる。

 アイツらも喜びそうだし、あとで石を拾ってプレゼントでもするか。



それでは、また一月後に!

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