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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【強者の権利】面倒事対処 その05【最下の義務】

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スレ90 無口っ娘は秘密が多い

皆さん、お待たせしました!



「──『クーフリ』、よろしく」


 ブラストが疑問に思った七人目の参加者、それはとても小柄な少女である。


 人形めいた精巧な容姿は、見る者に恍惚としたため息を吐かせることを強要する愛らしさを持つ。


 ……のだろうが、挨拶をした瞬間、彼女の視線と意識は俺が作ったデザートに向き、小さな口で一生懸命それを食べ始める。


 そのためだろうか、なんだか小動物感を覚え、ほっこりとした空気になっていた。


「はい、というわけで彼女がクーフリ君だ。君たちと同じXクラス、そして先輩である二学年だよ。髪の色は銀色だが、得意とする属性は空間属性だから誤解しないようにね」


『空間属性!?』


「そう、私は空間属性使い……ぶいっ」


 デザートを食べながら、空いた手でこちらへピースを行うクーフリ……先輩。


 同級生たちはキンギル先生の説明にとても驚いた様子なのだが、まあそれは仕方のないことだろう。


 空間属性は七大属性から派生した属性と異なり、どれだけ努力しようと決して得ることのできない特殊な属性として知られている。


 神の加護や称号によって後天的に得る方法以外で、手に入れる方法が無いからだ。

 名前の通り空間を操ることで、回復以外の行動すべてを行える万能な属性。


 何より空間を操作することによって可能となる──転移、それが空間属性の価値を非常に高めている。


「クーフリ君はすでに遠距離転移を使えるんだよ。だから……少々遅刻しても、こうして後から来ることができるんだ。クーフリ君、時間はしっかりと伝えたはずですが?」


「……うん。けど、忘れてた」


 まあ、短距離の転移であれば他の属性でも再現可能らしい。


 しかし、長距離転移だけは空間属性だけが持つ特権であり、魔力がある限りどこへでも行くことができるレアな属性なのだ。


「ハァ……君はこれだから。とにかく、明日からクーフリ君は1年生たちの修練につきあうことになる、詳細は今日中に決めておくことにしよう。クーフリ君、いいかね?」


「りょーかーい」


「では、そろそろ夕食も終わりますね。片付けと就寝の支度をしっかりとして、明日に備えて早く寝ることです」


『はーい』


 俺もてっきりその話に混ぜられるかと思ったのだが、さすがにキンギル先生もそこまで七面倒なことはさせなかった。


 普通に皿を洗い、風呂に入り、就寝したのだが……嫌な予感がし始める。


「そういえば、今日は何もやらされなかったな……まあ、別にいっか」


 こういった場合、ロクでもない展開になるパターンが多い……が、それはすぐに起きることではない。


 また、俺みたいなヤツが足掻いてもどうしようもないので、大人しく寝るのが一番だ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「──さて、君たちには『鬼ごっこ』をしてもらおう」


 かつての異世界人が伝えたのか、この世界にも『鬼ごっこ』は日本と同じ意味で伝わるようになっている。


 ……まあ、アプリの翻訳機能が働いているので、実際はどうだか分からないけど。


 前回労働させられた森の中ではなく、舞台は行きに通った森の中……結局どちらも森なわけだが、魔物のレベル的にそこは圧倒的に居心地の良い場所だ。


「鬼役はクーフリ君ただ独り。アサマサ君も今回は、逃げる役に回ってもらうよ」


「あっ、はい」


「一年生である君たちは、まずクーフリ君がどれだけ凄いかを認識しておくべきだ──制限時間は三十分、その間逃げ切ることが勝利条件。できたなら、君たちの成績におまけをつけることにしよう」


「うぉおお、マジか!」


 成績が危ういらしいブラストが興奮しているが、それ以外の者たちにこれといったやる気の高まりは感じられない。


 それもそのはず、俺も含めて勉学において困っているのは彼だけだからだ。


「何より……君たちが学園序列二位の実力を知るには、ちょうどいい機会だろう? アサマサ君とは違う、実力者の動きを知っておくべきだと思うよ」


「ばっちこい」


 その気の抜ける発言とは裏腹に、先輩が意図的に魔力を体外へ放出した途端──クラスメイトたちに緊張が走る。


 まあ、俺は魔力自体は無限にあるので、魔力だけの威圧ではどうにもならないんだよ。


「……む?」


 そのせいか、俺にだけ集中的に魔力による威圧を強化するが……本当、すみません。


 ちなみに殺意への対応もある程度鍛えられているので、内心ではビクビクするだろうが表面にはいっさい出さずにいられる。


「強い……?」


「よろしくお願いします、クーフリ先輩」


「うん、よろしく」


 握手を交わし、互いに魔力を流し合う。

 互いに自分の属性がどんなものかを教え合うのだが……ふむ、先輩は空間属性の他にも土属性の適性もあるみたいだ。


 まあ、適性を持つ属性以外もあっさりと使いこなしそうだがな。


 無属性のみにしか適性を持たない者を除けば、誰もが魔力消費を度外視すればある程度適正が無くとも魔法は発動するわけだし。


「無属性……闇は?」


「それは……このゲームで分かるかと」


「うん、そうだった。絶対に捕まえる」


「いえ、負けませんよ」


 序列二位の実力とは、いったいどれほどのものか……全力ではないだろうが、それでも空間属性の恐ろしさを知るべきだろう。



それでは、また一月後に!

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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