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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【強者の権利】面倒事対処 その05【最下の義務】

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83/136

スレ83 きしは英語でなんと読む

皆さん、お久しぶりです



「やあ、はじめましての人が多いかな?」


 学園長の演説が終わり、引率の先輩からのお言葉を聞くことになる。


 さすがに先輩と後輩の集団を丸々一つ統制はできないようで、クラスの階級別にある程度グループ分けがされた。


 SクラスはSクラスのみ。

 AクラスからCクラスまで、DクラスからFクラスまで、そしてXクラスである。


 ……先輩はすでにクラスメイト(欠員)なので、今さら追加する必要が無い。


 なお、しっかりと教員が見張りをしてくれるので、Xクラスもそちらの恩恵はある。

 俺たちを導く偉大な教師──キンギル先生がいらっしゃるのだ。


「副生徒会長の『グリルム』だ。一年生の諸君、この遠征は生徒会が主に責任者として運営していくものだ」


 これまたイケメンの男だった。

 王道の金髪をサラサラとたなびかせ、俺たちを見る瞳はとても澄んでいる。


 やっぱり、モテるんだろうな……というかそういう(ピンクの)声が聞こえてくるや。


「チッ……」「イケメン許すまじ……」「俺に闇魔法の才能があれば……」


 同志たちの声もまた、というよりこちらの方が耳に入ってくる。


 近いところで言えば、ブラストなんかが該当する……なお、アルムはもともとイケメンフェイスなので気にしていない。


 富める者は欲する必要が無いからだ。


「本来、この挨拶は生徒会長が行うべきものだったのだが……少々用事が入ってしまってな。私が代わりに行うことになった」


 先輩たちからは、『聖義』のお仕事かと納得する声が上がっている。

 あれだけド派手なことをしていれば、隠すこともできないだろう。


 ヒーローたちが上手く正体を隠せているのは、あくまで話が虚構(フィクション)だからだ。

 現実であんなに目立ってことをやっていれば、SNSなどで即バレるだろうし。


「君たちは遠征に行き、成長する……なんて台本を渡されたけど、そういうことは先ほど学園長がなさったので省こう。大切なのはただ一つ──全力で君たちが強くなることに、協力をしようじゃないか!」


 このお言葉に、歓声が上がる。

 やはり女子は桃色の、男はどす黒い声で反応を示す。


「……Fαck Yoμ」


 もちろん、俺もである。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 我らXクラスもまた、移動に関しては他のクラスと同じタイミングで出発した。

 このとき、先輩との親睦を深めるイベントがあるらしいんだが──


「何で俺たち、走ってるんだろう」


[賭け]


「ああ、うん。そうだったな」


 サーシャは自身のスキルで空を翔ける靴を生みだし、自在に宙を蹴って走っている。

 俺は歩行術の一つ“天駆”を使い、追従するように彼女を追いかけていく。


 出来事を台詞(セリフ)三つ分で纏めるなら──


『なあ、どうせなら誰が一番早く着くか競争しようぜ?』


『そうですね。では、実技試験も兼ねて徒競走をしましょう──早かった順に、成績を付けていきますよ……ああ、アサマサ君はハンデとして少し遅れて出てもらいますので』


[いっしょに行く]


 とまあ、こんな感じだ。

 いっしょに居てくれるはずなのに、俺よりも空で余裕を持って走っているサーシャ。

 俺は弓を持って射っているのに……。


「そいやっと」


 複数の矢を同時に掴み、弓に番えて目標に向けて放つ。

 そこには口を開いて待ち受ける魔物たち、咆哮はすぐに悲鳴へ変わる。


「弓術──“射域”」


 まあ射撃に補正が入るわけじゃない。

 その名が示す通り、射抜くために知覚する領域を強く認識する技術だ。


 俺の脳スペックの一割を常時消費する代わりに、一定距離の敵を完璧に把握することができる──昔は気による索敵だけだったが、今では魔力による探知もできるので、より性能が上がった。


「ひーふーみんっと」


 三体の魔物を同時に射抜く。

 矢筒は特殊な魔道具なため、意識するだけで俺の手元に矢が握られる。


 それらをそれぞれ前、左前方、右真横に放ち──沈黙させた。


[なにそれ]


「俺の世界の有名な棋士(きし)だよ」


[会ってみたい]


「画像でも見せてもらえ」


 すぐに入力を始めたので、誰かに転送してもらうだろうな。

 入力速度が上がると、それに追随するように移動速度が増していく。


「って、速すぎる!!」


 スペックの関係上、俺が一度に同時行使できることは少ない。

 現状では弓に一割、歩行も含む戦闘関連に三割、索敵に一割を使っている。


「ああ、もう……ビリになるだろ!」


 弓を片付け、歩行と索敵にだけ意識を集中させていく。

 スペックが再分配され、歩行術に四割も振れるようになる。


「歩行術──“縮地、天駆、絶渡”」


 瞬間、俺の肉体は視界でギリギリ捕捉していたサーシャの下まで移動していた。


 処理能力を二割も使う“絶渡”を使っていたこともあり、擬似的な瞬間移動のようなことが今の俺にはできる。


「と、いうわけだ。悪いが先に行くぞ!」


[すぐ追いつく]


「やれるものならやってみろよ!」


 魔物は移動の際に生じる衝撃波で吹きとばせる、問題は俺の肉体が長時間の行使に耐えられるかどうかだけ。


 サーシャが何かをしたのか、すぐに抜いた俺を抜き返そうとしてくる……頼むから、耐え切ってくれよ。



それでは、また一月後に

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