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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【強者の権利】面倒事対処 その05【最下の義務】

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スレ74 ドロップはさせる物

少し遅れましたが、一月に一度は守れています……よね?



 踏んだ罠がいけなかった……というか、嫌がらせにもほどがある最悪の罠だった。


 その罠の名は──転移罠。

 そして、その目的地は──スタート地点。


「あれも気づけないような奴は、一からやり直せってか? 悪かったな、凡人で」


 脳はその力を平時からフルに使っているわけではなく、効率よく休ませながら省エネ重視で活動している。


 そのため、火事場の馬鹿力などで脳がその制限を外した場合、人は自分の想像以上の力が発揮できるのだ。


 さて、凡人が天才に追いつこうとすれば同じ土俵に居ることを止める必要がある。


 古の学者は脳は十パーセントしか働いていないと言ったようだが、天才と凡人の十パーセントが同じはずもない。


 さらに言えば、天才は十パーセントに留まらず、より自身の才覚を以って脳の限界など超えるだろう。


 イタチごっこ、とも呼べない圧倒的な天才の勝利だが……ここでは省いておく。


「戦闘用に四割使ってたんだから、そっちは注意してなかったんだよ」


 脳の限界、それを常に発揮できるような奴に俺はやり方を習った。

 足を引っ張り続けるのは嫌だと感じ、どうにか力を得ようと藻掻いていた時期だ。


 凡人なりの足掻きの結果、なぜだか全力の半分までなら常時維持できるようになった。


 師曰く『そのままでいることが上手い』とのことだったが、その真意は未だに分かっていない。


 そうして脳の処理能力をある程度自在に使えるようになり、チート持ちとの修業にも少しついていけるようになった。


「それができるようになるまで……いったいどれだけ寝込んだりしたことやら」


 だが、それでも増量した処理能力を使っても、俺のポンコツスペックでは一割の中に彼らの技術を押さえ込めなかったのだ。


 戦闘関連なら四割、それ以外でも丸々一割使わなければそのすべてを発揮できない。


 スペックを落とせばもう少しだけ、容量もマシになるのだが……相手が序列持ちということも考え、戦闘をフルに使って残りを通常思考に回していたのが仇となった。


 義賊や忍者、それに迷宮(主)から習った罠に関する知識がまったく役に立たずに、そのまま飛ばされてしまった。


「まあ、とりあえずはやり直しを始めるか」


 階層を確認すれば、当然ながら一階層という文字を把握してしまう。

 空間に干渉する魔法が使えない俺は、順当に攻略をする必要があった。


「……その気になれば、しなくてもいいが」


 肩に背負ったハンマーが、なんだか虚しく思えてきた。

 虚無魔法で下に穴を開ければ、それだけで攻略は済むだろう。


 なのに制限を課して、不利でしかない巨大な木槌だけで攻略しようとしている現状。

 俺、何をしてるんだっけ? と思わずにはいられなかった。


「まあ、楽しませるぐらいならできるか」


 好き好んで道化をやることを、アイツらはどう思うだろうか?


 気にしない奴が大多数だとは思うが、一人ぐらいならその状況に怒ってくれるかもしれな……い……と思いたい。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 前言撤回、迷宮攻略最高!

 学生たちの小遣い稼ぎのためか、それなりに価値のあるアイテムがドロップする。


 普通の奴らには不必要な物でも、俺にとっては必要な……なんて物も見つかったのだ。


 すべてお土産として持ち帰りたかったが、そのままでは全部を抱えて攻略を続ける羽目に……ということもあり、仕方なく隠していた『収納の腕輪』という魔道具を使用することにした。


 大きさの観点から武器のような得物は仕舞えないが、巻物状の品やポーションのような試験管といった小さなアイテムであれば入れられるというコンパクトなアイテムである。


 ──もっと大きな、それこそ家でも入れられてしまうバージョンも持っているが、手に入れた当初は魔力がステータス通りの量しかないと思っていたし、“虚無庫(ストレージ)”になんでも入れていたから使ってないんだよな。


 だが、こちらの低スペック版は消費魔力も少ないということもあって、こっそり使うことがあった……食べ物を溜め込んだり、手荷物をそこへ押し込んでおいたりしてさ。


「次からは、ちゃんと大型を持ち込むようにしよっと。それなら武具も入るし」


 体内時計が正確なら、すでに時刻は朝方を回っている。

 こういう場合を想定していたのか、ちょうどこの日は休日であった。


 会ったこともない奴のために休みを空けるという、少し可哀想なことをさせていることに若干の罪悪感が湧くが、それなら最初からこんなことするなよという怒りもあるので、それは気にしないで攻略を続けている。


「これで、五十層っと」


『グォオオオオ!』


 勢いよくハンマーを振り回し、五十層のボスであるミノタウロスっぽい魔物を壁まで弾き飛ばす。


 初めて人型の魔物がボスをしていたが、これまで同様に四割を振っている槌技によって倒すことに成功した。


「そして、ドロップアイテムをゲット」


 というか、ドロップ(させた)アイテムとしてミノタウロスが握っていた石でできた巨大な両刃斧(ラブリュス)を獲得した。


 全然質はよくないが、魔力を纏わせればそれなりに使えるだろう。


「けど、これまた大きい品だな……」


 ボス階層では使えそうだが、道幅が狭く設定されている場所では使えそうにない。


 まあ、そういう場所では魔力による攻撃で済ませている辺り、さすがファンタジーと言えるお手軽な処理ができるんだが。


「どんどん行くか……具体的には、今日の夕飯までには間に合いたい」


 そんな一心を胸に、地下へ地下へと潜っていくのだった。



次もまた、一月で更新する予定です

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