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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【強者の権利】面倒事対処 その05【最下の義務】

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スレ70 剣士≠戦士



「ようやく一段落だな……」


 生徒会を倒したことで、少なくとも俺を倒せると意気込んで挑む奴はいなくなった。


 もちろん修業したいなどという勤勉な者は来るが、そこは俺もウェルカム三昧なので歓迎している。


 そのためいちおうは舞台で待機する必要はあるが、対戦者が居なくなるたびにまた次の闘いが始まる……なんてエンドレスマッチは幕を閉じた。


 剣を抜身にしておく義理も義務も無くなったので、今は“虚無庫(ストレージ)”に仕舞って舞台の上に寝転がっている。


「それでも誰も来ないのは、きっとやりすぎたからかな? 仕込みとしちゃあ上出来だと思ったんだけど……」


 前日に少し過激な修練を施したため、これまでの修練相手は全員お休み中だ。


 どうにか登校している所は確認しているので、ここに来ないというだけで学園生活に支障が及んでいるわけではないらしい。


「まあ、独りで修練する方がいいときもあるからいいんだけどさ」


 少し前まで体を動かしていたため、言うことを聞かない肉体は寝かせておく。

 その代わりにニートでも修業できる魔法を使い、別の修練を始める。


「“虚無庫”……これの無魔法版があればいいんだけどな」


 似たような魔法は存在するが、それらはすべて空間属性という水や闇属性から派生する属性によって発動できる。


 たしか……どっちも空間を広げるといった意味合いがあるとかないとか。

 まあ、無属性では『無い空間』を広げることはできないというわけだ。


「けど虚無ならできると……仕舞っておいた物は時間が凍結してるし、無限に入るし。何より魔力が自動装填されてるんだよな」


 充電器……というか充魔器としての機能が実にありがたい。


 一部の貴重な装備と魔法で生成した物にしか無い機能だが、魔力をチャージしておけばあとで注がずともすぐに力を発揮してくれる分、先手必勝にも奥の手にも使えるわけだ。


「けど、無でイメージしてみれば意外とできるんじゃないか? そう、ここは悲しくも無に関する適正しか無かった異世界人代表として──やってみよう!」


 他の異世界人は収納の魔道具や空間魔法を習得しているなどの理由で、わざわざ無魔法でそれを試していない。


 賢者であるハルカに頼んでみれば、意外とやってくれそうなんだが……まあ、自分で明確にイメージできなきゃ効果が薄くなるか。


「無、無……無? 無……」


 もちろん俺にチートな才能なんてないわけで、突然創ろうと思ってもそう簡単に魔法の設計図なんて浮かばない。


 まあ、魔法は基本設計図を頭の中で思い浮かべて創っている。


 どれくらいの魔力が必要で、どういう風に作り変え、どういった現象を起こすのか……具体的に言えば5W1Hはしっかりとさせておく必要があるな。


「無……じゃない、変更。無い……無い……足りない? 違う、入れない? そうじゃないな……逆に有る? 有る物が無い? つまり、存在が無くなっている……」


 おっと、少しずつ頭の回転が速くなるな。

 特に意味は無いが“身体強化(ブースト)”で体のすべてを強化し、脳の細胞が強化されないかなーと期待しておく。


「存在の否定、偽装……無くして戻す。無い物があって繋がる穴──“無倉穴(ケース)”!」


 深く集中していた俺の眼前には、ぽっかりと小さな穴が生まれていた。


 よしっ、成功!

 やっぱり才能が無い方が、理詰めでイメージに補正を押し込めるのかもな!


「さっそくテストをしてみますか」


 動くと決めたが、まだ実行日は決まってはいない……魔法のネタを集め、ハルカに自慢してみるのもいいかもな。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 翌日、闘う日々が戻ってきた。

 前日の休みはなんだったのかと言いたくなるほど、お客様が大勢現れたのである。


「クソ、■■■……!」


「遅い」


「げひゅっ!」


「お、おい! なら俺が──」


 友情ごっこをしようとしている不良貴族を叩いて気絶させ、そのまま舞台の外へ落としておく。


 まったく、せっかく自由に待てると思っていたのに……逆戻りじゃないか。


 むしろなんで一日空けたんだ?

 嫌がらせだろ、絶対分かってて一日空けたに違いない。


「「なら、次は俺たちが──」」


「知らんよ──“魔力弾(ブリット)”」


「「ぐわーっ!」」


 今のは双子っぽかったな。

 けどそんなの関係ないし、休ませたくせにすぐ働かせられた俺の怒りを受け取れ。


 私怨が籠もったせいか魔力がいつもより多く注がれ、触れてもいない魔力の爆風を受けて双子は吹っ飛んでいった。


 そんな繰り返しが続く毎日。

 レイルに任せた例の計画も実行されず、不良生徒に嘆き修業相手に笑い続けた。


「はいはい、次の方次の方ー」


「ふんっ、貴様は自らのことを魔法剣士(・・)と名乗っているらしいな」


「……それがどうした?」


「俺が真の魔法剣士ってヤツを教えて──」


 言い間違いをしている輩には、剣以外の武器で攻撃して終わらせる。


 この際“無倉穴”が使えるようになったため、みんな驚く……こともなく、ただ変わらずにブーイングを起こす。


「魔法剣士じゃなくて魔法戦士だ。次に同じように間違えたら、どうなるか……覚えておくんだな」


 まあ、特に何もする気はないけど……。

 たしかに剣が一番人気なんだよなー。



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