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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【始まる】面倒事対処 その01【準備】
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スレ05 取れない魔法属性



 翌日のことだ、

 アキにいろいろと教えてもらい、気が付けば夜が明けていた。


 俺はベットの上でぶつぶつ独り言を呟く。


「……結局、異世界に行っても俺は変われないんだな」


 アキには明るく伝えたが、正直堪える。


 勉強も運動も趣味すらも……何もかもが人以上にできなかった。

 テストは平均点以下、スポーツは最初勝ててもすぐに負ける。

 趣味に至っては……興味を持たない奴の方がこなせていた。


 思えば色んな人たちに、いろいろなことを教わった。

 スポーツ、料理、芸術、音楽、パソコン、商売……エトセトラエトセトラ。


 何をやっても『才能が無い』か『これ以上は伸びない』、『向いてない』と言われた。


「分かってはいたけど、やっぱり心にクるものがあるな」


 みんなが教えてくれた異なる世界。

 創作物でしか知ることのできなかったはずの体験……それは俺に、一筋の希望を与えてくれた。


 ──だが、理想の世界もまた現実と同じであったのだ。


「レベルなんて、いかにも成長できそうものが存在しているなら……そう思っていたのになぁ──裏切られた気分だよ」


 たまにレベル制じゃ無い世界の話をしてくれた者もいたが、なぜかレベルや職業、スキルや加護が存在する世界に行った者が多い。


 だからこそ、ステータスが表示できると分かった時の喜びはどれほどのものだったか。


「……まあ、今はクヨクヨしているわけにも行かない。成長できなくても強くなれる方法は教えてもらったんだ。せめて、そっちを頑張っていくとするか!」


 俺はベットから飛び上がり、訓練のために支度を行っていく。


 アキは教えてくれた。

 たとえ成長できなくても、やれることはいくらでもあると。


 ……いいぜ、アッチと違って可能性が少しでもあるんだ。

 やってやろうじゃねぇかー!


  ◆   □   ◆   □   ◆


===============================


参加者:ハルカ/アキ



ハルカ:それで、私だけ呼んでどうしたんですか?


アキ:いや、いちおう朝政に説明したアレ

本当にできるのか気になってさ


ハルカ:さあ、私にも分かりませんよ

ですが、朝政さんならできると思ってますよ


アキ:俺らだって得意分野でしかできなかったのにか?

人以下の才能しか持てない朝政が、認められるとは思えないんだが


ハルカ:大丈夫でしょう

だって──私たち全員の指導を受けてるんですから


アキ:そうなんだけどな~

たしかに朝政は俺たちのやる指導を受けきることはできなかった

だけど、全員がそれぞれの分野で優れている内容を教えたのに、ある程度学べたんだ──朝政の想像以上にそれが力になってくれていたら……こっちとしてもありがたいな


===============================


  ◆   □ 訓 練 場 □   ◆


「──であるからして、魔法を使いすぎると魔力酔いと症状に罹る。ミヌスと呼ぶ負の魔力が多い場所では、より魔力酔いになりやすくなるから注意しろよ……それじゃあ全員、魔法の練習を始めるぞ」


 今日は全員で魔法の練習をするようだ。

 ……選択授業じゃ無くなったな。


 被召喚者──つまり俺たち──は、訓練場で魔法使いさんから説明を受け、魔法を使うことになった。


「属性魔法が使える奴は属性ごとに集まってやってくれ。使えない奴は……端の方でスキル習得に励んでくれよ」


 アキによると、この世界では属性魔法を使えることが重要視されているようだ。

 ……そういえば説明してなかったし、補足しておこう。


 属性魔法とは、魔力を自身が変換できる属性へ変換してから発動させる魔法である。


 自分が変換できない属性の魔法は発動しないので、使える属性や数で差別が有るだの無いだのと説明されたな……魔法使いさんの説明は異なっていたけど。


 使える属性は(○魔法)か(魔法適性・○)スキルを持っているものだけだが……前のモノは後天的に習得できるものなので、使える魔法の属性を増やしたい者は、さまざまな方法でスキルを習得しようと頑張るってわけだ。


 被召喚者──面倒だし、今度からは召喚者で良いか──は、前にも言ったようにスキルの習得速度がこちらの世界の人より早い。


 リア充君のように全属性は無理でも、複数の属性魔法を操れるようになる……だからこそ、異世界召喚は行われるんだな。


 ゆっくりじっくり兵士を育成するより、異世界人を拉致して短時間指導した方が早いんだから。


 使い方に関しては……まあ、今は置いておくとしよう。




 俺と数人の召喚者は、端の方であの手この手で(○魔法)を習得しようと努力した。


 水に手を付けながら水魔法を習得しようとしたり、地面に寝転がりながら土魔法を習得しようとしたり。


「本当にそんなんで習得できるのか『お、水魔法が習得できた!』……いや、もしかしたらアイツだけかも『やった、土魔法が取れたわっ!』……俺もやってみるかな?」


 この後も、他の召喚者は色んな魔法を習得していった。


 基本的に四属性──火・水・風・土──の内のいくつかだったな。

 光や闇とか、そういった概念じみた魔法の習得は遅れているみたいだ。


 結局、今回の時間に魔法を一つも習得できなかったのは……俺だけだった。



===============================


参加者:アサマサ以外


 ・

 ・

 ・


ハルカ:表示が面倒になりましたし、これで纏めておきましょう

こういった時のために用意しておきました


ナツキ:これじゃあまるで、マサがハブられてるみたいね


リホ:朝政はハブられない

私が居るから独りにはならない


フユツグ:そりゃあ、全員同じようなことを言うんだから、アサマサはボッチにはならないだろ


アキ:……そういや、普通魔法の習得ってどうやるんだ?

朝政が魔法に興味津々だったんだが……

俺は最初から全属性の適性があったから困らなかったし、概要しか説明できなかった


ユキ:某は使えなかったからな、気になるな


ハルカ:私も全部あったから分かりませんね


ナツキ:私は回復特化だから関係無いわね


フユツグ:俺は魔法のある世界じゃ無かったしな~

使ってみたかったぜ


リホ:……闇系特化


アキ:あれ? ここに居る奴じゃ誰も教えられないじゃん!


ナツキ:そうねぇ……こういう時は、アイツの出番じゃないの?

……こっちから呼ぶ気は無いけど



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