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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【募集中】面倒事対処 その03【仲間】

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スレ36 鎧の形状に謎を抱くな



 あれから数日が経過している。

 傷付いた肉体は無事元通りとなり、今では思う通りに動けるようになった。


 ダンジョンは機能を停止したが、今までに残ったアンデッドなどはそのままだ。

 コアを破壊して崩壊させない限り、あの場所はずっとアンデッドを生みだし続ける。


 停止したのは、成長する機能と外部の物を取り込む機能だけだ。

 ダンジョンの階層が増えることは無く、あの場所で死んだ者がダンジョンの糧になることは無くなった。


 それでも、あの場所にダンジョンは残り続け、冒険者たちを財宝という夢で釣っていくのだ。


「鎌技──『草薙』!」


 現在俺は、鎧騎士──サーシャに稽古を付けてもらって修業中の身だ。

 だだっ広い草原で“虚無鎌(ホロウサイズ)”を振るい、虚空ごと切り裂こうとする。


『…………』


 サーシャは瞬時に持っていた武器を手放すと、飛び込むようにジャンプしてそれを回避した。

 水平方向に振り払われた鎌の斬撃は、切り裂いた空間を歪ませるようにして先へと飛んでいき──山をも切断する。


「……よし、次行くぞ次」


 細かいことを気にしてたら負けてしまう。

 すでに新たな武器を生み出した彼女の姿を一瞥し、鎌を回転させて戦いに集中する。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 休養をする間にさまざまなことを聴いた。

 彼女(・・)の名前や過去の話、ステータスやスキルのことなど。


 うん、まさかの女性だった。

 その際に少しばかり胸部のなだらかさを確認してしまい……ひどい目に遭ったのは苦い思い出である。


 ──彼女は『黒騎士王(ブラックナイトロード)()亜種(バリアント)』と呼ばれる魔物に変質していた。


 女性なのにロード()なのか、そもそもロードじゃないだろうというツッコミをしておきたかったが……それは彼女にすることでもないので、そっと呑み込んだ。


 大切なのは、彼女が人ではなくなっているということである。

 このままでは、彼女はタレコミによってどこかの宗教に狙われるかもしれない。


 栄えた国には魔物を判別する魔道具がいくつも存在し、バレるのも時間の問題だったのだろう。




 もちろん、対策は用意した。

 メイカにお願いして、最高級の偽装魔道具の用意をして貰ったのだ。


 その際にいくつか小言を受け、何か条件を呑まされた気もするが……あのときの俺は、慌てていたので即座に呑んでしまった。


 ボイスチャットだったためログは残っておらず、後から聞こうにも何やら隠す必要があるのかお茶を濁していたな。


 まあ、そんなこんなで魔道具は完成し、現在それはサーシャの耳に付けられている。


 ──『矯飾の耳飾り』と名付けられたその魔道具によって、彼女のステータスを完全に偽装することに成功した。


 どうやったかは分からないが、俺の用意できる魔道具でも、彼女は普通の人として判断されている。


 と、いうことで安心感を抱けるようになってからは、目的を生き延びるための力を蓄えることにシフトチェンジして修業を始めたというわけだ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「……って、それエクスカリバーじゃん! 止めて、鞘が無くてもヤバいんだから!!」


 異世界の伝説や神話を教えたのが、拙かったのだろうか。

 彼女は自身の能力【武神之魂】によってそれらを生みだし、伝承通りの力を発揮することまで可能にした。


 チート万歳なことだが、それなりに彼女も消費する物があるらしい。


 彼女の能力は、武器をその質や能力に応じて生みだすことができるのだが──格の高い異世界の武器の場合、魔力だけでなく別の対価を要求されることがあるそうだ。


 一度それを達成すれば、その後は魔力消費だけで済むというのが本人談である。


「いやいや、現実、逃避を、している場合、じゃなかった」


 歩行術を駆使して、選別の剣から逃れる。


 ……そういえば()、一度に使える量が心なしか増えた気がする。

 短距離しか移動できなかった『縮地』も、今では数メートルは移動可能だ。


「さすがにそれはヤバいからな、そろそろ当たって死ぬかも知れないぞ……え? どうせ当たらない? だから、当たったらヤバいんだって」


 おまけにバルムンクまで生み出し、二刀流での追撃を図ってくる。


 移動だけでの回避は不可能。

 鎌の刃で流すように剣を捌き、死なないことに全神経を注いでいく。


 ──ピピッ!


 しばらくすると、場違いなアラーム音が少し離れた場所に置いていたスマホから鳴る。

 彼女はその音に不満げな態度を示すが、今の俺にはその音は福音のように感じられた。


「はい終わり! もう、終わりだからな。今日の練習は終了、俺の命は繋がれた。私は自由で俺は無実。嗚呼、生きているって素晴らしいことだ!!」


[意味が分からない]


「知らん! 頭の中でハイテンション成分が大量に出ているんだよ! きっと俺のセリフ一度一度に『!』が出てるだろうよ!」


 時間無制限やサーシャ任せでやっていると死ぬ……すでに経験済みだった。

 俺に仕えた影響からか、それとも他に理由があるのか、彼女は生前のステータスからかなり弱体化したらしい。


 種族や職業のレベルがリセットされ、一部スキルが使用不可能になっていたそうだ。

 そんな彼女の能力値でも、まあ俺よりも数値が上なのが多かったんだけど……。


 これはいわゆる、仲間に加わると弱体化するというご都合主義(しばり)だろう。

 今のままでも彼女は強いので、特に気にしてはいないけどな。


「さて、依頼をこなすとしようか! 今日はゴブリン狩りだぞ!」


[り]


 ハイテンションのまま、二人でゴブリンの住む場所に移動する。

 ……そういえば、仲間が増えたってことになるのかな?



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