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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【迷宮は】面倒事対処 その02【宝庫】

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スレ21 求めるは迷宮内イベント



 ──大迷宮[レイル]


 そんな名前の迷宮(ダンジョン)だそうだ。

 公式に分かっている限りでは、最深の階層は50階層。


 その先は、とある勇者以外未だに誰も辿り着いていない未開の地とされている。

 かつて勇者はダンジョンを踏破した後、自身の手に入れた財宝・秘宝をダンジョンに収めたらしい。


 それを求めて今も冒険者たちが、日々冒険しているというわけだ。

 ──そんなダンジョンを召喚者たちは、兵士に守られながらも下へ下へと進んでいる。


「…………」


 そのはずなのだが、俺の周りには兵士が一人も付いていない。

 なんでも、俺は一人でいた方が動きやすいとのことだ(by騎士長)。


 ……うん、間違ってはいないんだよ。

 その方が『面倒事対処シリーズ』の指示通りに動けるし、範囲技も使えるようになるからさ。


 でも、そういうのは自分で選ばせてもらいたいだろ?

 こう、『朝政君……は来ないよね?』と言われた時のアレ、かなり傷付いたんだから!



 閑話休題(トラウマでサクラン)



 ま、まあそんなわけで、俺は現在も一人で召喚者たちの後ろをトボトボと歩いている。


 幸いにして、音楽機能はアップデートされているので、昔見たアニメを音だけで楽しむことにした。


「冒険しないと駄目なんだな~」


 アニメの中の主人公たちは、どんな場所だろうと果敢に挑んでいく。

 ちょうど今見ているのは、迷宮(ダンジョン)へ挑む少年の物語……ピッタリな内容だ。


 主人公が怪物と戦うように、召喚者たちもまた魔物と戦っている。

 目の前では実際に、兵士が弱らせた魔物に止めを刺そうとしているのだ。


 ……うん、普通の人は生き物を殺す必要はなかったからな。


 むしろ、俺はどうして日本でそんな経験を積んだんだっけ? ……うっ、思いだそうとすると頭が……ってことはないんだけどな。


 簡単に言えば──誘われた遊びに行ってみたら、なぜかサバイバルをやらされたってだけの話だ。


 いろいろな動植物も捌いたし、キャンプスキルが有ったら取れてたんじゃないか?




 だいたい二話ぐらい終わる頃には、召喚者たちも殺生に不快感を覚えなくなっていた。

 アキたちによると、そういう考え方になりやすくなるのもまた、召喚者の特徴らしい。


 なんでも思考誘導をしやすくするよう、召喚する魔法陣に予め術を刻んでおくそうだ。

 そうすることで、召喚された者たちは考え方が変わりやすくなるとのことらしい。


 ……あっ、俺に関しては問題ないとナツキが言っていた。

 経歴を知っているのでその言葉に一安心だが、国も国で結構ブラックだなと感じたよ。


 だって、クレームを言えないように傀儡にしていくんだろう?


 思考が乱れればそうなる筈だし、そうでなくても考えを奪われた者の末路なんてありふれた物語でも分かる。


 ──だからこそ、それを乗り越えられた召喚者たちによって反撃に遭うんだけどな。


「魔物は……もう、近くにはいないかな?」


 魔力と気による探索を行い、周囲の警戒は怠らない。

 このダンジョンには不意打ちを行う魔物もいるらしく、俺のように集団から外れた者を闇に紛れて殺していくそうだ。


 実は、俺ってそういうのを望まれているのかも知れないな。


 死にかけになったところに強奪能力者が出現して、俺のスキルを掻っ攫っていって俺はそのまま死ぬ……そんな展開にならないためにも、なんとしても生き残らなければ。




 それから再び三話ほど観終わり、召喚者たちは成長したレベルのゴリ押しで10階層に出現した階層主を相手に無双した。


 ……おかしいな、俺のステータスに変化は何もないのに。

 リア充君も聖剣を振り回し、巨大な魔物を倒していたぞ。


 さすがにいつまでも俺の妨害をする暇は無いようで、騎士長たちと話し合って今後の予定などを決めていた。


 これがクラス召喚とかだったら、そろそろ調子に乗った男子がイベントを起こすなんてパターンもありそうだが……大人も複数人混ざっているランダムな召喚だったので、そういう展開は無いみたいだ。


「……さて、チャンスはまだだな」


 掲載された『面倒事対処シリーズ』によると、イベントはより深い所で起きるらしい。

 そして、その場所こそが俺と召喚者たちとの別れの場所になる予定だ。


 はてさて、成功するのかな?



===============================


参加者:アサマサ以外


 ・

 ・

 ・


アキ:あの国、まさかまだやっているとは思わなかったよ

そのときの王のクソ野郎に誓約書まで書かせてやったはずなんだが……いったいどうやって掻い潜った


フユツグ:何を誓わせたんだ?


アキ:術式の使用禁止だ

精神誘導は初期にやられると厄介だからな

嫌がらせも含めて禁止させたはずだ


ハルカ:精神誘導魔法だけを禁止させたのですか?

それとも、固有名を指定したのですか?


アキ:精神誘導魔法を禁止させたはずだ


ナツキ:なら、定義を変えちゃえばすぐに使えちゃうわよ

洗脳魔法も禁忌魔法だけどあるんだし、やりようは幾らでもあるわね


アキ:たしかに洗脳魔法はあったが……まさかあのクズ、そこまでしてやろうとするとは

やっぱり国ごと滅ぼした方が良かった


だが、迷宮に朝政を連れて行ったことだけは褒めておいてやる

あそこには、いろいろ仕舞っておいたからな


フユツグ:何を仕舞ったんだよ

勇者様の宝なんだから、相当な物なんだろ?


===============================


 この後、アキは宝の種類と効果を周りに伝え、有効な活用法を知ることになった。



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