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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【祭りの始まり】面倒事対処 その06【無数の戦付き】

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スレ127 突発イベントは連鎖の始まり

皆さん、大変お待たせしました!



 レインとの戦闘で疲れた体を癒すため、しばらく休息を取った。

 あの後は本当に戦わなくて良かったので、観戦するだけして楽しんだ。


 俺以外のクラスメイトも、出し物として挑戦者たちを受け入れていたからな。

 ……サーシャにだけ、誰一人として挑まなかったのは本能によるものか。


「今日はもう、何もしなくていいからな……ゆっくりと寝られ──」


「なぁ、アサマサ」


「……どうした、ハイト?」


 人がせっかく自由時間を謳歌できる……と思ったら、人化したドラゴンの娘が眼前に。

 そういえばしばらく放置していたな、と反省しながらも、何食わぬ顔で話を聞く。


「我はこれまで『がくえんめーきゅーさい』とやらを巡りに巡った。だが、アサマサから受け取っていた財宝が尽きた。そこで、新たな財を寄越……ヒッ! く、ください!」


[…………]


「サーシャ、別に俺たちだけのときは敬語に拘らなくて良いと思うんだが」


[癖]


 癖は抜けないだろうけど、最近の学園内ではそれも悪くないという考えの持ち主が生まれつつあるからな。


 ……召喚された者たちが、現代知識を次々と持ち込む影響だろう。

 いやまあ、ある意味それ()って現代でも珍しい症状ではあるけれども。


 だがサーシャの言うことにも一理ある。

 そんな需要に縋っているようでは、さすがにハイトが人の世でやっていけなくなる日も遠くなくなってしまう。


「ハイト、俺はお前のそういう尊大な口調も好きだが……逆に、ちゃんとした口調で話せるというのもいいと思うぞ。できないのとやらないのは、全然違うからな」


「むぅ……やってみよう」


「そっか、ありがとうな。わざわざそう決意してくれて……すぐだと思うが、問題なく話せるようになったら面白いものをくれてやることにしよう。──サーシャ、それじゃあ特訓に付きあってやってくれ」


[り]


 俺に敬語は向いていない、それぐらいは自覚しているし自覚する前から何度も言われていたことだ。


 なので、かつては騎士として敬語を強要されていた時期もあったサーシャに任せ、俺は今度こそ寝ることに……。


[アサマサ、呼ばれていた]


「えっ? ……誰に?」


[教師]


 うげっ、と言ってしまった俺を誰が責めることができようか。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「仕事があるわけじゃないから、そこまで露骨に嫌がらないでほしいな」


「……そう言って、直接じゃなく間接的に依頼を出すヤツをこれまで何度も見たことがあるので。今のキンギル先生、ソイツらに似た部分があります」


「そうかい。なら、私はその者たちを少し恨まなければならないのかな?」


「やっぱりあったんですか……」


 疑いの眼差しを向けると、降参と言わんばかりに諸手を上げる。

 さらにジトーッと見るのだが……キンギル先生はそれを無視して、話を進めていく。


「君が先ほど捕縛した人造人間たち、彼らの情報はほんの僅かだった……しかし、それでも取れる情報はあった。彼らの移動の痕跡、それを辿った結果──送り込んできた国が判明したのさ」


「……で、そんな情報を伝えて俺にどうしろと言うんですかね?」


「ケミストという国なんだけどね、あそこは錬金術で有名になった国なんだ。で、今回は貴重な資料集めというわけさ」


「この学園、そんな資料があったんですね」


 いろんな禁書を漁ってはいるが、俺が探しているのはあくまで帰還に関連する物。

 あからさまに関係ない物は読んでいなかったので、気づかなかったのだろう。


「本当は、『世界図書館』に行きたいんだろうけどね。あそこにはありとあらゆる本がある。だけど、厳重な警備があるから二番目に珍しい本のあるここに来たんだろう」


「その世界図書館という場所はともかく、どうしてここにそんなに珍しい物が?」


「学園長の趣味だね。ただ、他国に渡ってはいけない情報を守っているという見方もできる。君たちみたいに正しく使える者のため、預かっている……そう言っていたね」


「俺がアレを読めたのはそのお蔭だと……感謝しても、し切れませんね」


 ハルカ曰く、欠けていたパズルのピースがだいぶ埋まったらしい。

 無くても完成はしただろうが、それなりに時間が掛かっていたんだとか。


 ただ……世界図書館ねぇ。

 ハルカへ最大限の補助を行うため、いい情報を集めるならそこにいかないとダメになりそうだな。


「──というわけで、アサマサ君。新しい依頼を発行したい」


「……えー」


「そんな顔をしないでほしいな。君に頼みたいのは、とある人物の護衛さ……さっきまでの話とはまったく関係ないから安心してくれて構わないよ」


「いや、そういうところはまったく気にしていなかったんですけど」


 護衛か……そういうことは、他者を守るだけの力を持っている奴が受けるモノだろう。

 俺はそもそも力がないし、あっても個人でしか使えない。


 だが、キンギル先生は俺が逃げられない条件を提示してくる。


「報酬はそうだね……VIPを守るんだ、相応のものを支払うことにしよう」


「俺は別に、困っていることなんて──」


「──単位、とかでどうかな? Xクラスの成績を全部誰が取り扱っているか……君なら理解できるだろう?」


「ぜひとも、やらせていただきます!」


 権力には勝てなかったよ……ちなみに、成績が悪いとかじゃなくて、自由な時間を確保したいだけだ。


 ほ、本当に本当なんだからな!



それでは、また一月後に!


最後まで読んでいただきありがとうございます。


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誤字脱字報告、また質問疑問なども大歓迎です。

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