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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【祭りの始まり】面倒事対処 その06【無数の戦付き】

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スレ122 師匠がふらつきがち

皆さん、あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いいたします



「さて、どうしたものか……」


 魔法の一つ“探索(サーチ)”を実行したうえで、もう一つの魔法“警報(アラート)”によって見事人造人間(ホムンクルス)たちを見つけだした。


『観光はもう済んだだろう? 最後にとびっきりの場所に案内してやろう』


 しかし、こんなことを言った手前、どこかに行かなければならない。

 彼らの目的地である迷宮は論外として、良い場所はないだろうか……そう考えてみる。


 すると一つだけ、頼りになりそうな場所の候補を思いだした。


「行くぞ、二人とも」


「「…………」」


「逃げられると思うなよ。もし、それを選ぶなら……二、三本は折るからな」


「「……ッ!?」」


 ほんのちょっと、無限の魔力の一部を解き放っただけ。

 だがそれだけで、人造人間たちは恐怖に染まった表情を浮かべた。


 生まれたばかりの赤子のような存在。

 だからこそ、本能に従い大人しく俺の後を付いていくことを選んでくれた。


 ……自決をされるよりはマシだったが、これはこれで嫌な結果になったものだがな。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「ここは……冒険者ギルド、なのか。わざわざ私たちをここに連れてきたのは、いったいなぜだ」


「すぐに分かる──通してほしい」


 受付嬢の所へ向かい、学生証を見せた。

 これは学生全員に与えられている代物なのだが……序列者である俺の物には、特別にこの世界の言語で『十』と刻まれている。


「……畏まりました、少々お待ちください」


 わざわざそれを提示したことで、俺が何をしに来たのか分かってもらえたのだろう。

 受付嬢は何やら魔道具に向けて口を動かすと、俺が客として来たことを告げていた。


「お待たせしました。ギルドマスターがお会いするようです。場所はどちらで?」


「下の空間を。有事の際、そこなら窓を突き破って逃げられることもない」


「か、畏まりました。そう伝えます」


「なら、俺たちは先に行っておく。すまないが、詳細はそちらで伝えると」


 まあ、正直人造人間の連れていることはあちらでも分かっているのだろう。

 街には従えた魔物が配置されているわけだし、その目の一部はここに続いている。


 それゆえに人造人間たちは作られた死角を通らざるを得なかったし、俺も罠を張り巡らせるのが簡単だった。


 間違いなくその設計には、ここの長も協力しているはずだ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 下の空間とは訓練場のことであり、魔法にも耐えられる特殊な素材で覆われている。

 特に上は徹底的にガードされているので、飛んで逃げるといったことも難しい。


「やあ、直接こうして顔を合わせるのは初めてだね……アサマサくん」


「ギルドマスター、本日はわざわざ──」


「堅苦しいのはいいよ、そう言ったね。立場的にも序列者はほぼ対等、公式の場でも問題にならないよ」


「……来てくれてありがとう。あと、悪いけどまだ名前を教えてもらっていない」


 少なくとも学園迷宮の最下層で会ったときには、訊いた覚えが無い。

 有名な名前なんだから覚えておけよ、とか言われても耳にしたことがないのだ。


「それは……少し私も驕っていたのかもしれないね。まあ、ギルドマスターって呼び方でも充分かもしれないけど……とりあえず、私のことは『ワイズマン』と呼んでくれ」


「分かった。じゃあワイズマン、さっそくのことなんだが……後ろの二人、そっちでも把握しているよな」


「もちろん、ホムンクルスだね。そもそも、きみに依頼をする際に用いた絵は、私の従魔が写し取ったものだからね」


「……なら、話が早くていい」


 すべては掌の上での出来事だったわけなんだが、別にそれで支障が出るわけでもないので気にしない。


 そもそも、そんなこと地球だと日常茶飯事で当たり前という認識だった。

 なんでかこう、俺って試されてばっかりでトラブルも最初は用意されたモノなんだよ。


「どうにかする方法は無いのか?」


「どうにか、と言われてもね。具体的にきみはどうしたいんだ?」


「今の状態から脱して、寿命を延ばしてやることだな。師匠から錬金術は習っているし、たぶんだが環境さえと素材さえ揃っていればどうにかできる」


 ──ということを、すでにチャットを通じて相談してあった。


 異世界の素材と言うことで首を傾げていたものの、サンプルを送ったところできないことはないとの返信が。


「きみの師匠か……ぜひ会ってみたいね」


「あいにく、遠く離れた場所でバカンスにでも勤しんでいるだろう。顔を合わせる機会がもしかしたら、有るかも知れないな。それよりも、できるか?」


「きみの頼みだ、無下にはできまい。設備は学園内の物を使えばいいだろう。けど……信用されないだろうね、彼らは」


 侵入者だし、必要な情報以外真っ新な人造人間だからな。

 移動中に軽く訊いてみたが、首謀者に関する情報などは皆無だった。


「俺も似たようなものだったし、問題ないだろう。今は寿命という選択肢が奪われていることの方が問題だ。あとのことはあとで考えれば良い」


「そうだね。足りない素材が有ったら言ってくれ、すぐに用意しようじゃないか。その代わり……」


「分かっている。ギルドには登録しないが、学園経由で流される依頼の一つぐらい、やってやるよ」


「分かってくれて何よりだよ」


 こうして、ギルドマスターのワイズマンと交渉を終えた。

 きっとこれから、情報の隠蔽や確認に入るだろう……本当、優秀な人だよな。



それでは、また一月後に!


最後まで読んでいただきありがとうございます。


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誤字脱字報告、また質問疑問なども大歓迎です。

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