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俺と異世界とチャットアプリ  作者: 山田 武
【祭りの始まり】面倒事対処 その06【無数の戦付き】

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スレ110 一人はみんなのため、みんなは自分のため

皆さん、お待たせしました!

今年もよろしくお願いします!



 学園モノと言えば、やはり豊富なイベントだろうか?

 たまたま主人公が来校した年に限って、何十年に一度とかのイベントが行われるのだ。


 そしてどうやら、異世界召喚されたリア充君が居るこの年もまた……その例に該当してしまったらしい。


『──学園迷宮祭?』


 一期の試験が終了したあと、ホームルームでキンギル先生がその単語を告げた。

 祭りなんていかにもなワード、やはり盛り上がるべきなのだろうか?


 ただ、クラス対抗戦を思い返すとロクなことが無い気がするんだよな……というか、なぜに迷宮を入れてしまったのだ。


「皆さんは初めてでしたね。学園迷宮祭とは従来の学園祭とは異なり、迷宮(ダンジョン)の内部で行うお祭り……とまあ、名前の通りです」


「具体的に何をするんですか?」


「迷宮の体験はもちろん、その日だけは普段では行くことのできない深層にも足を踏み入れることができます。宝箱も開け放題ですので……探索者の方々にも大人気です」


「深層って……七十層より下に!?」


 あっ、七十より下が深層だったのか。

 なら俺って、もうすでに深層にも行ったことのあるヤツなんだな。


 学園迷宮は一度行った階層なら、行くことができるし……恩恵にはあやかれないな。


「学園の生徒は上層でそれぞれ模擬店を行います。通常の模擬店をやるもよし、迷宮でしかできないことをやるもよし……いづれにせよ、何かをやらなければなりません」


「何かって……」


「もちろん、皆さんのやる気を高めるご褒美もあります。迷宮で見つかる宝箱──その中でも最高ランクの宝箱を、もっとも人気だった模擬店を出したクラスの全員に用意されるのです。当然、中身はその人の物です」


「マジか! 最高ランクってことは、遺失級の魔道具とか神話級の武具だって……!」


「だからこそ、この年に学園に居る者はそれだけで幸運の持ち主なんですよ」


 遺失級だの神話級だの、なんだか凄いランクみたいな物が出ているな。

 ちなみにそれら、サーシャが創造した武具の大半が該当しているぞ。


 だが宝箱はランダム、最高ランクの物でもあくまで出てくるアイテムの最低品質が底上げされるだけだ……そう、ハズレが無いわけではない。


「こればかりは、アサマサ君を強要するわけにはいかないけど……どうするかい? 従者である君には、それを選ぶ権利があるよ」


「──当然、出るじゃないですか」


 さらに言えば、アキの残してくれたアイテムの大半が遺失級なので、まったく宝箱目的で出る必要は無い。


 しかし、俺にはそれでも参加する意味と目的が在った。


 ──『面倒事対処シリーズ』。


 神の道楽なのか、時折訪れるヒント。

 そしてそこには記されていた、宝箱の中に帰還に関する情報が入っていると。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 だが、俺だけで優勝できるわけでもない。

 そしてスレはあくまで面倒事に対処するための方法が載ったモノであり、優勝の仕方が載っているモノというわけではないのだ。


「サーシャ様、よろしくお願いします」


[り]


「……というわけで、なんとしても最優秀の模擬店に選ばれなければならない。クラスメイトの諸君、期待しているぞ」


「…………なあ、なんかお前、いつもと態度が違う気がするぞ」


 ブラストにツッコまれたがスルー。

 学園では主従が逆になっているサーシャの協力も得られたので、あとはクラスを動かしていくだけだ。


「あっ、ちなみにクラスの代表者は俺とは別に決めなきゃならないらしいぞ。従者が代表者はさすがにダメらしいし、サーシャ様も嫌だと言っていたからブラストにしておいた」


「なんでだよ!? め、面倒臭いことはやりたくねぇよ!」


「落ち着けって。これはあくまで名義上の話で、実際には俺が代理で会議とかを済ませておいてやる。やりたいなら別だが、それでお前には功績だけが残るって寸法だ」


「あ、アサマサ……すまねぇ、俺はお前のことを疑っていた。てっきり、バカだから簡単に丸め込めるとか、そんなことを考えられているのかと……」


 ……その通り、ビンゴである。

 まあ、もしかしたらブラストの予想が当たることも無きにしも非ずではあるけれど。


「ご、ごほんっ! と、とにかく、負けるわけにはいかない……力を貸してほしい」


「ったくしょうがねぇな。あとで理由とか訊かせてくれよ」


「私も。アサマサって、あんまりこういうのに参加しないイメージだったんだけど……やる気ならいいわ」


 ブラスト、そしてフェルはこう言い──


「まったく、我々がそのようなことに参加するなど……だがまあ、報酬である宝箱には興味がある。仕方がない、参加してやろう」


「……面白そう」


 アルムとファウの兄妹も、次々にそう言ってくれる。


[任せて]


「アサマサ、なんだかよく分からないが、勝負なら勝つだけだ!」


 契約者であるサーシャとハイトも、その意思を示してくれた。

 あとはクーフリ先輩だが、あの人はここに居る方が珍しいのであとで探してみよう。


「ありがとう、みんな……このクラスなら、きっと最優秀クラスに選ばれるはずだ! それじゃあさっそく、何をやるか決めることにしようぜ!」


『…………』


「……あれ?」


 ただまあ、やる気と計画性はまた別の話。

 とりあえずやることは──まず、どんな模擬店にするのか決めることであった。



それでは、また一月後に!

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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誤字脱字報告、また質問疑問なども大歓迎です。

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