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第八話 幸せな食事


「あ、カズヤ。街のみんなにおっぱい腹筋トレーニングについて話してたら、ジョリーンさんが筋肉対決したいって言ってたよ」


 家に戻りメルミンさんの料理を食べているとミニミがそんなことを言った。

 

 メルミンさんの料理は鶏のからあげやポテトサラダにトマトジュース。そして白米。どの料理も抜群に美味しい。

 鶏のからあげは外はサクサクで中はジューシ。

 噛むと肉汁がじゅっと出てくる。


「筋肉対決?」

「おもしろそうね」

 メルミンさんが言った。


 この人はどんなことでも楽しそうだ。イベントはもちろん、毎日のちょっとしたことでも笑っているし、上機嫌だ。こんな人が奥さんだったら毎日が楽しいだろう。

 メルミンさんの性質はミニミにも受け継がれている。

 つまりこの家は常に温かい空気で満たされている。


「幸せだ。ありがとうミニミとメルミンさん! おれは二人に出会えてこの世界にきてよかった!」

「カズヤがこわれた!?」

「うふふ、いきなりどうしたのよ」


「おれはおっぱいが好きで、そしてこの世界にはたくさんの素敵なおっぱいがあって。おれはいくらでも頑張れる環境が整えられているんです。おれは神様に感謝しています!」


 女神のイリスさんにも大感謝だ! この世界におれを送ってくれてありがとう!


「料理もおいしい! 毎日インスタントの食事だったおれにとってこれはご馳走です!」

「ありがとう、たくさん食べて」

 メルミンさんが微笑む。


「食べろ食べろー!」

 ミニミがおれの口にご飯を突っ込む。

「おひひぃ!(おいしい!)」


 おれは鶏のからあげも白米もおかわりして、たらふく食べた。

 筋トレで疲れた体が食事を欲していたようだ。今までで食べたことがないくらい食べられた。


「美味しかったです。ごちそうさまでした!」

「おそまつさまでした」

「ごちそうさまー。カズヤーおっぱい筋トレしよー!」


 ミニミはご飯を食べたばかりですぐに運動をしたいらしい。おれは胃がこんなに重たい状態で動いたらお腹を痛めてしまうだろう。


「まってくれ、まずはほら筋肉対決だっけ? それについて聞かせてくれよ」


 とりあえず話をそらし、時間を稼ぐことにした。

 するとメルミンさんがおれの質問に答えてくれた。


「ジョリーンさんは筋肉自慢の人ね。赤髪の長髪で、真っ赤な唇をしたセクシーなおおきなおっぱいの人よ」


「大きなおっぱいですか?」

「ええ、とっても大きいわ」

「それは素晴らしい」

「むー、なんかムカつくー」


 ミニミが拗ねた。

 メルミンさんがミニミをなだめようと何か言いかける。しかし、それをおれはさえぎった。

 

 おれがミニミに言いたい。ミニミと繋いだ手の感触。今日初めて女のこときちんと手をつないだのだ。

 その女の子には、おれがきちんと気持ちを伝える。


「ミニミ、おっぱいは男に必要なものなんだ。ミニミだって、赤ちゃんの頃はメルミンさんのおっぱいを飲んで育っただろう? おれだってそうだ。けど男と女で決定的にちがうことがある」

「なに?」


 ミニミは興味深そうに身をのりだしてくる。おっぱいが眩しい。


「女はおっぱいから卒業したらおっぱいはいらなくなっていく。なぜって、自分におっぱいがあるからだ。けど男には成長してもおっぱいがない。できない。

 だから、男は女性のおっぱいが必要なんだ。それがエネルギーになる!

 どんなおっぱいも平等に素晴らしく素敵なんだ! おっぱいは平等に男に与えられるべきなんだ」


 おれは一度言葉を区切り、続けた。


「だから拗ねるな。ミニミのおっぱいは大きくて張りがあって弾力もあって、素晴らしい。

 どのおっぱいにだって負けてないさ。そして他のおっぱいだってそれぞれ素晴らしいんだ。ミニミのおっぱいよりどうとか、そういうことはないんだ」


 おれはミニミの目を見る。

 ミニミは真剣に話を聞いてくれたようだ。


「うん、おっぱいのことはわかった。男にはおっぱいが必要なんだね。だからいつもおっぱいを求めてるんだね!」


「そうだ。おれは男として、おっぱいを求めるように出来ているんだ。ミニミのもメルミンさんのもジョリーンさんのも。おれはおっぱいを求め続ける! ミニミはそれに嫉妬しないでついてきてくれ!」


「わかったー!」

 ミニミは片手の拳をあげた。

「ありがとうー!」

 おれも拳をあげる。

「うふふ、がんばりましょう」

 メルミンさんも拳をあげてくれた。


 おれはたくさんのおっぱいを知るためにこの世界で頑張ろう。

 メルミンさんにミニミ、次はそのジョリーンさんだ。


 道中色々な素敵で素晴らしいおっぱいの女性が無数にいたが、ジョリーンという有名な女性のおっぱいへ続くのは悪くない。

 

 おれのイメージではグラビアアイドルのおっぱいくらい価値がある。有名なおっぱいはたくさん味わっておきたいのだ。


「おっぱい万歳!」

「ばんざーい!」

「うふふ、ばんざい」


 おれはおっぱい教の創始者にでもなった気分だった。

 この世界には男がいないからおっぱいの素晴らしさにまだみんな気が付いていないのだろう。


「おれはおっぱいのためならいくらでも頑張れるぜ!」

「おおー!」

「うふふ」


 幸せだ!


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