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第三話 美少女との出会い

 目が覚める。

 ああやはり夢だった。おれは身体を起こして目を開く。


「は!?」


 おれは裸だ。藁で作られている寝床のような場所で目覚めていた。


「ここはどこだ?」

「んー? 起きたん?」


 声のする方をむくと超ミニスカートの女の子がやってきた。

 目がキラキラしていて、澄んだ声をしている。かわいい女の子だ。そして、爆乳である。


 すごい。おっぱいがロケットのように飛び出している。爆乳。ロリ爆乳。おれの眼力はおっぱいへ注がれた。


「そう言えば……」


 夢の中でイリスさんが言っていた。次におれが行く世界は素敵なおっぱいがたくさんある世界だと! あれは夢じゃなったのか?


「そうだよ~♡ ちゃんと現実~」

「うわああ! なんだこれ!?」

「脳内に語りかけてるの~、時々ちゃあんと頑張ってるか見てるんだから~じゃあね~」


 おれは頭を振った。これが現実なのだ。


 おれはこの世界で幸せになるのだ。


 ニートも童貞も関係ない。新しい世界の佐藤カズヤになったのだから! これからおれは人生を変える! おっぱいを揉む!


「お嬢さん、おれはどうしてここにいるんだい?」


 新たな自分は硬派なナイスガイだ。多くを語らず、ミステリアスな雰囲気で女性を惹きつける。実際ニートだったからおれは多くを語ればボロがでる。ナイスな作戦だ。


「うーん、裸でおっぱいもみたいって寝言言いながらあたしのおっぱいももうとしてた」

「おふっ……」

「わらっちゃった」

「ぐ……」


 異世界デビュー、大失敗のようだ。おれは寝言でもおっぱいを揉みたいなんて言っているとは。しかも寝ていてもおっぱいを揉もうとしているとは。おのれの執念の強さに驚いてしまう。


「いやー、おっぱいって素敵で素晴らしいよね? キミのおっぱいも素敵で素晴らしいぜひぜひ揉ませてくれないか?」


 おれはウィットに富んだ会話の出発を目論んだが、これはいささか失敗かもしれない。ニートのおれにはそんな機微はわからん!


「んー? ミニミの揉む?」

 なんと女の子は座っているおれの前で膝たちになる。

 

 おれの眼前にはすばらしい張りのあるおっぱいが――。しかも、上半分は露出していて、ゆるそうな胸元がチラリズムを演出する。


 おいおいおいおい!

 すげえな!


 平行世界万歳! 死して平行世界万歳! 死んで良かった!


 おれの脳内ではファンファーレが鳴り響き、これから人生の絶頂を迎えることを予感させる。これは確定したともいえる。


 なぜなら目の前に爆乳ロリおっぱいがあり! それを揉んで下さいとばかりに目の前で揉まれるのを――待っているのだ!


「し、しししししし失礼するよ♪」

 おれはゴクリと唾を飲み込む。


「うん。たくさんもんでねー」

「うああああああ!」


 手をのばす。爆乳がおれの手の平に、あと10センチ、7センチ、5センチ――もはやおっぱいのぬくもりが指先へ感じられる。あと、少し――。


「おれのおっぱいだああああああ!」


 おっぱいへむかって両手をのばし、ひと思いに手を突っ込んだ。とにかくやわらかなおっぱいを堪能するのだ!


 ――。


「うおほほああ!?」

「きゃあんっ!?」

 なぜかおれのからだはミニミなる女の子の、胸部へ頭からダイブしていた。


 それはイリスさんのおっぱいより、とても弾力があった。張りがつよく、おれの頭をうけとめても形の変化がすくない。まくらにしてちょうどよさそうなくらいしっかりしたおっぱいだ。


 若いとはそういうことなのか。


 童貞でおっぱいを揉んだこともない癖に、おれはおっぱいについていっぱしに実体験を交えて語っている。そんなこともあるのだ。風俗も必要ない。


 必要なのはおっぱいで頭部を包んでもらうこと!

 これはすこぶる幸せだ。


「ってまだもんでいないじゃないか!」


 そうだそうだ! おれはおっぱいをもむという最初のドリームをまだ叶えていない!

 まずは揉むんだ。順番的には揉んでから頭部をおっぱいで包んでもらうのが正しいはずだ。


「お、おおおお嬢ちゃん。今度こそしつれいするよ?」

「うーん? いいよ」

 ミニミは形の良い唇でニコッと笑った。その笑顔は可憐でこんな爆乳おっぱいがあるのはひどくアンバランスだ。だが、それがいい。


 特にイリスさんという超年上お姉さんのような練乳尽くしの濃厚なお菓子のあとには、可憐でお腹にたまらなそうなスイーツがいい。


 だがその本質は食べてみないとわからない。もんでみないとわからない。実は目茶苦茶に甘甘なのかもしれない。だが、それがいい!


 もうなんでもいいから揉みたくて、ミニミが可愛い。

 おれは両手をミニミのおっぱいへ突進させた!


「うぐほあああ!」

「きゃあん!」


 さっきと同じようにおれはミニミのおっぱいに頭から突撃していた。


 それも、さっきよりも幾倍が強く突進し、ミニミの弾力の強いおっぱいに跳ね返されてひっくり返ってしまった。


 天井が見える。ドーム型の住居のようだ。


「うっぐぐぐ!?」

 激痛だ、頭が内側から締め付けられるように痛い。なんだこれは。

「ふふふふふふふ~佐藤さ~ん? ふふふふふふ~?」

「イリスさんですか? やめてください、とっても痛いんです」

「ふふふふふふ~もう忘れたの~? 女の子のおっぱいはもめないって約束したでしょ~? ふふふふふふ~」


「約束? ニートのおれはそんなこと数秒で破ります! だってイリスさんと同じくらい――いや、もしかしたらそれ以上に素晴らしいおっぱいが目の前にあるんですよ? 

 目の前で可愛い女の子のスカートがひらひらゆれたら絶対みるでしょ?

 それを『おれは大好きなA子ちゃんのスカートひらひらしか見ないんだ!』なんて付き合ってもいないのに言ってたらストーカーじゃないですか?

 おれはストーカーになりたくないし、たくさんの素敵な瞬間を心のなかに収めたいだけなんですよ!? イリスさん?」


「ふふふふふ~でも約束は約束だし~、わたしだって~佐藤さんがどういう人間か知ってたつもりだけど~すごいクズだね~ふふふふふふふふ。

 でももう約束は取り消せないから~がんばってね~ふふふふふふ。

 あ~佐藤さんが~夢を叶える日はくるのかな~ふふふふふ~じゃやあね♡」


イリスさんの声は消え去り、頭痛もおさまった。


「だいじょうぶ?」


 ミニミがおれの上におおいかぶさり、心配そうにおれを見ている。

 おれが首を起こせば、そこには爆乳のおっぱいがおれを待っているだろう。


「はっ!」

 おれは全力で上体を起こした。


 ニート時代は筋トレなんて三日坊主で続かず、腹筋なんてできなかったはずなのにあまりにも簡単に身体が起き上がる。勢いがつきすぎていたが、もはや止められず――。


「ほああ」

「きゃあん!」

 パパパン!


 おれの顔面は露出している上半分のおっぱいに勢いよくぶつかり、勢いよくはじかれてひっくり返って頭部を打った。


 とてもとても痛い。

 だが、おれはやめない!


「ふんっ!」

「きゃあん!」

 パパパン!


「ふんっ!」

「きゃあん!」

 パパパパパン!


 ミニミの張りのあるおっぱいに顔面アタックをし、おれははじき返される。

 これなら辛い筋トレを身体が動かなくなるまで続けられるだろう。


 筋トレを続けるにはおっぱいが必要だったのだ。おっぱい万能論。


 おっぱいがすべての原動力。源だ。誰かのおっぱいがなければ人類は言葉も覚えられず、飢え死にしてしまうのだから!


 おれは本当に、身体が動かなくなるまでおっぱいへ腹筋を続けた。


「はあ、はあ……もう動けん」

「お疲れさま」


 ミニミは頑張ったねとおれの頭をなでなでしてくれている。その顔は邪気がなく、ただただおれの頑張りをたたえてくれている。


 ミニミだっておれの筋トレをおっぱいを眼前にさらすことで協力してくれていたと言うのに。


「ミニミ、ありがとう。君のおかげでおれはがんばれたんだ」


 そうだ、目の前にすばらしく張りのあるおっぱいがあれば腹筋をいくらでも続けられる。それをおれは証明したのだ。

 

 おっぱいにはじかれるこの快感、これはイリスさんのおっぱいでは味わえないだろう。


 イリスさんのおっぱいなら勢いよく突っ込んでもくるみこんでしまうだろうから。

 筋トレに向いているのはミニミのおっぱいだ。


「また筋トレしたくなったら付き合ってくれるか?」

「うん! いいよ! なんか笑えるし」

 ミニミは屈託のない笑みを浮かべている。


 ああ、可愛い。


 こんな女の子と青春したかった。


「いやいやいやいや! おれはこれから青春出来るんだ! この平行世界で! おれは人生を取り戻す!」


 おのれの言葉を振り払う。


 そうだ、ここはおれが幸せになるための平行世界なはずだ。イリスさんもそう言っていた。そして、おれの前にはミニミという可憐で爆乳な少女。年齢差も容姿も学力もコミュ力も関係なく、おれが幸せになるための条件が整えられた世界なんだ。


 そうでなきゃ、おっぱい腹筋トレーニングなんて許されるはずがない。


「ミニミ、このトレーニングはおっぱい腹筋トレーニングと命名する! これから毎日続けるぞー!」

「おー!」


 ミニミが腕をあげて答える。


 ここで、おれは人生を幸福にしなくては!


 他のすべての平行世界で不遇な自分のため、おれはその不幸せ分きちんと幸せにならなくてはならない。

 ひとまず自分の目標を再確認。

 そうやって落ち着くと自分の状況がわかっていないことに気が付いた。


「なあミニミ、ここはなんていうところなんだ? 時代とかある?」

「じだいは西暦3517年! おかあさーん! 目が覚めたみたいだよー?」


 ミニミがお母さんと言っていた。

 誰かの足音が近づく。

 その顔を確認したかったが、人生で一番腹筋をしたであろうおれに体力は残されていなかった。


「おやすみ、ミニ……」


 あらがいようのない睡魔に襲われ、ミニミとその母親の声が聞こえなくなった。


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