日常の終わりってこんなに突然?
初めましてTIOです。
この作品は初めての作品なので至らない点が多々あるかと思いますが面白いと思ってくださったら評価等お願いします。
1話の登場人物
京村 成都・・・新高校生、筋金入りのオタク
橘 雫華・・・成都と同じく新高校生、隠れオタク
京村 杏子・・・成都の母で怒ると怖いが基本的に優しい
小紅・・・少女の体になってタイムスリップしてきた武士、徐々にその体には慣れていくが?
「成都は私の隣で寝るの!」
「いや、成都は我の隣で寝るのじゃ!」
「じゃあ、ここは間をとって私で!」
「あれー?私と寝るって約束したよねー?」
「うっざいわね!!あんた達離れなさい!」
こんな冴えない俺に何が起こったのか、それは数日前まで遡る。
「おにいたん!朝だよ〜起きて〜!」
自分の推しキャラの着ボイスで起きる。そしてカーテンの間から朝の日差しが追い打ちをかけるように俺の顔面にダイレクトで攻撃してくる。
やっぱりこんな良い天気の日には二度寝に限るな。
うん、そうだそうd
「起きろぉ!クソ息子ぉ!あんた今日は入学式でしょ!」
「うわぁぁぁ!耳元で叫ぶなぁぁ!耳が死ぬゥゥ!」
かくして俺の華やかな学校生活は最悪の寝覚めで幕を開けた。
「だいたい入学式当日に普通は二度寝しないでしょ。あんたどうせまたギャルゲでもして夜更かししてたんでしょ?ギャルゲごときで寝坊なんて笑い事じゃないわ。」
「ギャルゲ“ごとき”とは何だよ!てか雫華は俺の母さんか!」
こいつ、橘雫華は顔立ちが良く髪型はウェーブのかかったロングヘアで黙っていれば美少女だ。が、胸はネタにしにくいくらい微妙な大きさだ。こいつとは小中共に同じ学校で家も隣だ。それに、お互いの母親の実家も隣同士だったというのもまた凄い。
そうこうしているうちに俺と雫華が入学する私立峰ヶ岡学園高校に着いた。来年で創立
90周年になるらしいが金はあるらしく設備は新しいみたいだ。
真新しい体育館に入ると既に多くの生徒が硬い表情で椅子に座っていた。式が始まりPTA会長や校長といったいわゆる偉い人たちの話が終わり、クラスで一通りの活動をした後にやっと俺達新入生は解放された。
「は〜、やっと家に帰ってゲームが出来る!そういや雫華は何組だった?」
「五組よ。成都は?」
「六組、ってか何でこんなとこまで一緒なんだよw」
「それはこっちのセリフよ」
こんな感じに平凡な会話をしていられる日常はずっと続くものだと思っていた。
その時までは。
家に帰り、すぐに自分の部屋へ向かうやいなや何やら部屋が荒れていることに気付いた。不審に思ったが、その謎はすぐに解けた。
「ん? そなたは誰じゃ?名を言うてみい」
「は?」
部屋が荒れていたことにも驚いた。が、さらに驚いたことに、
――――何とそこには“少女”が居た。しかも真っ裸で。
「ん?どうしたのじゃ?」
「どうしたじゃねぇぇぇぇ!!誰だよ!!何で俺の部屋に居るんだぁぁ!てか服着ろぉぉ!」
「ふぇっ!?何故こんな姿なんじゃぁぁぁ!我の鍛え上げられた肉体は何処へ行ったのじゃぁぁ!」
その時、偶然自分の部屋の机に用事があった雫華がふと窓の方を見た。そこには荒れた部屋の中で成都が幼女と一緒にいた。その上少女は服を着ていない。
「あいつ、とうとう三次元の女の子に手を出したの!?しかも真っ裸じゃない!!」
プルルルル…。
「クソ!こんなときに誰だよ!!」
「ちょっと!あんたどういうつもり?」
「え?」
「窓を見なさい。」
成都が窓の方を見ると形容出来ないような怒りに染まっている雫華の顔があった。
「説明、してもらおうかしら。」
だが、俺の非日常はまだ始まったばかりなのであった。