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IMMORTAL BLOOD  作者: Allen
グレイスレイド編:少年と少女と過去の英雄
35/196

32:殺す少年と殺せない少女

己の為である事を理解して、少女は自覚した偽善を振りかざす。











《SIDE:FLIZ》











安全確保クリア

「くりあ?」



 曲がり角にて建物の角に隠れながら、煉は通りにいる食人鬼グール達を狙撃している。

彼は癖なのか、たまに言葉の端々に英語を混ぜるんだけど、ミナがそれを真似するのが何とも微笑ましい。

とりあえず安全は確保されたと言う事で、行方不明者に声をかけるのはあたしの役目だった。



「ノーラ、ノーラ! いたら返事して!」



 大きな音を立てると、食人鬼達が寄ってきてしまう。

だから、一箇所に留まって長い間探す事はできない。

未だにあの子が見つからない事に、だんだんと焦ってきている事が分かる。


 ノーラはいない。死体も見つかっていない。

どちらも見つからないと言う状況が、どうにももどかしかった。



「フリズ、そろそろ移動しないと拙い」

「……分かったわ」



 もう少し探したかったけれど、これ以上はあたし達も危ない。

それに、この場所にいるとは限らないのだ、もっと他の場所で探してみないと。


 煉は前方を確認すると、食人鬼がいない事を確かめて歩き出した。

あたしが適当な木を松明代わりにしようかと思ったけど、どうやら彼のゴーグルには魔術式メモリーが刻まれてるらしく、《暗視ナイトアイ》も出来るみたいだ。

便利ねと言ってみたら、この間までは《暗視ナイトアイ》は無かったと返ってきた。

と言う事は、他にも何か刻まれてるのかしらね。


 ミナは何だか分からないけど、とりあえず暗さで困っている様子は無い。

煉の後ろを付かず離れず、あたしからは一定の距離を取って歩いている。

会話を試みようとして失敗した感じ、この子は人見知りが激しいみたいね。

それでも傭兵やって行けるのかしら?



「よし、安全確保クリア

「くりあ」



 ……何か、可愛いから許したくなるわね。反則だわ。

とりあえず、安全確保は終わったみたいなので、通りに出て再びノーラの名前を呼ぶ。



「ノーラ、いないの!?」

「わう」

「……え?」

「お」



 あたしの問いかけに、答える声があった……けど、生憎とノーラでは無さそうだった。

その声の主に心当たりが有るのか、煉は周囲をキョロキョロと見回している。

そして、その視線が路地裏へ続く入り口の一点で止まった。


 そこにいたのは―――銀髪の、ちっちゃい人狼族ヴェーア・ウルフの女の子だった。

両手にでっかいナイフを持った女の子は、こちらの姿を確認するとてくてくと歩み寄ってくる。



「リル、兄貴はどうした?」

「わぅ、向こうで戦ってる」

「向こうで戦ってるって」



 ……何かしら、このやり取り?

リルって言うのがあの女の子の名前なんだと思うけど、ミナは何であの子の言った事を言い直したのかしら?

そんな風に首を傾げていると、煉がこちらを向いて声を上げた。



「フリズ、こいつはリル。俺達の仲間だ」

「そう、よろしくリルちゃん」

「わん、よろしく」



 礼儀正しくお辞儀をするリルちゃんに、あたしは小さく笑みを浮かべた。

しっかし、煉の周りって女の子ばっかりね。

もう一人は兄貴って言ってたから、男の人なんでしょうけど。



「リル、この辺りで生きてる人間は見かけなかったか」

「わふ、見てない」

「……見てないって」

「そうか……リル、悪いけど協力してくれないか? 彼女が友達を探してるんだ」

「わぅ、分かった。とくちょうは?」



 煉の言葉に頷いたリルちゃんが、あたしの方に向かって声を上げる。

少しだけ面食らいながら、あたしはそれに答えた。



「え、ああ。明るい茶髪の、緑の目をした女の子よ。あたしと同じぐらいの年頃の筈。

昔見た時には、髪をお下げにしてたわ」

「わふ」



 あたしの言葉に頷くと、リルちゃんはさっさと踵を返して走って行ってしまった。

止める間もなく行ってしまったので、大丈夫なのかとあたしは煉へと視線を向ける。

その視線に気付いた彼は、小さく肩を竦めて嘆息した。



「リルは、少なくとも俺やミナより強い。心配しなくても大丈夫だ」

「そ、そうなんだ」



 人は見かけによらないって言うけど、本当なのかしら。

亜人種ヴェーアンってことはそれなりに強いのかもしれないけど、まだ子供にしか見えなかったし。

でもあたしが文句を言える立場じゃないし、今は少しでも助けが欲しい。



「とりあえず、移動しよう。リルならすぐに見つけられるだろうし」

「え……?」



 思わず、耳を疑う。

これだけ探しても見つからないノーラを、あの子一人で―――



『―――きゃああああああああああっ!?』

「「……ッ!」」



 瞬間、少しだけ離れた場所から女の子の悲鳴が聞こえてきた。

あたしと煉は咄嗟にそれに反応し、ミナはその方向へ少しだけ眉根を寄せながら視線を向ける。



「急ぐぞ、二人とも! ミナ、援護してくれ!」

「ん」

「あたしも、やれるだけやるわ」



 手甲を装備した拳を握り、煉に見せる。

彼は一瞬口を開こうとしたけれど、何も言わずに頷いてくれた。

そしてそのまま、あたし達は走り出す。



「すまん、これから起こる事は見なかった事にしてくれ」

「え?」



 走りながら煉が言った言葉に、あたしは思わず首を傾げる。

瞬間―――ミナの声が、あたしの後ろから響いた。



「《創造クリエイト銀の杭シルバースパイク》」



 そしてその声と共に、前方にいた食人鬼達が空中に吹き飛ばされ―――いや、違う!



「何、これ……!?」



 食人鬼達は、地面から突き出してきた銀の杭に貫かれ、磔にされたのだ。

こんな魔術式、見た事も聞いた事も無い。


 いや……そうだ、あたしはさっきこれと同じものを見たはず。

煉があたしを助けてくれた時、何処からか剣が現れて、食人鬼にトドメを刺していた。

あの時は気が動転していて、幻でも見たのかと思った。次の瞬間には剣なんて無くなってたし。

けど、違う。これって、まさかミナが……!?



「詳しい事は言えない。緊急時じゃなきゃ力は使わせたくないんだ」

「……分かったわ、誰にも言わない。約束する」



 あたしも、同じようなものだし。

いや、あたしはお母さんの娘だって言うことがばれてるなら使っても問題は無いんだけど。



「助かる……そこの角だ、急げ!」



 煉の言葉に従い、あたしは駆ける。

そして角を曲がり、近くにいた食人鬼を殴り倒す。

後ろで銃声がする。恐らく、煉が倒れた食人鬼を倒したんだろう。

けれど、あたしにはそれを確認する余裕は無かった。


 何故なら―――



「ノーラッ!!」



 地面に転んだノーラが、今にもリルちゃんにナイフを突き立てられそうになっていたから。

あたしは咄嗟に能力を発動する。

あの大きなナイフを熔かすつもりで、ナイフを構成する分子の振動を一気に加速させる!



「ぎゃうッ!?」



 瞬間的に感じた熱に、リルちゃんは咄嗟にナイフを投げ出していた。しかし、ナイフは形を失っていない。

この間から、武器を熔かそうとしてるのに熔け切らないわね、どうなってんのよ!?

胸中で文句を叫びながらも、あたしは回し蹴りをリルちゃんへ向けて叩き込む。

しかし、リルちゃんはそんな状態でもしっかりと反応し、バックステップであたしの足を躱していた。

飛び離れてこちらを威嚇する狼娘に、あたしも怒りの声を発する。



「何のつもりよ、一体! ノーラ、大丈夫!?」

「あ……フ、フリズ、なの……?」



 憔悴した様子のノーラを背中に庇い、リルちゃんの視線から外す。

何だって言うのよ、一体!



「リル、どうしたんだ? その子がどうかしたのか!?」

「ぐるるるるるる……!」

「……レン」



 さっきの不思議な技で細い道の入り口を塞いだミナが、こっちを見ながら首を傾げる。

いや、正確に言えば、あたしの後ろにいるノーラを見て。



「目の色、違う」

「……え?」



 思わず、あたしは後ろを振り向く。

胸を押さえながら震えているノーラの瞳……それが、昔見た緑ではなく、血のような紅に変わっている。

これは、一体……?



「……《熱源探知サーモグラフ》」



 煉が、ゴーグルに触れながら新たな魔術式を唱える。

その口元が、悔しげに歯を食いしばったのが見えた。



「……フリズ、見てみろ」



 言って、煉がゴーグルを投げ渡す。

それを受け取り、かけてみて―――絶句した。

これはサーモグラフィーみたいで、温度を感知して色で表す魔術式なんだろう。

現に、皆の体は赤や黄色で表されている。けれど―――



「う、そ」

「……ッ」



 ノーラの身体は、その殆どが緑や青だった。

ふらふらと、ノーラから身を離す。



「吸血鬼になったのか、アンタ……!」



 そんな、煉の苦い声だけが周囲に響いていた。











《SIDE:OUT》





















《SIDE:REN》











 兄貴から、話は聞いていた。

吸血鬼ヴァンパイアによって殺された者はほとんどが食人鬼グールになるが、ごく稀に吸血鬼となる素養を持った者がいると。

けれど、それは巨大な都市一つ滅ぼしてようやく一人出る程度の確率だと聞いていたから、まさかこんな風に出会うとは思っていなかった。

まだ、彼女がこの村を滅ぼした吸血鬼だと言われた方が信じられる。

けれど―――



「フリ、ズ……私は……う、ぁ」

「ノーラ!? どうしたの、どこか痛いの!?」

「苦、しい……乾いて、痛くて……」



 明らかに、成りたての吸血鬼に出る症状だ。

ぎり、と背信者アポステイトのグリップが軋む音が鳴る。

その手に、そっと触れるものがあった。



「……ミナ?」

「レンは、悪くない。だから」

「……ありがとう」



 手の甲に添えられたミナの手を上からそっと押さえ、俺は銃口を持ち上げた。

その照準を、フリズがノーラと呼んでいる女の子の頭へと向ける。



「煉!? アンタ、何のつもり!?」

「何のつもり、じゃない。ノーラって言ったな。あんた、一体何人の血を吸った?」

「ッ……!」



 吸血鬼に成ったばかりの者が感じる渇きは、到底耐えられるものじゃないらしい。

この村の滅んだ原因は、殆どがヴァンパイア・ロードによるものと、それが生んだ食人鬼による二次被害だろう。

けれど、こんな異常な状況の中で、彼女が渇きに堪えられたとは思えない。



「アンタは、人を殺した。そして、これからも殺すだろう。

ここから逃げられても、またどこかの街にたどり着いて、同じ事を繰り返すはずだ。

その体が安定するまで、いくつの村や町が滅びるか分からない」

「ちょっと待ちなさい!」



 と―――そう叫び声をあげたフリズが、その両手を広げて俺の銃口の前に立った。

その行動に俺は思わず目を剥き、声を上げる。



「どけ、フリズ。ここで殺さなきゃ、どれだけの人が死ぬか分からないんだぞ」

「『分からない』でしょ! まだ殺すって決まったわけじゃない!

殺さない程度に血を吸うだけなら、誰も食人鬼にならないし二次被害は起きないでしょ!」

「分かったような口を利くな!」

「アンタこそ、ノーラの何が分かるってのよ!?」



 俺の威嚇にも、フリズは一歩も引こうとはしない。

確かに、理論上ではフリズが言う事も一理ある。

けれど、それだけのリスクを冒すだけの理由が無いし、そうなった時の責任だって取れない。

こいつは、何も分かって―――



「確かに、ノーラは誰かの血を吸って死なせてしまったのかもしれない!

けど、これからもそうするかなんて分からないでしょ!

この村はどっちにしたって終わりよ、それは分かってる。ノーラだって償いをしなきゃいけないと思う!

でも、これから先の事なんて分からない。ならあたしは、実際に引き金を引いてしまうその時まで、ノーラの事を信じ続ける!」

「お前、本気……いや、正気か?」



 先程の理由とは違い、怒りで歯を食いしばる。

そんな理由で、災厄の原因を見逃すっていうのか?

お前の言う引き金とやらは、引いてしまえば取り返しがつかなくなるんだぞ?



「殺す責任と、殺さない責任。俺はそれを天秤にかけ、殺す事を選ぶ。

俺が殺す事で、確実に救われる命があるからだ。

もしも殺さなければ、数えきれない犠牲が出るかもしれない。

分かっているのか、お前にはその責任が取れるとでも―――」

「分かってるわよそれ位、そんな話なら昔から数え切れない程お母さんから聞かされてきた!

責任も取れるとか、そんな大それた事を言えるほど力がある訳じゃない事だって分かってる!

それでも―――」



 フリズは、俺の瞳をまっすぐに睨み据える。

俺もまた銃口を外さぬまま、その瞳を睨み返した。

この女ごと殺さねばならないのなら、俺はそうする。そう出来る。

―――だから、この女を見極める。


 そして、その俺の考えに答えるように、フリズは叫ぶような声を上げた。



「―――それでも、あたしは! 誰も死なないで済む可能性があるのなら、それに懸ける!」

「偽善だよ、お前が言ってるのは。確かに綺麗かもしれないが、容易く裏切られる」

「これがあたしの誇りよ。あたしはこの偽善を最期まで貫き通す!

何も捨てないし、何も諦めない! あたしは、あんな奴みたいにはならない!」



 その言葉と共に、フリズは振り返った。

成り行きを見守るしか出来ていない吸血鬼の少女を見据え、着ていた上着を脱ぎ捨てる。



「ノーラ、苦しいならあたしの血を吸いなさい」

「え……っ!?」

「な―――本当に正気か、お前は!?」

「言ったでしょ。捨てられないなら捨てられないなりに、それだけのリスクは負うわよ」



 そう言い放ち、フリズはノーラの傍に屈み込んだ。

二人の方へ向けている銃口が、震える。


 苦しげな表情のノーラは、首を横に振りながらフリズの事を押し留めようとするが、彼女は止まらない。



「フリズ、ダメ……私、フリズまで殺したく、ない……!」

「大丈夫、あたしはノーラを信じる」



 その言葉は、まるで呪いのようだった。

抱きしめるかのように、ノーラの口元を己の首筋へと導いてゆく。



「分かってないのよ、フリズ……私は隣の家のおじさんとおばさんを殺しちゃったのよ!

あなたは、私の怖さが分かってない!」

「ええ、だって怖くないもの。ノーラは私を殺したりしない、だから怖くない」

「っ……ずるい、よ」



 押しのけようとする力が弱まってゆく。

俺は、その少女に銃口を向けながらも、引き金を引けずにいた。



「もう、あんな思い、したくない……フリズは、ひどいよ……!」

「ノーラなら、もうそんな思いなんてしない。だって、吸ってしまったのはその二人だけなんでしょ?

それからずっと、我慢してきたんでしょ? だから……死にたいみたいな事、言わないで……!」



 ―――その声は、どこか悲痛な響きを持っていた。

ノーラは何か心当たりがあったのか、はっと目を見開き、それを伏せる。

そして―――鋭い牙の見えるその口を、大きく開いた。



「ぃッ……」



 その牙が、フリズの首筋に突き刺さる。

深く刺した訳ではないのか、その口の間から血が垂れるような事はない。


 呼吸すら殺し、見つめる。

もし少しでも異変があれば、即座に引き金を引けるように。


 そして、その間も、フリズはただノーラの頭をゆっくりと撫でていた。

まるで、幼い子供をあやすかのように。



 永遠にも感じる短い時間が、過ぎる。



「……もういい、よ」



 少しだけ名残惜しそうな表情を見せながら、ノーラはフリズの首筋から口を離す。

そして、ふらりと倒れそうになったフリズの体を支えた。

一瞬見誤ったか、と思い銃口を向けるが、それを押し留めるようにフリズの視線が俺を射抜く。



「……これで、どうよ」

「……ったく。ノーラ、だったか?」

「あ、はい」

「アンタ、今は飢えや乾きは感じているか?」

「いいえ、全く。しばらくは大丈夫そうです」

「……そうか」



 嘆息と共に、俺は銃口を下した。

やれやれと肩を下し、声を上げる。



「とりあえず、今は保留にしよう。兄貴なら、飢えを抑える方法を知ってるかもしれない」

「え……?」

「アンタの危険が消えた訳じゃない。けど、今すぐに俺達に襲い掛かるような奴じゃない、って事は分かった。

だから、今すぐは殺さない。あんたを殺さず、他の人間に危害を及ぼさなくなる方法があるなら、それを探す……それでいいな?」



 最後の問いかけは、フリズに対するものだ。

貧血で朦朧としている様子のフリズは、俺の言葉に口の端を持ち上げる。



「……ええ、とりあえずはね」

「……こいつは」



 もし方法が無かったら、また突っかかってくるつもりか。

本当に、こいつは救いようもないほどのバカだ。

やれやれと嘆息しながら、フリズの腕を掴んで立ち上がらせる。



「ッ……ちょっと、貧血なんだから急に動かさないでよ」

「贅沢言うな」



 言いつつ、俺はフリズを背負った。

目を白黒させているこの生意気女を尻目に、黙って見ていてくれたミナやリルに指示を発する。



「リル、兄貴の所に向かおう。途中の護衛は頼む。ミナは、ノーラを監視していてくれ。

襲いかかろうとしたら頼む。アンタは付いて来ればいい……襲おうとするなよ?」

「わう!」

「ん、レンは護る」

「そ、そんな事しません!」



 とりあえず、元気のいい返事が返ってきた事に満足し、俺は道の出口へと向かった。

ミナがそれと同時に道を塞いでいた鉄板を消し、飛び出したリルが群がってきていた食人鬼共を斬り刻む。

と―――そこで、背中から声がかかった。



「ちょっと、何でこんな……!」

「ミナにお前を持ち上げるのは無理、リルの方が強いんだから戦わせた方が確実。

そして、一応大丈夫とはいえ、吸血鬼に病人を背負わせるつもりはない」

「だ、だからって!」



 まあ、それに……こいつの考え方は甘いし受け入れられる物ではなかったが、嫌いっていう訳でもない。

こいつの考え方は、俺が好きだった漫画の主人公に似ていたから。 



「……はぁ」

「ちょっと、聞いてんの……うぇ、頭痛い」



 厄介な事になったな、ホントに。

これからあるであろう兄貴の説教に、俺は早くも憂鬱な気分になっていた。











《SIDE:OUT》





















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