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IMMORTAL BLOOD  作者: Allen
ディンバーツ編:幸せな結末を求めて
195/196

総括











 どうも、お疲れ様でした。

『IMMORTAL BLOOD』作者のAllenと申します。

ちなみに名前は全角なのがこだわりです。


 挨拶は程々にするとして……ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

我ながら無茶な更新ペースでしたが、それを保つ事が出来たのも、読者の皆様方が応援してくださったおかげです。

この場を借りて、感謝の言葉を申し上げます。

長さは凄まじい事になってしまいましたが、ちゃんと完結させる事ができてよかったです。



 さて、今回のこの話は全体の纏めのようなものです。

具体的には、以下のようなラインナップとなっております。


・ストーリーに関するコメント

・キャラクターに関するコメント

・次回作の話


 簡単な纏めと、作者コメント、そして裏話的なものを話して行きますので、興味が無い方は飛ばして頂いても構いません。

ちなみに、この後に次回作の予告編を入れる予定ですので、そちらを読んで頂けると幸いです。

では、ストーリーに関する話から行かせて貰います。











・ストーリーに関して


 コンセプトは、『誰もが主役』。

二つの世界と、そこを渡り歩く《旅人》。そして、その力によって訪れる無数の来訪者。

こういった世界を書く事が、まず目的としてありました。


 ヴェレングスに送り込まれた少年少女達は、誰もが主役となれるだけの資質を持っています。

と言うか、持っていないような人間は、エルフィールが除外するので呼ばれることはありません。

例外的に、煉たちを成長させる為の当て馬として呼び込む事はありましたが。


 主人公たち七人には、それぞれにバックストーリーがあります。

それぞれがそれぞれの歪みを抱えていて、その歪み故に独自の価値観を持っていました。

その周囲には認められない価値観とどのように付き合って行くか。

ここに深く関連してくるのが、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』という作品です。


 元々、自分は『魔術士オーフェン』シリーズのファンで、ある場所でその作品の元ネタが『ツァラトゥストラ』であるという話を聞き、興味を持った次第です。

実際、神の話や超人の話など、色々と似通った部分を見受ける事が出来るので、ある程度関連がある物だと思っております。


 ニーチェの有名な言葉に、『神は死んだ』というものがあります。

これは単純な意味ではなく、信仰と精神の話から更に深くなっていくものなのですが、今回の作品では単純に『神に死んで』貰いました。

まあ、ニーチェの語る神の死も、人の手によるものであるとされていますので、ある意味似ているかもしれません。

そして、そこから主人公達の力へと派生していったわけですが……その辺りはキャラクターの話の辺りで。


 この話で重要になるのは、自分自身の願いを元に自分自身の世界を築く事=超越ユーヴァーメンシュの存在です。

ユーヴァーメンシュ、ウーバーメンシュというのは、ニーチェの思想『超人』の事。

回帰リグレッシオンの元となる願いと価値観と言うのも、本来は超人へと至るものであるとされています。

神の死んだ世界で、自分自身に捧げる信仰と言った所でしょうか。

自意識の絶対肯定。場合によっては、世界で悪と断じられるようなものでもあります(煉や桜は特にその類でしょう)。


 最後、煉は自分自身が歩んできた歴史を、即ち自分自身を肯定し、そして仲間との絆を肯定しました。

それは即ち、他者を拒絶して己の力のみで戦うと言う自分自身の在り方の拒絶。

(煉は他人を拒絶しているのではなく、自分のモノとした他人を護る為に、敵を全て請け負おうとしていました)

それ故に、本来相反するはずの他者の超越ユーヴァーメンシュを己の中に取り込む事が出来たのです。

ある意味、一番成長したのは彼でしょう。











・キャラクターの話


・九条煉


 本作第一の主人公。

キャラクターコンセプトは、『主人公らしからぬ主人公』。

元ネタとなるようなものは特に無く、純粋に今回のストーリーに使いやすいように創り上げました。


 コンプレックスの塊で、価値観の第一に『自分にとって必要か必要じゃないか』があるという、ある意味最初から狂ってるキャラ。

自分にしかない物を欲し、そして手に入れたなら二度と離さない。

確実に勇者じゃなくて魔王の器です。


 ガンカタをやらせたかったんですが、いかんせん本人スペックが目のみチートと言う非常に微妙なレベルだったので、大体狙撃などの後方支援に。

主人公としてどうなんだお前は。

まあ、その分武器はかなりチートスペックなモノだったので、出番には困りませんでしたが。


 願いは『自分にしかない物を護りたい』、価値観は『最高のハッピーエンドを目指す事』。

そして超越ユーヴァーメンシュに掲げた願いは、『自分の望むものだけが存在すればいいのに』というもの。

エルフィールが今まで苦労してきたのは、煉が中々この価値観を掲げてくれなかったからです。


 揺らぐ事無く、ただただ己の道を邁進しているので、一本筋が通って書きやすい奴でした。

まあ、この作品では、基本的に回帰リグレッシオンに目覚めたキャラは揺らぐ事が無いので、非常にやりやすかったですが。











・神代誠人


 第二の主人公。

キャラクターコンセプトは『煉の対極の存在』。

デカイ武器を高速でぶん回すキャラを書きたかったので、少々『ベルセルク』のガッツがイメージとして入っています。


 煉がスタンドアロンで存在しているのに対し、誠人は色々なキャラと協力しつつ戦っています。

例えば刀はいづなが造ったもの、桜の精霊装填によってパワーアップし、椿と共に能力を使う。

こっちの方が主人公らしい性格かもしれません。


 煉の対極という事で、こちらは完全なる前衛。

ただ早く、ただ殺す事を主眼に置いた剣術を用い、対人戦闘なら最初からほぼ無敵と言うレベルです。

まあ、後半は剣技関係なく吹っ飛ばす他なくなってましたけども。


 願いは『家族と共に生きたい』、価値観は『家族を護れるだけの強い存在である事』。

そして超越ユーヴァーメンシュに掲げた願いは、『敗北する結末を認めない』というもの。

頭が固いおかげか、中々覚醒の遅い奴でしたが。


 無口であまり話に入ってこないおかげか、日常会話では空気になりやすいキャラでした。

まあ、日常風景では主に煉といづなが騒いで、誠人や桜は一歩離れた所で成り行きを見守っているような立ち位置でした。

纏まらなくなった時とかに口を出せるので、ストッパー的な役割でもあります。











・ミーナリア・フォン・フォールハウト


 メインヒロイン。

キャラクターコンセプトは、『依存と自立』。

イメージ元は特になく、元から頭の中にあったキャラクターでした。


 最初は弱く、護られている側のキャラクター。

意思も弱く、ただ煉やジェイに依存する事でしか生きられませんでした。

しかし、後に最も重要になるというキャラクターです。


 心を読めるというのは便利であると同時に非常に扱いの難しいもので、出番には慎重にならざるを得ないキャラでした。

また、エルフィールとの橋渡し役というか……仲間内では真相を一番最初に知っていたので、改めて行動を見直すと色々と面白いかもしれません。


 願いは『煉と共に救われた世界を生きたい』、価値観は『煉を愛する事』。

そして超越ユーヴァーメンシュに掲げた願いは、『争いがなくなればいいのに』というものでした。

結構愛が重い。


 最初の頃はただ単純なイエスマンでしかなかったので書きやすいと言えば書き易かったですが、キャラに深みがなかったかと。

後半になると、内心で考えている事を常に意識しなければならなかったので、扱いは結構難しかったです。











・フリズ・シェールバイト


 煉側ヒロイン二人目。

キャラクターコンセプトは『強大な力』と『不殺』。

イメージ元は特にありません。


 物語開始時点では、間違いなく全キャラクター中最強。

しかし、その強みを『人間を殺せない』という欠点で抑えていました。

『自覚した偽善者』であり、このストーリーのメインキャラである時点で、かなり自分勝手である事には変わりありません。


 キャラクターの役割としては、ツッコミ役兼弄られ役。

いづなとの絡みが非常に多かったですね。

日常会話ではいると締りが出るので、中々に便利なキャラクターです。


 願いは『家族と共に幸せに暮らしたい』、価値観は『家族と共に日々を過ごす事』。

そして超越ユーヴァーメンシュに掲げた願いは、『幸せな一瞬が永遠に留まり続ければいいのに』というもの。

願いと言う点では誰よりも純粋です。


 煉と対立する思想ながら、一本筋が通っていたおかげか非常に書きやすいキャラでした。

そして、そんな偽善的な立ち位置にもかかわらず、何故か仲間内から非常に人気が高かったです。

最後にはデレさせました。要求には答えた筈……二人きりの時はデレデレです。











・霞之宮いづな


 誠人側ヒロイン一人目。

キャラクターコンセプトは『鍛冶師』、『残念美人』。

イメージ元になったのは『森之宮先生』と言うキャラクター……我ながら、どうしてここまで変わったの分からないぐらい原形留めてませんが。残ってるのは多分名前ぐらいです。


 誠人の手助けをするキャラクターとして出てきて、プロット段階では戦闘能力はありませんでした。

初期段階でのイメージは、最早関西弁ぐらいしか残ってません。

とにかく優秀で、かなり頭もいい。けど残念。そんなキャラ。


 会話では主にギャグ担当。と言うかむしろ変態担当。

しかしながらかなり頭がいいので、常に会話の中心にいます。

『聞き』の会話時にはかなり便利でした。


 願いは『姉と和解したい』、価値観は『常に正しい自分である事』。

そして超越ユーヴァーメンシュに掲げた願いは、『疑問に対する解答がない事を赦さない』。

かなり思い悩んでいた事が分かるラインナップです。


 非常に扱いやすいながらも、気付けば会話分の殆どをいづなが喋ってたりするので注意が必要なキャラでした。

誠人との関係は最終的に微妙な感じ……恋人と言うより、既に夫婦の会話ですし。

まあ、お互い離れはしませんでしょう。











・雛織桜


 誠人側ヒロインその2。

キャラクターコンセプトは『ヤンデレ霊媒少女』。どうしてこうなった。

イメージ元は『零シリーズ』。シリーズの誰とかじゃなくてシリーズそのものがイメージ元。


 出会った時点で既に危ない感じのキャラでした。

善意と悪意が存在せず、行動を起こす理由は『自分がやりたいかどうか』。

後、何だかんだで乙女でした。


 ヒロインは最初二人ずつと決めていたので、いづなとは別の方面で誠人の役に立つようなキャラクターとして参戦。

ヤンデレさは結局発揮されないままでしたが、治療しなかったらいづなが危なかったかもしれないです。

って言うか、ヤンデレ担当は結局蓮花に持っていかれました。


 願いは『愛して欲しい』、価値観は『愛するものを護る為に敵を排除する事』。

そして超越ユーヴァーメンシュに掲げた願いは、『全ての人間が一緒だったらいいのに』。

下手をしたらRPGとかのラスボスになるような勢いです。


 精神がかなり特殊である為、書く時には細心の注意を払わなくてはならないため、結構書くのは苦手でした。

しかし、戦闘時にはかなり派手に戦う事が出来るため、こっちはかなり楽しかったです。

超越ユーヴァーメンシュの演出は多分一番力を入れました。











・雛織椿


 誠人のスタンド……ではなく、同じ願いを持つ同志。

キャラクターコンセプトは、『未来視』。

イメージ元は桜と一緒。と言うより、桜から分裂した感じです。


 メンバー的に探索に向いた能力者が足りていなかったので、桜から分裂するような感じで生まれたキャラクター。

しかし、おかげで誠人の強化に悩む必要がなくなりました。

相変わらず、誠人は他人ありきの戦い方でしたが。


 役割としては、色々と不安定な桜の補助。

そして、痒い所に手が届く非常に便利な能力。

戦闘は若干微妙でしたが、誠人と組んでからはかなり強くなりました。


 願いは『桜を護り続けたい』、価値観は『桜と共に生きる事』。

そして超越ユーヴァーメンシュに掲げた願いは、『勝利するべき未来を勝ち取りたい』。

桜LOVEです。


 途中参戦ながらも、中々いいキャラクターをしていたと思います。

とにかく桜が大事、悪く言うと桜以外は結構どうでもいい。

ちなみに、本編終了後の椿は、常人なら霊体に触れただけで死にます。











・水淵蓮花


 女版の煉。

キャラクターコンセプトは、『煉と同一の渇望』。

イメージ元は煉。ぶっちゃけ中身は全く同じ。


 煉と同じく、気に入ったものを自分だけのものにしたい、誰にも奪われたくないと言う衝動を抱える少女。

煉たちほどのループはしていないものの、その影響力は誰よりも強い。

最終的には煉のモノになってますが、本人は一応納得してます。


 元々没になったキャラでしたが、煉を一度殺す役目として復活しました。

とにかく、煉を成長させる為の要素にして、煉が執着する存在。

何だかんだで作者にも愛されていました。


 願いは『自分のモノを奪われたくない』、価値観は『願いに忠実である事』。

そして超越ユーヴァーメンシュに掲げた願いは、『煉と永遠に殺し合いを続けたい』。

ヤンデレまっしぐらな超越ユーヴァーメンシュです。


 何と言うか、蓮花は煉と二人セットで美味しいキャラクターでした。

息がぴったり過ぎる。殺し合いの時も非常に楽しそうでしたしね。

能力の凶悪さとかも、かなりいい敵としていてくれたと思います。











・次回作について


 さて、少々気は早いですが、次回作の話をしておきたいと思います。

予定としては、今月の中旬辺り……多分15日ぐらいから連載を始めると思います。

お気に入りユーザー登録をしていただけると素早く気付けるかと思うので、読んでいただけるようでしたらお願いします。


 まず今作と違う点ですが、次回作では三人称視点で行きたいと思います。

と言うのも、今作では完全一人称視点、しかも味方のみに限定していた為、敵のみのシーンとかが書けなかったからです。

やっぱり、マスターシーン的なものは物語に深みを生む事が出来ますし、今度は三人称で行きたいと思います。


 ネタとしては、北欧神話が元ネタとなります。

ただし、神話の時代というわけではなく、むしろ近未来の話。

まあ、魔物も出るし剣と魔法っぽいしで、結構異世界っぽい内容かもしれません。正確に言うと魔法ではなく超能力ですが。


 あと、世界観は繋がっています。

近未来と中世系異世界でどう繋がるんだって感じですが、今作をラストまで読んでくださった方ならば、もしかしたら予想できるかもしれません。

今作を呼んでくださった方がにやりとできる程度のネタには収めておくつもりですが。


 とりあえず先行体験版として、この後に予告編を置いておきます。

興味がある方は、このまま次の話をご覧下さい。











・最後に


 ここまで読んでいただき、まことにありがとうございました。

よろしければ、また次回作でお付き合いお願いします。

ではでは―――





















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