28.手がかりを求めて
あれから数ヵ月が経っていた。
今日も見つけられず、落胆したまま宿屋に戻り、
部屋のベッドサイドに力なく座った。
アラタ「はぁ…。今日も見つけられなかったな…」
ため息をつくと、ポケットの奥からあの石を取り出して眺めた。
アラタ「『ヘキラの想い』…。
俺もこれが使えてたら、今頃、会えてたんだろうか…あの子に。」
2つで一つの古式通信アイテム『ヘキラの想い』。
稼働するには上位魔導師でさえ難しいほどの純度の高い魔力を
このアイテムに流さなければならない。
だから、今の俺がどれだけ無謀なことを口走ったのかなんて
自分でも十分に理解していた。
アラタ「はぁ…。」
ため息をついて、またポケットにそれを仕舞い込んだ。
…
そんなある日、ある村に立ち寄った際、
いつものように酒場に集まる人たちに
あの子のことを聞いて回っていると、
カウンター席で俺の話を聞いていた中年の男性冒険者が、
ふと、こんなことを言った。
中年の男性冒険者「あぁ、あの双剣使いの子か~?
英雄みたいに強い子だよなぁ~。
確か今は…西の村の森で村人を襲う
巨大蜘蛛を倒してるところなんじゃないか?
そんな話をつい昨日、冒険者仲間に聞いてなぁ…」
見つけたと思った。
その中年男性にお礼を言い、急いで西の村の森へと向かった。




