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幸運値ー99999?!異世界で出会った彼は『最凶不幸転生者アラタくん』  作者: ひととせ そら


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21/29

21.『私』のこと


夜になり、すっかり辺りは宵闇に包まれる。


宿屋に着くと、当たり前のようにベッドが2つある部屋を1つ借り、

2人で階段を上がって部屋に入る。


鍵をサイドテーブルに置くと2人でベッドサイドに腰掛け、

これもまた当たり前のように、寝る時の対策として

アラタに状態異常無効と物理や魔法ダメージ耐性アップの魔法をかけた。


アラタ「いつもありがとう、ひなた」

ひなた「どういたしまして~」

いつもの如く、平然と魔法をかけ終えてサラッと返事をする。


アラタ「でもこれさ…。

ひなたは何でもないように平然とかけてるけど、

すごい魔法だよな?どっちも。」

ひなた「そうかな?…う~ん…そうかも?」

小首を傾げて悩み、曖昧な言い方をした。


アラタ「はぁ…いつもこうなんだからな。

…お前らしいけどさ。」

呆れたように笑う。


ひなた「あんまり実感ないっていうか…。

私にはできて当たり前だし。」

不思議そうに小首を傾げる。


アラタ「なぁ、お前のこと、聞いてもいい?」

ひなた「私のこと?」


アラタ「そう。なんか、全然聞いてなかったなって思って。

…今更なんだけどさ。」

ばつが悪そうに苦笑いする。


ひなた「…ええと…アラタくんと同じ、

現代日本の転生者。とか?」

アラタ「あ、それはなんか分かった。

オーシャンビューとか。

ひなた、それ的なニュアンスのやついくつか言ってたもんな。」


ひなた「…う~ん…。

あとは、ゲームクリアを何度もしてるとか?」

アラタ「…は?」

私の言葉にポカンと口を開けて呆然とする。


アラタ「いや…なんだよ、『ゲームクリア』って…?」

ひなた「え?ほら、この世界ってゲームみたいな作りしてるでしょ?

こういうメニュー画面とかステータスとか。」

操作して自分の所に青い半透明のウィンドウ画面を出し、

メニューを開いてみせる。


アラタ「いや、それは分かるけど…」

ひなた「だからそのままの意味だよ、ゲームクリアも。

このゲームみたいな世界でエンディングを見るんだよ。

そしたら、ゲームクリアになってまた最初から始まるんだよ。」


アラタ「…本当にゲームみたいだな。」

ひなた「だから、さっきからそう言ってるよ?」

小首を傾げてクスッと笑う。


アラタ「そうなんだけどさ…なんか、実感湧かないっていうか?」

ひなた「ステータスとかよく普段から目にしてるのに?」

アラタ「いや、そうなんだけどさぁ…」

頭を掻いて戸惑う。


アラタ「それと、『また最初から始まる』ってなんだよ?」

ひなた「ほら、あれだよ、『強くてニューゲーム』!

転生前の現代日本のゲームにもよくあったよね、この機能。」

アラタ「あぁ…ゲームのクリアデータを引き継げるやつか。」

ひなた「そうそう、それ。」


アラタ「…いや、それ…何度も繰り返してんのか?ひなた…」

ひなた「そうだよ?」

コテンと小首を傾げる。


アラタ「…はは…どおりで強いわけだな、ひなたは…。」

納得しつつも乾いた笑いをする。


アラタ「でもさ、『エンディング』っていうのは?

何をするとそのエンディングになるんだよ」

ひなた「う~ん…今のところ、『魔王や邪神を倒す』ことかな?」

アラタ「…は?」

私の言葉に、またポカンと口を開けて呆然とする。


アラタ「…いや…魔王?…邪神?

待て待て。それ…倒せんの?」

ひなた「私は倒せるよ?」

不思議そうに小首を傾げつつ答える。


アラタ「…あ~…うん。ひなたは、な。

…じゃあ、他の奴らは?」

ひなた「え?…う~ん…どうなんだろうね?

見たことないし、聞いたこともないから分からないかな。」


アラタ「…あ~…お前の規格外の強さはよく分かったわ…うん」

ひなた「…?」

アラタの言葉に、より不思議そうに小首を傾げる。


アラタ「俺もお前くらい強かったら、何か変わったのかな…」

ぽつりと呟く。


ひなた「う~ん…強くなるその前に、

死に戻りしちゃって強くなれないんじゃないかな?」

コテンと小首を傾げる。


アラタ「ほんと…それな」

力なく笑う。


ひなた「でも今は私がそばにいるから、

前みたいに簡単には死なないでしょ?」

アラタ「そっちもほんと、それな」

クスッと微笑む。


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