13.初めての2人きりのお泊り
宿屋の2階に上がると、202号室へと入る。
ひなた「ほら。ベッドがこうして2つあるのに、一体何が問題なの?」
部屋の奥へ行き、ベッドをポンポン叩いて、アラタの方を向いた。
アラタ「だから…そうじゃなくて…。」
戸惑った表情のまま、部屋の奥へと入ってくる。
ひなた「まぁ、そんな細かいこと、気にしない気にしない~♪
いいから、ここに座った座った♪」
またベッドをポンポン叩いて、アラタの方を向いた。
アラタ「いや、細かくないって…はぁ。」
ため息をつきながらも、ベッドサイドに腰掛ける。
ひなた「それに、寝る時も一緒にいないと、
アラタくん、寝る時に死んじゃうかもでしょ?」
自分もベッドサイドに腰掛ける。
アラタ「さすがにそれは過保護すぎないか、ひなた…。」
アラタが困った顔をする。
ひなた「『 死 ぬ 』よ?」
強調するように、そう言った。
アラタ「…うん。分かったよ、分かった。従う。」
諦めたように頷く。
そして夜が更けると、お互いに別のベッドに横になった。
ひなた「…あ。一応、これかけて寝よう。」
アラタに片手をかざし、状態異常無効魔法と、
物理や魔法攻撃耐性アップの魔法を、一気にかけておいた。
アラタ「え?…ひなた、今のは?」
自分の体が一瞬光ったのが気になり、自分の手のひらを見つめる。
ひなた「寝てる時に、なるべく、
アラタくんが死に戻りをしないようにって思って、
『状態異常無効』、『物理や魔法攻撃耐性アップ』とか、
色々な魔法をかけておいたの。」
アラタ「ひなた…。お前…そんなに俺のこと…。
…ほんと、ありがとう。」
なにかを噛みしめるような表情で、じっとこっちを見てお礼を言う。
ひなた「どういたしまして♪
さぁ、寝ようか。おやすみ、アラタくん。」
クスッと微笑んで、お休みの挨拶をする。
アラタ「あぁ…おやすみ、ひなた。」
柔らかな笑みを浮かべ、同じようにお休みの挨拶をすると、
目を閉じた。
アラタ(こんなに安心して眠れるのなんて…いつ振りだろうな…。)
ホーッ…ホーッ…
窓の外からは、フクロウの鳴き声だけが静かに響いていた。




