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フリージア王国備忘録<第二部>  作者: 天壱
無頓着少女と水面下

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Ⅱ372.女は始めた。


「ヴァルとは下級層で会ったんです。ヴァルのお陰で、僕もセフェクも石を投げられなくなりました」

「仕事は秘密なんですけど、一緒に色々なところを回って色々なものを食べれて、すごく楽しいです」

「それでセフェクがすごく怒っちゃって、だけどわざわざ初等部まで僕のこと心配して迎えに来てくれたのが嬉しかったです」

「ヴァルはすごく背が大きくて、僕は同い年の子と比べてもずっと小さいから羨ましくて。僕もいつかヴァルくらい……せめてセフェクより大きくなりたいです」


ケメトの話には、必ずと言って良いほどに二人の名があがる。

楽しそうな相槌さえ打たれればすんなりと彼は二人のことを語った。仕事や特殊能力など秘密にしないといけないことこそ隠したが、それでもグレシルには充分過ぎるほどの材料だった。

最初は純粋に世間話として聞いているふりをし、そして彼の背景を固めた。どこをどう付けば響くのかどこをどう突けば崩れるのか、貼り付けた笑顔の下で考えた。

いくらでも目を輝かせ二人との思い出を話して聞かせるケメトに、日は掛からなかった。一度に会う時間は短くても、探りをいれる必要もなく彼らのことばかりを幸福でいっぱいにした胸を張り、そして語るのだから。



だからこそ壊したいと欲が沸く。



「……ケメトは、本当にセフェクとヴァルが好きなのね」

最初に〝それ〟が始まったのは第一王子の誕生祭が行われた夜だった。

学校があるケメト達と違い、その必要がないヴァルが丸一日かけて単独で配達へ回っていたその日にもケメトは彼女と会っていた。

いつものようなやセフェクとヴァル自慢から、二人の話に花を咲かせ続けていた。深夜になり待ち合わせをしていた校門の前で膝を抱えて座る二人の他にはもう守衛も誰も居ない。寮生徒も全員校内に入った今、学校前は彼らだけの場所だった。


カランコロンと転がすような高い声で最初にそう切り出した。

その言葉に何の躊躇いもなく元気な一声で返したケメトにグレシルはにっこり笑う。薄く開いた口を笑んだまま固めた顔で動かした。

目の前の少年にとって、どれだけ必要な存在か。それが〝掛け替えがない〟とも〝依存〟とも〝執着〟とも言えるほど。もう記憶すら薄い三歳の頃から当たり前のように共にいる存在である。この先も、よっぽどのことがなければケメトは盲信的に彼らを慕う。……それこそが、一番の脆い場所でもあるとグレシルは知っていた。

舌を動かしながら、目の照準をしっかりとケメトに合わせる。彼がこれからどんな顔をするのかと心臓を拍動させながら期待した。


「でも、それって何かおかしくない?」


最初は、小さな小さな揺さぶりだ。

え……と、笑顔のまま音だけ零すケメトにグレシルはにっこりと表情筋を維持しながら言葉を続ける。


「だって、話聞いてるとケメトは二人が大好きだけど向こうはケメトに怒るし引っ張り回して……特にヴァルは嫌な反応ばっかり。ケメトは優しいし昔からだから慣れてるだけで、その人普通に聞いてるとすごく冷たいわよ?それにセフェクとヴァルは本当に仲が良いの?」

丸い目を白黒させながら、こぽこぽと一音を溢すだけ。

今まで直接言われたことのない指摘に、ケメトは胸の前で結んだ指を何度も何度も組み直した。指だけが忙しなく行き場を探す中、目は釘刺さったようにグレシルから離れない。


「……仲も、良いですよ。ヴァルとセフェクはすごく仲良しで、二人ともお互い怒ることは多いですけれどいつものことですし」

「いつものことなのがおかしいのよ。少なくともセフェクはケメトの為に我慢してるのね」

やっと絞り出した返答も善意の色をした悪意に塗り潰される。

まるで初めて聞いた言語のように大きな瞬きを繰り返し出したケメトの表情にグレシルはほくそ笑みたい気持ちを抑えて言葉を続けた。自分の言葉にこうして誰かが釘付けになる感覚は何度繰り返しても心地良い。

道を歩いて見向きもされない自分の言葉が、人の一挙一動を司る感覚に鼻先が酔いしれる。彼が反対意見を言わないのを確認し、もうちょっとだと手応えに指先が自然と浮いた。


「だってセフェクはケメトにべったりなんでしょ?時々ケメトがヴァルのことを優先して怒るって自分でも言ってたじゃない。きっと拾った頃からずっと自分だけのものだったから手放したくないのよね。わかるなぁ、ケメトみたいに優しくて格好良い子が弟だったら自分だけ独占したいもん。でもケメトはヴァルに洗脳されているからセフェクも仕方なく一緒にいるのね。だってケメトに選ばせたら自分が捨てられちゃうってわかるから」

にっこり笑った口に反し、言葉は善意の欠片もない。

それでもまるでケメトのこともセフェクのことも理解して〝あげた〟上での発言に聞こえる彼女の語りに、ケメトはまだ何も言わない。目を尖らせるわけでもなく頬を膨らますわけでもなく、口すら開かず貝のようにぴしりと閉じている。

それは反論前に相手の意見を聞ききる姿勢にも、単純に言い返せないだけにも見えた。

自己開示が早くとも、ケメトと知り合ってまだ1ヶ月にも満たない彼女にそれはまだわからない。そして


「ケメトはヴァルのこと本当に好き?」

「大好きですよ」

「そう思いたいのよね。ケメトったら可哀想」

手応えを確認するのもまだ後である。

自分の問いに躊躇いなく答えるケメトに予想通りとばかりにグレシルは嗤い、更に間合いを詰めて押し潰す。笑んでいた顔をわざと同情しているかのように萎め、眉を垂らして彼の手を包むように両手に取った。無理も無いわ、もう大丈夫よと小さく小さく言葉を重ね、彼の背の重みだけを課していく。

可哀想⁇とそれでもケメトが小首を傾げただけだったが、それも想定内。むしろ可愛い反応がと、同情の仮面下で笑んだ。


「可哀想カワイソウカワイソウ。だって小さい頃からずっとケメトにとって頼りだったんだもんね?セフェクも口ばっかりで全然ケメトを守り切れなくてヴァルを頼るしか」

「違います!セフェクは僕をずっとずっと守ってくれました!」

ごめんね、そうねと。初めての抵抗に素直にグレシルは撤回した。

しかしグレシルからすれば、間違いなく当時のセフェクはケメトを守り切れていなかった。下級層で投げられた石の盾になったところで何なのか。相手を倒せたわけでも追い払うことができたわけでもない。

それこそ〝自己満足〟とグレシルの頭には浮かんだが言葉にはしない。ここでケメトの言葉を否定すれば、ただの口喧嘩で終わってしまう。たかが言葉程度で傷つける為に言葉を選んでいるわけではない。


少し意外なところでケメトが言い返してきたことには驚きながら、しかし〝ヴァルのことには〟否定しないのだなと考える。

初めて彼が言葉で守ったのはセフェクだけ。つまりケメト自身もやはり心の何処かではヴァルへ不満や否定的な気持ちがあるのだろうと確信する。ヴァルが自分が語った通り〝良い人〟ではないと、わかっている部分があるのだろうと。

美味しい一面を確かに覗かせたケメトに、謝った口端をバレない程度に引き上げまた言葉を続ける。


「とにかく小さい頃のケメトはヴァルしか……あと、セフェクの二人しか頼れなかったから今も無理矢理そう思おうとしているのよ。知ってる?〝すり込み〟て言ってね、鳥の雛って一度見たものが親でも猫でも天敵でも何でもずっと追いかけるんだって。あ、ケメトを鳥扱いしたわけじゃないの。つまり〝ヴァルだから〟じゃなくて、きっとケメトは〝ヴァルしかいなかった〟からすごく好きでいてあげてるのよ。実はね、下級層の他の子でもケメトみたいな子がいたの。私の親友だったんだけどね」

居もしない架空の〝親友〟を語る。

自分の親友が、ケメトと同じような状況である人間を慕っていた。相手が悪い人間でもその子はずっと良い人と信じ続け、最後は人身売買に捕まって消えちゃったと感情を込めて話せば、ケメトの顔がその日一番にぎゅっと歪んだ。

膝の上に置いた両手で拳を作り、本気でグレシルの〝親友〟の話を信じた。まさか今自分の過去を真似て考えられた架空の存在しない人間だとは考えもしない。そして素直にその〝親友〟は自分と立場も状況も似ていると受け入れた。

その様子にグレシルも今だと言わんばかりに悲しげな表情を作り、鼻先がぶつかりそうな距離まで詰め寄った。「ケメトは何も悪くないのよ?」「子どもの頃から当たり前なんだから仕方ないわよね」と彼を気遣うように言葉を頭から被せ、窒息させようと言わんばかりに綿糸の言葉を何十にも首へと括る。



「だけど、一度本気で考えてみて。セフェクと一緒に出逢ったのがヴァルじゃなかったら?」



その言葉に一瞬だけケメトは息を引いた。

彼女の言葉通りに思考を回し、本当に考えようと脳が回す。更にグレシルからも促すように言葉を重ねればそれはより具体的に思考の裏に浮かんだ。


「もしヴァルに会わなかったらもっと表も裏もずっと優しい人が貴方達を助けてくれたかもしれない。もっとお金持ちの人が拾って育ててくれたかも。もしかしたら貴族の人が拾ってくれて助けてくれて、今頃ケメトもセフェクも貴族の養子だったかもしれないでしょ。それこそ今日誕生日の王子様だって元は庶民なんだから、あり得ない話じゃないと思うの。ケメトの〝お父さん〟や〝お母さん〟や〝お兄ちゃん〟だと堂々と言ってくれる人がいたかもしれない。私の親友みたいに、全部が全部ヴァルだと思っちゃ駄目よ?ヴァルに出逢ったってことは〝それ以外の可能性を〟潰されたってことなんだから」

こんな立場の私に言われたくないだろうけど、とそう言って見窄らしい姿の自分を自分で嗤う。

長い青みがかった緑髪を指先で塵のように摘まんで見せ、パラリと落とした。水浴びどころが解いてもいないその髪は一本摘まむだけで他の髪も絡まっているのがひと目でわかった。頬にも古い泥がつき、服も元の色がわからないほどに汚れて褪せている。

いつもなら「そんなことありませんよ」と言うケメトも今は言葉の余裕がなかった。まるで固まってしまったかのように俄に口を開いただけで表情もない。丸い瞳にもいつもの光はない。拳を作っていた手がほどけ、ぺたりとそれぞれ地面に垂れ落ちた。

その様子に、もう少し、もう少しとまるで砂崩しをしているような気持ちでグレシルは柔らかくした言葉を彼へ重ねる。




「ケメトはヴァルを〝良い人〟って思いたいだけじゃない?」




カワイソウ、と。そうまた唱えて断言した。

決めつけられ続ける言葉は今では釘のような鋭さでケメトの胸にかすり傷を深めていく。まるで本当に自分が可哀想で、そして無知な人間なのが真実かのように語るグレシルの言葉に、気付けばケメトは小さく下唇を噛んだ。しかしそれでも彼女が善意で自分の為にそう言ってくれているのだと思う。

それこそが〝思い込み〟だとは気づきもせずに。

ケメトの善意を一滴一滴丁寧にグレシルが汚れを垂らしていく。


「よく考えてみて。今だって仕事をする時にケメトとセフェクは別に要らない、付いてこなくて良いって言われてるんでしょ?そんなんじゃ貴方がいなくなっても絶対悲しんでくれないわ」

「そんなこと無いと思います。だって、…………」

やっとヴァルに関して言えた反論も、あまりに小さく口籠もりそして最後は閉じてしまう。

グレシルはケメトの特殊能力については知らない。しかしまるでケメトとセフェク、そしてヴァルとの関係全てを見通しているかのように堂々とした口ぶりは気弱な人間の思考を塗りつぶすには充分な色濃さだった。

肩幅まで狭くなっていくケメトに、グレシルはそっとその両肩へ手を添え耳に唇を寄せた。


「……だから私が助けてあげる」

まるで自分こそが彼の理解者で、救世主かのように語ってみせる。

突然耳へ声と共に吹きかけられた息に、ケメトの身体がびくりと跳ねた。思わず首ごと振り返れば彼女の顔はすぐそこだ。既に様々なことで頭がいっぱいな彼は、彼女の〝助ける〟の意味がわからない。

ただ、悪意もわからない彼にもその時のグレシルの笑顔は少し怖かった。寒くない筈なのに背中からなぞられるような寒さに口の中を飲み込んだ。


「きっとね、セフェクも被害者なのよ。だけど貴方がヴァルから先ず離れないと彼女も離れられない。本当はセフェクだって自由が欲しいに決まってるの。ケメトはもう特待生で、初等部の後もきっと寮に住めるわ。ならもうヴァルなんて要らないじゃない。だからもうセフェクも自由にしてあげましょ?ケメトが先に自立すれば、きっと彼女も自然と自由になれるわよ。ほら、だってヴァルがいなくてももう学校で彼女に会えるでしょ?いいなぁいいなあ、ケメトは本当に幸運よ。今からでも遅くないわ、ヴァルからもセフェクからも離れれば良いの。そうすればセフェクも自由になるし、ヴァルに人生をこれ以上振り回されることもないの。貴方の人生は貴方だけのものなんだから」

そう言いながら、ケメトの目の前で彼女は指折り数えてみせる。今まで話に聞いただけで、ケメトがどれだけヴァルから〝表面上は〟冷たい言葉を浴びせられていたか。

要らねぇ、めんどくせぇ、うざってぇ、知るか、どうでも良い、と。そうヴァルが言っていたとグレシルに話したのは他ならぬケメトである。

しかし、ヴァルからの悪意としてケメトが語ったことは一度もなかった。自分にとっては単なる口癖の一つである。今更で、聞き慣れた言葉だ。

さらにはケメト自身、それが言葉通りの意味しか冠していないとは思っていない。ヴァルのその言葉で傷ついたことは一度もない。


だが、その言葉をそのままグレシルの口から語られると不思議と冷たく感じた。

まるで、今までセフェクや自分を嘲笑したり捕まえたり襲いかかってきた人達の眼差しと同じ冷たさに、初めてケメトは言葉に胸がグサリと痛んだ。触れられてもいない筈の心臓を片手で押さえ付けながら、自然と強張った顔が今にも泣きそうだった。

しかしそのケメトの表情も愛しいとばかりにグレシルは目を細めて笑む。


「大丈夫よ。ケメトには私が付いてるから。私はケメトに嘘もつかないし意地悪な言葉も言わないし、ずっとずっと優しくしてあげる。だから二人とは距離を取ろ?もうヴァルの仕事に付いていくのも無しね。代わりに私が楽しいことも正しいことも色々教えて上げる」

「でも……そうすると、ヴァルが困」

「困らない、絶対。……そんなに不安なら、一回言ってみれば?それとも言えないの?そんなことも言えないくらいヴァルが怖いの⁇」

ケメトの唇が絞られる。

すぐには言葉が出ない代わりに首をブンブンと横に振った。目の前にいる少女は、自分の特殊能力を知らない。二日に一回はヴァルに触れないといけないことも知らない。しかし、もしそれを知っていたとしてもその時は「利用されているのよ」と言われるんだろうとそれだけはケメトもわかった。そして、ヴァルのことを彼女に悪く思われることよりも、それを彼女の口から言われることの方がもっと嫌だった。


しかし首を振ったところで今度は「なら言えばいいじゃない」と言われてしまう。いつの間にか自分がヴァルに仕事を断るのが前提で選択肢を並べられていることにケメトは気付かない。

ヴァルに言えば。どう返されるかは聞く前からケメトはわかっていた。絶対に「勝手にしろ」と言われると。もともと今までも自分達が無理矢理ヴァルに付き合わせて貰っていた側である。そして、……もし二日以上離れたいと言ってもヴァルからの答えは同じであろうことも。


「別に無理強いじゃないのよ。私はケメトの為に言ってあげてるの。だって可哀想なんだもの。学校にいるってことは将来やりたいこととか夢とかあるんでしょ?もっと自分を大切にしなきゃ」

黙り込むケメトにそこまで言うと、言いたいことは終わったとばかりに彼女は大きく伸びをした。

もうここで今夜は終わり、とそれが彼女からの合図でもある。ケメトにそれに気づき、息を大きく吸い上げそして吐く。

今日のグレシルはなんだか怖かったなとは思うが、それ以上に自分の胸が不思議といつもより重くもたれているような感覚を覚えた。


「これからケメトがわかるまで何度でも教えてあげる。明日もちゃんとここでね」

「えっ……あ、ごめんなさい。明日はその仕事っ……ええと」

「……もしかして私のこと嫌いになった??もう会ってくれない?えっ、悲しい……」

「違います!!けど、……明日のは前からヴァルとも約束してて、明日の朝はグレシルとも会えるんです。でもその次に会えるのが休み明けの朝で……」

悲しげに眉を垂らし声を細くするグレシルに、ケメトは大慌てで否定した後は地面へ視線を落とした。

グレシルとはこれからも会いたいと思う気持ちは本音である。しかし、ヴァルとセフェクと仕事をするというのも彼にとっては大事なことである。

ケメトの反応に、今日のところはこれ以上押さない方が効果的だと判断した彼女は「そっか」と短く返した。最初から一度で済むとは思っていない。もともとこれから少しずつ染めあげるつもりである。今は



その胸に淀みが一滴染み込めば、それで良い。



「良かった、ケメトに嫌われてなくて。ケメトの為に私も勇気振り絞って言ったからこれで嫌われちゃったら悲しいもの」

そう言って彼女は地面から立ち上がると、服の埃も払わず歩き出す。ケメトへ背中を向け、顔だけ振り返り手を振った。

ケメトも「そんなことないですよ」と言いながら立ち上がり、彼女へ手を振った。

夜道だから気をつけて、といつもの言葉を掛けるがその笑顔は僅かに曇っていたのをグレシルは見逃さなかった。彼が間違いなく初めて会った時よりは遥かに〝こっち側〟に傾いていると確信し笑い掛けた。


「おやすみ、ケメト」


おやすみなさい。

そのケメトの声はいつもより細く、指先はまだ震えていた。


Ⅱ351

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