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召喚士アデルの災難 〜なんで!?俺が召喚したのは最強勇者のはずだったのにアホっぽい男がきた〜  作者: 武天 しあん


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第83話 ニホン到着



「アデル〜、俺たちってさ、どれくらい強くなればいいの? いつ魔王に会いに行くの〜?」

「俺に聞かれても分からん」

「アデルが分かんないんじゃ誰も分かんないじゃん」


 アリサに言われてそれもそうだと思った。本来であれば俺が勇者パーティーと国の上層部との連絡役だった。それがなぜか俺はパーティーに組み込まれて、あれよあれよという間に人間を逸脱していた。いや、まだ大丈夫だ。俺はまだギリギリ人間だ!


 しかしそれは困ったな。魔王というのがどれほど強いのかも分からないし、人間辞めるレベルになっているとはいえ、全然敵わないレベルで行って全滅するとか嫌だしな。


 国に手紙でも送ってみようかと思ったが、返事が来るまでずっと待機するのは勘弁してほしい。


「とりあえずニホンとかいう島に行くんだろ?」

「そうだった〜、忘れるところだった。ドランよく覚えてたね〜」

「じゃあさ、日本で色々食材買ったら一旦戻る? あたし化粧水なくなりそうなんだよね」


 レオン、雪山の修行を止めてまで向かうことにした島を忘れてたのかよ。

 化粧水か……俺はまたミアに化粧の実験に使われるんだろうか?

 いいんだ。妹に好かれるならそれくらい。


 ココは今日も召喚したシュアと剣の稽古に夢中だ。いつの間にかレオンはシュアにまで経験値増量を与えたらしく、シュアがメキメキと強くなっている。

 俺のシュアまで人間辞めさせる気か? いや、シュアは元々人ではなかった。

 シュアはどんどん強くなったらどうなるんだろう?

 ずっとシュアは可愛く無垢なシュアでいてほしい。


「トトー、オミズホシイ」

「今出してやるからな」

 シュア用の大きな木のジョッキに並々と水を注いで渡してやる。ゴクゴク飲んでジョッキを返してきた。


「零さず飲んで偉いな」

「シュア、エライ」

「うん。偉いぞ」


 こうしてワイバーン専属の肉焼き職人をしながら、シュアとココの剣の練習を見守って、ニホンとかいう島に向かった。

 ニホンという島は本当にあるんだよな? とにかく東にずっと向かっているが、少し心配している。



「海だ」

「ああ、海だな」

 ドランが俺の呟きを復唱した。

 俺も初めてだが、きっとドランも海を見るのは初めてなんだろう。

「……これが海」

 ココも感動しているようだ。鎖国された国から来たんだもんな。国から出たことがないなら当然海も見たことがないだろう。


「あたしが想像してた海と違う。砂浜でも港でもなく、日本海って感じ」

「高い波が岸壁に打ちつけて、ここで殺人犯とか追い詰めそうだよね〜」

「それそれ、綺麗っていうよりサスペンスって感じ」


 ココも初めの頃は何を言っているのかとレオンとアリサに聞いていたが、異世界の言葉だと知ってからは諦めたらしい。

 何かと聞いても、それ以上の謎の言葉を積み重ねて返ってくるから訳がわからなくなったと疲れた顔で言われた。

 レオンたちの周りにいれば一度は経験することだ。


 ドランが初めから何も気にした様子が無かったのは、フィーリングだけで生きているからかもしれない。別名脳筋ともいう。


 海を前に小休憩を挟んで、ワイバーンに乗って海を越える。

 海の向こうなど考えたことが無かった。ましてやそんなところに行くことになることなんて……


 海に落とされるなど勘弁願いたいので、俺は今日も長老に乗せてもらう。ちゃんとハーブも塩もあるから乗せてくれよ。そして安全に飛んでくれ。

 ワイバーン好みの肉を焼く技術があると、こういう時には役に立つ。頼んだぞ長老。


 長老に乗せてもらって、揺れも少なく安全に空を飛んでいると、次男がはしゃいでいるのか、隣でぐるぐると宙返りをしたり急上昇、急降下を繰り返したり、しまいには急降下から海の水の中に潜ったりしていた。

 次男に乗らなくてよかった……

 俺は水の中でなど生きていけない。溺れて死んでしまう。ワイバーンって頑丈なんだな。


「見えたよ〜!」

 先頭を長男に乗って飛ぶレオンが叫ぶと、遠目に島らしきものが見えた。

 あれがニホンという島なのか?


 さっき初めて見た海とは違って、白い砂が敷かれた砂浜というところに、バシャーンと波が寄せては返す。そんな穏やかな島だった。

 到着すると、針葉樹がたくさん生えており、その向こうには家も見えた。どうやら人が住んでいるようだ。

 亜人か人間か、魔王が住んでいたりはしないよな?


「なんかいいね〜、青い海、白い砂浜!」

「沖縄の海って感じだね〜」

「シーサーとかありそうな雰囲気だな〜」

「ハイビスカスとか、シークワーサーとか?」

「それいい!」


 何を言っているのか分からないが、レオンとアリサが元いた世界にも似たような場所があるらしい。

 しかし暑いな。日差しが強く肌を焼くような暑さだ。

 ワイバーンから降りて森を歩いていると、急に雨が降ってきた。


「これ酷いね。スコールみたい。レオン、雨凌げる場所ないの?」

「集落に行くまでは無理だろうな。ココ、雨って結界で防げる?」

「やったことないけど、無理だと思う。物理攻撃と魔法攻撃は防げるけど。アデルはできたりする?」


 アリサは雨が苦手らしい。レオンは結界で雨を防ごうと考えたようだが、結界師であるココが無理なら俺には無理だろう。神であるエルミーツならできるかもしれないが。


 水を弾く、もしくは上から落ちてくるものを弾く、そんな結界を張れたら……

 試しにやってみたら、意外にもあっさりとできてしまった。俺はどこへ向かっている?


「レオン、できたみたいだ」

「やるじゃんアデル」


 透明な屋根だな。そうだ、それだ。結界というより障壁。だから俺にも簡単にできたのかもしれない。

 一応ココにも教えてやったが、すぐに再現するのは無理らしい。魔力量の問題か? 俺、人間辞めてるからな……


閲覧ありがとうございます。

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