第81話 新メンバー
久々の更新です。
「ここまでくれば大丈夫かな? いきなりワイバーンのとこ連れてくとビックリさせちゃいそうだしね〜」
「それでレオン、その人を本当にメンバーにするのか?」
「アデル反対?」
「反対というわけではないが、賛成も反対もできないほどに情報量がない」
「そっか〜、鑑定持ってないから分かんないんだね。この人、付与魔法使えるけど前衛で結構強そう。アリサとも相性いいかなって思ったから入れてみることにした」
入れてみることにした。そんな簡単にメンバーをホイホイと入れるのかよ。
でも理由は分かった。前にアリサが女の子一人で可哀想だとか、不足している職はないが、強いて言うなら付与魔法使える奴がいいとか、だが自分の身を守れないようでは困るからある程度戦える奴でないとと言っていた。
それを叶えるような女がこのココと呼ばれた奴だったんだな。
「すぐにパーティーに入らないかって言ってきたし、読まれてるとは思ってたけど、まあいいわ。前衛させてくれるなら文句はないし、女の子もいるってところもポイント高いわね。ってことでよろしくね」
そう言うと、俺たちはそれぞれ自己紹介をしていった。
「勇者? そんな職業本当にあるのね」
この女はまだ知らない。俺たちが人間辞めていることを。
そしてこれからキミも人間を辞めていくことを。
「ココ、俺たちは勇者パーティーのメンバーだ。だから魔王討伐を一応最終目標にしている。それでもパーティーメンバーになるか? パーティーメンバーになれば時々、いや色々、とても大変だし、ワイバーンに乗ることになるがいいか?」
「いいわ。私、この国を出たかったの。付いてくわ。」
「じゃあ決定だね〜、ってことで死んだら困るから色々スキル渡しておくね〜」
やると思った。
レオンがココに渡したのはたぶん、アイテムボックス、経験値増量、超回復、隠匿、状態異常無効、俊足の辺りだろうか。
経験値が恐ろしいほどに上がっていくのを、怖いと思うか嬉しいと思うか、ココはどっちだろうな?
「女性が増えて嬉しい。ココってランクは」
「私はCランク。ソロだとなかなか上げられなくってね」
「あたしもCだよ。上げようと思えばすぐAまで上がると思うけど、最近ギルドの依頼受けてないからみんな上がってないと思う。ドランだけBだっけ? レオンとアデルはCだよね?」
「そうだね〜、最近ギルドの依頼受けてないからランク上がらないよね〜、まあランクとかどうでもいいけどさ」
「そう。それなら安心した」
安心しない方がいいぞ。そのうち嫌と言うほど思い知らされるが、それに耐えられる人物であることを願う。
しばらくはココのレベル上げになるだろう。その間だけでものんびりと旅ができそうな気がしている。束の間の休息というやつだ。
「とにかく見つからないうちにこの国を出るぞ」
ドランの言葉に俺たちは頷き、ワイバーンたちがいる山に走った。
「俊足ってすごいわね。さっきは身体強化を使ってもかなりきつかったのに。レオンに手を引かれていなければ一人だけ置き去りにされてたと思う。このスキルがあるだけで全然違う。」
それはよかったな。これから自分の体が改造されて人間辞めていくから覚悟を決めておくことだ。
「嘘でしょ? 本物……ワイバーン号ってダサい名前をつけている馬車かと……」
ココはワイバーンの家族を見て青ざめた顔をして固まった。そうだよな。まあそれが普通の反応だ。
俺もワイバーンが向かってきた時は死を覚悟したからな。
今でもそれほど慣れているわけではない。
「みんな、この人はココ、新しいパーティーメンバーだからよろしくね」
ワイバーンたちは興味無さそうにチラッとココを見たが、ココはヒィッと小さく呻いて震えていた。
「お腹空いたらしいからさ、とりあえず魔物がいそうな山まで飛んでもらって、そこで夕飯にしようか」
というレオンの提案で、俺たちはワイバーンに乗って移動することになった。
俺は次男には絶対乗らない。長老、よろしく頼むよ。後で最高の焼き加減の肉をやるからさ。
長老に近づいてコソコソとそう言うと、背中に乗れと首だけで答えてくれた。助かった。
ココには「しっかり掴まっていたほうがいい」とだけアドバイスを送っておいた。
恐る恐る乗ったのは次男でないから、たぶん大丈夫だろう。
ココはしばらく叫んでいたが、途中から大人しくなった。そして目的地の国を超えた先の知らない山に着くと、ワイバーンから降りた瞬間に胃の中身を全部戻していた。
恐怖より酔いが酷かったか。状態異常無効が機能しなかったのか?
「あ、ごめん状態異常無効、あげるの忘れてた〜。はい、これでもう大丈夫?」
「うん……、ありがとう……」
状態異常無効でも、精神疲労までは回復できないようだ。
亀の歩みですが、読んでくださっている皆さんありがとうございます。




