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召喚士アデルの災難 〜なんで!?俺が召喚したのは最強勇者のはずだったのにアホっぽい男がきた〜  作者: 武天 しあん


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第77話 オーガとシュア



はあ。シュアに会いたい。オーガと聞いたらシュアに会いたくなった。癒されたい。

ワイバーンがいるからシュアは呼べないんだよな。シュアが可哀想だ。ただでさえ人間辞めた奴らに囲まれるっていうのに、近くに自分より強い魔物の群がいるなど可哀想だ。

トロールを狩りにいくなら出してもよかったんだが、オーガを倒しにいくのにオーガJr.のシュアを出すのは可哀想だから、また会えない。

オーガ倒した後でちょっと呼んで癒されようかな。


軽く倒す気でいる自分が怖い・・・


「アデルーもうそろそろか?」

「あのさ、ドランとアリサも索敵使えんだろ?何で俺に頼るんだよ。」

「えーいいじゃん。アデル索敵得意そうだし。あたし索敵苦手なんだよね。距離感まだ分かんないし。いるなーってくらいしか分かんない。」


「俺もだ。」

「嘘つけ、アリサは仕方ないかもしれんが、ドランが慣れていないなどあり得ない。

むしろ俺、ここで待ってていい?」

「何でだ?」


「シュアに癒されたいし、ワイバーンの肉焼く仕事が待ってんだよ。魔力温存したいし。」

「アデル、お前の魔力が簡単に底尽きるわけないだろ。サボってねーで働け。」


チッ

宮廷魔導士として宮廷にいた頃の俺ならこんなに距離の索敵使ったらとっくに倒れてんだよ。

ワイバーンたちの肉、大量のなんだぞ?

しかもあのでかい岩塩の塊から塩を削ってかけなきゃなんねーんだぞ?

結構労力なんだよ。魔力は枯渇しなくてもな。


でも文句を言いつつ俺は優しいから索敵をしてやった。


「23体だ。ここから西に1キロってところだな。風向きによってはもうそろそろ気付かれる。」

「アデルありがとー」


可愛い女の子に笑顔でありがとうと言われるのは悪くない。気がしてきた。

外見だけ見ればアリサも可愛いんだけどな。中味がな。俺より遥かに強いとか恐ろしいぞ。


「アデル、気持ち悪い顔をしているぞ。」

「ドランは俺のことが嫌いか?」

「は?」


おおーいるいる。

ニヤついてるな。オーガの群れなんか普通は人も魔物も近付かない。

ましてや3人の弱そうな人間と獣人がノコノコ食べられに来たと思ったんだろう。


「7体ずつでいいか?残った2体は早い者勝ちだ。」

「分かったー」


別に俺はそんなに倒さなくていい。俺は早く終わらせてシュアに癒されるんだ。待ってろシュア。

バトルジャンキーのドランとアリサは剣で行くようで、剣のグリップに手をかけているが、俺は魔法でいく。返り血とか嫌だし水の矢で心臓ひと突きでいいだろう。

あとはサッと回収して引っ込もう。


「いくぞ!」

「オッケー」

「俺はいつでもいい」


ドランとアリサが走り出すと、俺は前に手を翳して神様から教えてもらったように水を圧縮したものを矢の形にして撃ち出した。


バシュッ、バシュッ、バシュッ、バシュッ


身体強化で駆け抜けると、さっと死骸を回収して退いた。

そしてギリギリ肉眼で2人が見える位置まで下がるとシュアを召喚した。

そして召喚した瞬間にシュアは俺に抱きついてくる。


「トトー、シュキ」

「うんうん。俺もシュアが好きだぞ。こんなに慕ってくれるのはシュアだけだ。」

「シタッテ?」

「好きってことだ。」

「シュキ」


はぁー癒される。

この大きい体と厚い胸板。そしてこのワサワサと生える胸毛。最高だな。


「トト、ケンスル?」

「今日は剣はしない。ここに座ってのんびりするんだ。」

「ン」


そしてシュアが胡座をかいた上には俺が座って、胸毛に埋もれながらホッと一息吐くんだ。

温かい。あーこのまま寝てしまいそうだ。



「アデルー寝てんのか?」

「魔物に抱っこされてる。」

「トトネル、オコシテダメ」


「アデルの子だっけ?怖い顔なのに大人しいな。」

「確かに、顔めっちゃ怖いけど、静かにそっとアデル抱えてる。なんかシュール。」

「シュア」


「シュア?」

「ン、シュア」

「ねードラン、シュアってなんのこと?」


「知らん。」

「シュア」

「んー、分かんない。ドランどうすんの?」


「お前がアデル抱っこして歩く。行けるか?」

「イケル」

「ちゃんとして理解してるんだ。いい子。」


「さっきのとこまで戻るぞ。レオンやワイバーンが帰ってきてるかもしれない。」

「ン」

「確かにー早く戻ろ。」


「そうだな。」



「ヒッ、ウゥ・・・トト」

「どうしよう。この子泣いてるけど。」

「アデル起こすか?」


「どうしたの?なんで泣いてるの?」

「コワイ・・・トト、ウゥ」

「俺か?俺が怖いのか?顔だけで言ったらコイツのが怖くないか?仕方ないから離れるが。」


「ヒック、ウゥ・・・トト」


ん?シュアが泣いてる?


「シュア、どうした?」

「コワイ、トト、ウゥ・・・」


あれ?なんでここにいるんだ?いつ帰ってきた?

あぁ、ワイバーンがこんなに近くで涎垂らしてたら怖いよな。今にも食われそうって思うよな。あいつらはもっとグルメだから大丈夫だ。


「シュア、大丈夫だ。俺が守ってやるからな。」

「トトー」


うん。号泣だ。俺が起きたからか、シュアはわんわん泣き始めた。


「ドラン、アリサでもいいが、ワイバーンをちょっと向こうにやってくれ。シュアが怖がっている。」

「あー、ドランじゃなくてワイバーンか。なるほどね。分かった。ちょっと散歩してくるよう言ってきてあげる。」


そうだったアリサはワイバーンと話せるんだったな。


「シュア、大丈夫だぞ。よしよし。」

「シュアってこの子の名前だったの?」


「あぁ、コイツの名前はシュアだ。それで何でここにいるんだ?」

「アデルが寝てるからさ、ワイバーンとかレオン戻ってきた時いないとまずいかなーって思って、この子がアデル抱っこしてついて来てくれた。」


「そうか。シュア偉かったな。いい子だ。」

「イイコ?」

「そうだぞ。シュアはいい子。」


「なんか本当にアデルお父さんっぽい。レオンがアデルの子って言ってたの分かるー」

「シュアは純粋なんだから虐めるなよ?」


ワイバーンが怒り出さないうちにそこに山積みされた魔物を焼いて塩振ってやらなきゃいけないよな。

シュアとの癒しの時間もここまでか。


「シュア、また剣の稽古しような。」

「スル」

「またな。」


俺はシュアを帰して、仕方なくワイバーン共が狩ってきた魔物の山を風のナイフで切って焼いて塩をかけていった。

あいつら鼻いいよな。肉の焼ける匂いですぐに戻って来やがった。


まぁいい。シュアのために肉を目の前に涎垂らしながらも、距離を取ってくれたんだ。

今回はちゃんと焼き加減も最高にしてやるよ。


閲覧ありがとうございます。

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