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召喚士アデルの災難 〜なんで!?俺が召喚したのは最強勇者のはずだったのにアホっぽい男がきた〜  作者: 武天 しあん


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第73話 乗り物を調達する勇者


「見てこれ〜、すごくない?アリサ、何だっけ?アメリカの岩のやつ。あ!グランドキャニオン?世界旅行って感じだねー」

「確かに。この世界に来てグランドキャニオン見れるなんてちょっと感動。レオン、とりあえず写真撮ろうよ。」

「だねー、絶対映えだよねー、SNS無いのが残念すぎる〜」


何のことか分からんがレオンとアリサは楽しそうだ。赤土が広がる大地なんかを見て何が楽しいのか全然分からない。

ドランをちらっと見ると、ドランは剣の素振りをしていた。みんな自由すぎるだろ。これは本当に魔王討伐のための旅なのか?それとも観光旅行というやつなのか?


結局、あの隣りの街でも、防壁の周りを全て人で囲まれて見送られ、歩きで門をくぐるしかなかった。


馬車、買おうかな。

乗合馬車なんか乗れる気がしない。

出来れば勇者パーティーだと知られずに旅をしたいんだよな。


「アデルー、ドランー、なんか飛んできたよ〜

何だろうねー?鳥?」

「ん?おい!拙いぞあれワイバーンじゃねーか?」


ドランの焦った声に俺も空を見上げると、確かにワイバーンっぽいのが飛んでいた。


「ワイバーンって竜みたいなやつだよね?アデルあれテイムできる?乗せてもらおうよ〜」

「はぁ?無理だろ。あんな気性の荒い奴にはテイムどころか近づくこともできん。」


レオンは何を考えているんだ。

そう思っていたら、レオンは謎の光魔法のような紐を投げてワイバーンを捕獲し、ジッと目を見ているかと思ったらワイバーンが仰向けに寝て降参のポーズを取っていた。


空の暴れ者ワイバーンと言えど、レオンの強大な魔力に恐れをなしたか。さすが人間辞めている奴は違うな。


「ねえ君さ、仲間いる?いるなら仲間も一緒に旅しない?乗せてくれるとありがたいんだけど〜

ちゃんと君たちのご飯は魔物狩ってきてあげるよ。」


ワイバーンなんかに話しかけたところで、あいつらに話など通じるわけないだろ。

そう思っていたら、ワイバーンは伏せをしてレオンを背中に乗せると飛び立っていった。


「・・・ドラン、あれはどういう事だ?」

「俺にも分からん。」

「まさかとは思うが、勇者がワイバーンに連れ去られたということか?」

「は?それは拙いだろ!どうすんだよ!」


「たぶん大丈夫だと思う。すぐ帰ってくるんじゃない?」

「アリサはレオンが連れ去られたかもしれないのに冷静だな。」


とりあえず俺も冷静になろうと思う。

冷静に、冷静に・・・なれるわけないだろー!!


あぁ、どうしよう。今ごろワイバーンの巣の中で食い尽くされていたりしたらどうしたらいいんだ?

レオンのことだからワイバーンの群れを倒しているかもしれんが、だとしても一体どこにいるんだ?

困る。どうしよう、追うか?しかしどこに巣があるのか分からない。だいたいの飛び立った方向しか分からない。


俺は半分パニックになりながら頭を抱えて右に左にウロウロしながら考えた。


「アデル。今までに世話になったな。」

「は?ドラン、気でも狂ったか?」

「あれを見ろ。ワイバーンの群れだ。とうとう俺たちの命もここまでかもしれん。」

「あ・・・短い旅だったな。」

「そうだな。」


遮蔽物のないこんな場所、ちょっとくらい逃げたって何の意味もないだろう。

俺も観光を楽しんでおけばよかったな。


俺はゆっくりと腰を下ろした。そうだ。俺は覚悟を決めたんだ。


「アデルー、ドランー、アリサー、これだけ居れば足りるー?」

「は?」


そこに降り立ったのはレオンで、レオンの後ろにはきっちりと整列したワイバーンの群がいた。

俺は理解ができないんだが、これは何だ?どういうことだ?


「レオン、俺は何が起きたのか理解できない。説明を頼めるか?」

「んー?ワイバーン一家が旅に付いてきてくれるって〜。お供?桃太郎的な?

こっちから、長老、ママ、パパ、長男、次男、三男、長女、次女って感じ。」


モモタロ?分からん。ワイバーンの群れは家族なのか。


「ドラン、どうする?」

「いいんじゃないか?勇者の移動手段はワイバーンか。さすがだな。」


何があっても動じない。そうでないと勇者パーティーなど無理なんだ。こんな状況をスッと飲み込めるドランが羨ましい。



今日は空が青いな。天気もいいな。

今俺は次男と説明されたワイバーンの背中に乗っている。


ギャーーー!!


背中に必死に掴まって俺から溢れた涙が斜め上に飛んでいくのを見た。

天と地がぐるぐると上下して、もうどこが正面かも分からない。死ぬと思った。


「アデルー、サービスだって〜、回転かけて楽しませてくれたみたい。」


休憩のために下ろしてもらうと、俺はフラフラで一歩も動けなかった。

楽しませた?嘘だろ。振り落として殺す気だっただろ。

次男怖い無理。と必死に訴えて、俺は比較的温厚そうな?長老に乗せてもらうことにした。


魔王や魔王が差し向けた敵に殺されるなら仕方ないが、ワイバーンに落とされて死ぬなど嫌すぎるだろ。

こうして俺はワイバーンにさえ弄ばれる旅になった。


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