第69話 男には分からない
帰り道、ギルドに寄るとあの巨乳美女のマリアさんがいて、レオンが例のことを耳打ちすると、マリアさんはアリサを連れてギルドを出ていった。
「2人だけで行かせてよかったのか?レオンも付いていくのかと思った。」
「行けないよ〜、男が立ち入っちゃダメな場所じゃない?アリサもそんなの俺に見られたら恥ずかしいだろうしさ〜」
「そういうものか。」
レオンでも女の子にはちゃんと気を遣ったりするんだな。
しばらくしてマリアさんとアリサが戻ってきた。しかし、アリサは戸惑っているようだった。
やはり元いた世界とは勝手が違うんだろうな。
そして腹痛を訴えたため、レオンが背負ってすぐに屋敷へ帰った。
屋敷へ戻ってからは、メイドにアリサを任せているから大丈夫だと思うが、レオンが難しい顔をしている。
「やっぱ布らしい。」
「は?」
「そうだと思ってたけどさ、不織布とか無いし、使い捨てできないっぽい。ここにいる時はメイドさんが洗ってくれるけど、旅に出たら困るよね。
何かいい方法ないかな?」
「俺たちに聞かれてもな・・・」
「やっぱりレイナさん呼ぼう。今日はもう夕方になるし明日でいいが。」
「あぁ、姉上には手紙を出しておく。」
「ねーねー、旅に出た時ってさ、洗濯どうすんの?」
「宿で井戸を借りて自分で洗って干したり、高級な宿なら洗濯物を出しておけば浄化をかけてくれたりするところもある。」
「浄化か〜それいいね。その手があったか。
袋とかに入れておいてもらえば中身見ずにできるよね。そうしよ〜」
レオンの中で何か納得したようだ。
しかしレオンが浄化をかけたら服は全部真っ白になるんじゃないか?
それなら俺は自分で洗って干した方がいいな。
翌日になるとレイナ様が来た。
「レオン、俺らはいない方がいいんだよな?」
「んー、たぶん。だって分かんないもん。俺男だし〜、でも浄化のことは言ってみる。」
「そうか。じゃあ俺はまた庭でシュアと剣の稽古をしているから何かあれば呼んでくれ。」
「俺は旅の話が出たから地図を買いに行ってくる。いつになるかは分からんが、方角だけでも決めておいた方がいいだろうし。」
ドランは本屋に行くらしい。
本など重いから旅に持っていく者などいないが、俺たちにはアイテムボックスがあるからな。
旅か。領地から王都に出てきた時と何度か遠征に参加した時くらいか。
他国にも行くんだよな?それはちょっと楽しみだ。
そんなワクワクした気持ちでシュアを召喚して、また剣の稽古を始めた。
「ちょっとあなた達、そこに座りなさい。」
「「「はい。」」」
なぜ?俺が何をしたというのか、俺とレオンとドランは冷たい石の床に座らされていた。
目の前には美しいが故にとても恐ろしく冷たい表情のレイナ様がいる。
「アリサが体調悪いのに森に連れて行ったでしょ!」
「ごめん。気付かなかった。そんなに体調悪かったんだ・・・。」
「「・・・。」」
そうだ。レオンの言う通り、気付かなかっただけなんだ。別にアリサに無理をさせようとしたわけじゃないんだ。
「女の子なんだから気を遣ってあげなさいよ。
馬に蹴られても笑っているようなごっつい男とは違うのよ。」
「「「すいません」」」
「男には分からないのよ。」
俺たちはレイナ様に長時間にわたる説教を喰らった。
なぜ俺まで・・・確かにアリサの体調が悪いことに気付かなかったが、そんなの分かるわけないだろ。
そんな不満が顔に出ていたのか、レイナ様に冷たい目でギロリと睨まれて俯いてしまったのは、仕方ないことだと思う。
「俺さ、男だから本当に分かんないの。お腹痛いのはヒールで治るもの?それとも何かやり方あんの?」
「ヒールで治る子もいるけど、緩和って程度で完全には治らないわね。
温めて休ませてあげるのが1番よ。」
「そっか、分かった。旅に出た時の、その洗濯は俺が浄化で何とかするから。」
「それは大丈夫よ。浄化が付与された袋があるから。それに嫌でしょ?いくら仲間だと言っても男性にお願いするなんて。」
「そっか〜、確かに。」
よく分からんが、たぶんこの3人の中では1番レオンが女性に理解があるんだろう。
「そこの2人!自分は関係ないって顔してないでちゃんと気遣いくらいはしなさいよ。」
「「はい。」」
「これだから男は・・・」
何もしていないのに、大人しく聞いていただけなのに、俺とドランはまたレイナ様に怒られることになったんだ。




