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召喚士アデルの災難 〜なんで!?俺が召喚したのは最強勇者のはずだったのにアホっぽい男がきた〜  作者: 武天 しあん


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第59話 問題児の退場



「お待たせ〜、あー楽しかった〜」


ここにもう一段階上、いや十段階ほど上の人間辞めてる奴が戻ってきた。勇者レオンだ。


「何を狩ってきたんだ?」

「なんか蛇っぽいのと、凶暴すぎるうさぎみたいなのと、ミノタウロスもいたよー。」


レオンの意思かバルムンクの意思かは知らんが、4階層じゃ物足りず5階層まで行っていたようだ。


「この短時間でそんなに狩ってきたのか。」

「今日はバーベキューパーティーだね!」

「それはいいな。帰りに酒買って帰ろうぜ。」

「いいね〜」


俺はこの世界で生まれ育っても未だに勇者パーティーが受け入れられないのに、他の世界から来て勇者になったレオンはなんで平然としてるんだよ。

心の葛藤とかないのかよ。

俺が召喚したんだし受け入れるけどさ。


「アデルー、何してんの?置いてくよ〜」


走り出したレオンとドランを追いかけると、難なく付いていける。おかしいな。休んだからか?それとも俺に合わせてゆっくり走ってくれているのか?


「あ、そうだ〜

さっき俊足ってスキル出たからアデルとドランに付けといたよ〜」

「おう、助かるわー」

「・・・。」


レオンの仕業だった・・・。

こうして俺はまた普通の人間から遠ざかっていくんだ。


依頼の魔物を討伐して、討伐した魔物はドランが練習のためにアイテムボックスに入れていた。


「アイテムボックスって便利だな。」

「人が見てるところではあんまり使えないってのが残念だけどね。」

「確かにな〜、レオンは勇者だからいいが、俺やアデルは人前で気軽には使えないな。」


「じゃあバーベキューの準備もあるし早く帰ろ〜」

「そうだな。」


俺たちは新たに得た俊足というスキルを使って走って階層を下りていった。



「あれさ、あの子じゃない?何してんだろうね?」

「どれだ?俺には見えん。」

「そっか、ドランには魔眼渡してなかったね。今渡したよ〜、遠目で見てみて〜、見えた?」

「あぁ、見えた。」


俺はちょっとしたお土産を配るようにドランにスキルを渡すレオンに呆れているのだが・・・。

俺もレオンが指す方向を見てみると、自称聖女がゴブリンの群れに担がれて運ばれていくのが見えた。


「どうする〜?助ける〜?」

「戦闘能力が無いと自分で分かっているくせに、2階層なんかに入ったのはあの女だから自己責任だろ。」

「そうだな。頑張ってゴブリンの繁殖に貢献すればいい。」


「ん〜そうだけどさ、まだ子供だし可哀想じゃない?」

「レオン、助けたらまた付き纏われるぞ?」

「そうだぞ。」


「いいこと思いついた!ちょっと行ってくる。」

「おい!」


レオンが走り出したらもう誰にも止められないんだよ。俺は追いかけるドランを目で追いつつ、ゆっくり歩いて向かった。


「何してんの〜?」

「見て分かるでしょ?助けなさいよ!」

「何で〜?勇者パーティーに入るレベルならゴブリン倒すなんて簡単じゃない?頑張ってね〜」


レオンには珍しく揶揄いに来ただけだったようだ。その場から立ち去ろうとするレオンに焦る自称聖女。


「やだ!行かないで!助けて!」

「聖女ってのも嘘でしょ〜?詐欺師なんて犯罪者を勇者パーティーに入れるわけないし、2度と聖女と名乗らず俺たちの前に姿見せないなら助けてあげてもいいよ〜」

「私は聖女だし!」

「あっそ。じゃあ1人で頑張ってね〜」


そう言うと、片手でひらひらと手を振りながら、レオンはあの前の世界から持ってきた板を出した。


「やだやだ!お願い、お願いします。もう、聖女と名乗らない。あなたたちの前にも姿見せないから!」

「言質はとったよ。約束ね〜。」


そしてレオンがバルムンクを一振りするとゴブリンの群れは一掃された。

ええ〜?切り刻まれたと思ったら一気に燃えて灰になったんだが・・・。

いつの間にそんな技を覚えたんだ?


「じゃあね〜。アデル、ドラン帰ろ〜」

「あぁ。」

「・・・。」


「まっ、待って、お願い、森を出るまでは一緒にいて、ください。」

「ほれ、魔物除けやるから1人で帰れ。何でこんなところにいたのか知らんが、これに懲りたら戦闘力がない奴が気軽に森に入らないことだな。」


ドランは魔物除けのハーブの包みをその子に投げて渡すと、レオンに続いてサッサと歩いていった。

ドランも優しい奴だな。



「ねーねー、あの子のステータス見ちゃったんだけど。面白かったよ。」

「見たんだな。それで聖女だと2度と名乗るなって言ったのか。」

「あの子、MPが3しかなかった。一応聖魔法の適性はあったけど。HPも100くらいだった。」

「そうか。3じゃあ聖女など無理だな。」

「年齢が自称13歳だった。厨ニ病かな?」

「は?年齢に自称年齢なんて表示されんのか?」

「そうみたい。」


もう二度と顔を見ることもないんだからどうでもいいが、たぶん聖魔法の適性があるせいで聖女に憧れたんだろう。そう思っておくことにしよう。


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