第55話 魔眼かよ
ギルドを出ると屋敷に向かって歩いていく。
ドランは冒険者たちがさっき決めた自称聖女をギルド内に入れないと言っていたことをギルマスに話してから帰るとか言ってたな。
結局メワクは脅威ではなくなったんだが、今後も同じようなことが起きるかもしれないと貴族街の屋敷に住み続けることになった。
ギルドからは少し遠いんだよな・・・
「レオン、そういえば魔力の流れが見えるようになったんだな。」
魔法や魔力コントロールを磨いていると、魔力の流れが見えるようになってくる。
レオンも流れが見えるようになってきたということは、かなり上達してきたということだ。
「そうなんだよね〜
先週新たなスキル覚えてさ、魔眼ってやつ。アデル知ってる?」
「・・・魔眼。マジかよ。」
魔法や魔力コントロールの上達ではなかったようだ。
ということはだ、レオンに見えなかったということは、あの自称聖女は本当に魔法を使っていなかったんだな。
なぜヒールも使えない奴が聖女などと名乗っているんだ?本当に詐欺ではないか。
「ねーねー、魔眼って魔力の流れが見えるでしょ?」
「あぁ、そうだな。」
「体内の魔力も何となく分かるんだよね。この人は多いな少ないなってのと、適正の魔法?が何かくらいだけど。
鑑定使ったらMPとして正確な数値が見えるんだけど、鑑定って個人情報じゃん?勝手に覗くのはダメかな〜って。」
「まぁ、そうだな。」
「さっきの子、魔力無いように見えたんだけど。」
「は?無い?そんな奴いないだろ。生きていられないと思うんだが。」
「じゃあ全く無いわけじゃなくて見えないくらい少ないのかな?」
「そうかもしれんな。」
魔力が少ない者はいる。
魔力が少ない者は例え聖魔法に適正があったとしても聖女になどなれない。そうなると余計聖女と名乗っている理由が分からん。
もう考えるのはよそう。
ただでさえレオンで手一杯なのに他のことなんか構ってられるか。
「アデルー、魔眼って何に使えるの?魔力の流れが見えると攻撃してくるのが分かるけどそれだけ?」
「精度にもよるが、数秒先の予知とか、あとは遠見だな。威圧などを使える奴もいると聞く。」
「へ〜便利だねー、遠見はいいねーこの世界望遠鏡とか無いもんね。」
「ボウエン?」
「うん。遠いところ見る道具。」
「そんな物があるのか。レオンのいた世界は面白い物が色々あるんだな。」
「アデル魔眼ほしいと思う?」
「そりゃあな。」
「そっか。」
「ん?レオン、まさかやったか?」
急に視界がクリアになり、魔力の流れが鮮明に見えるようになった気がした。
「アデルにもあげたー、あと、状態異常無効ってやつも付けといた。」
「マジかよ。うわー、俺どんどん普通の人間じゃなくなっていくんだが。もう気軽にそんなことすんのはやめろよ。」
「分かった〜」
レオンはなぜか俺にスキルをよく勝手に渡してくる。やめてくれよ。俺は勇者じゃなく普通の人間なんだ。
戦闘スキルでないだけマシだが、さっきの軽い返事を聞く限り、何か面白いスキルを得たら、また勝手に渡してくるかもしれん。
しかし魔眼か。どれだけ欲しくても簡単に手に入れらるようなものではない。
嬉しくないわけではないんだ。
きっとレオンの魔眼だからかなり精度が高いんだろう。少し勉強してみるか。
「ん?レオン、まさかとは思うが他の奴にもスキルを与えたりしていないよな?」
「ドランにはあげたー」
「何をあげたんだ?」
「アデルと同じ。あ、魔眼はあげてない。アイテムボックス、経験値増量、超回復、隠匿、状態異常無効かな。」
「そうか。で、それをドランには説明したのか?」
「あれ?どうだっけ?してなかったかも〜」
「分かった。明日ドランを説明のために呼び出すぞ。」
「分かった〜」
ドラン、どうか気を確かに持てよ。
そしてそれだけのスキルを与えられているドランはもう勇者パーティーのメンバー決定だ。
それも伝えておくか。




