第41話 疫病で寝込む俺
「アデルが体調不良なんて珍しいね〜
インフルかな?熱高いし。関節痛いとか言ってたよね。」
「インフルというのが何かは分からないが、今王都では流行り病でかなりの人々が床に伏せているらしい。」
「そっかー、特効薬とか無いの〜?」
「トコヤク?何か知らんが無い。
レオン、うつすといけないから、しばらく俺の部屋に来るな。アイテムボックスに料理なども入っているから心配は要らん。
外に出てもいいが寄ってくる女には気を付けろよ。」
「分かった〜
インフルならしばらく寝てれば治るだろうしね。きついかもしれないけど。薬無いと1週間くらいかな?何か必要な物があれば言ってくれれば買ってくるからね。」
「分かった。ありがとう。」
ふぅ、部屋から出ていくレオンを見送った俺は、フラフラとベッドに戻り横になった。
インフルというのはレオンがいた世界にあった病気なんだろう。そしてそれは1週間ほど寝ていれば治ると。
それと同じかは分からないが、この季節の流行り病は近いものがある。
俺も毎年罹るわけではないが、何年かに一度は罹っている気がする。
何もレオンがいる時に罹らなくてもいいのに。
まぁでも、魔道具の起動もできるようになっているし、誰にも害されることがないほどに強くなってからでよかった。
レオンが与えてくれたアイテムボックスがこんな時に役立つとは。
ドアの音でレオンがどこかに出かけたことが分かった。この時間だからギルドにでも行ったんだろう。先日Dランクに上がったし、またバルムンクに戦いたいなどと言われて高階層にでも行ったのかもしれないし、普通にDランクの依頼を受けるのかもしれない。
ギルドなら心配は要らないだろう。知り合いも多いし。
夕方になるとレオンは家に戻ってきた。
ガチャッ
「アデルー、具合どう?
パンとスープ買ってきたよー
熱出た時とか、コカトリスと少しの薬草が入ったスープがいいんだって〜」
「あぁ、ありがとう。そんな気を遣わなくていいんだぞ。アイテムボックスに食料は入っているし。」
「えーそれさ、カチカチのシリアルバーもどきでしょ?ダメだよーちゃんと栄養取らなきゃ。」
レオンは携帯食のことを言っているんだと思うが、騎士団でも採用されているし栄養はちゃんとあるはずだ。
しかし、味は美味しくないから、スープとパンは助かる。体が辛い上に不味くて硬い食事はキツいからな。
「分かった。助かる。それでその顔にかけている布はなんだ?」
「ん?これ?マスク〜
不織布とかどこにあんのか分かんなかったしマスクって誰も知らなかったから、服屋のおばちゃんに絵描いて説明して作ってもらったんだ〜
機能的にどうか分かんないけど、無いよりはマシ?」
「そうか。レオンのいた世界では顔を隠すのが流行っていたんだな。」
「違うよー、顔を隠すって目的で使ってる人もいたかもしれないけど、感染予防だねー
病気ってさ、飛沫?なんかそんなんでうつることが多いから、インフルとか流行る時期にはしてんの。
俺が病気になったらアデル気にするだろうし、アデルの病気がうつらないようにしてる。」
「よく分からんがそれでうつらなくなるのか?」
「完全ではないけど、かなり防げるよ。」
病気がうつるのを防ぐのか。そんな方法は考えたことがなかった。
うつりたくなければ部屋を分けたり家から出ないということしか知らなかった。レオンのいた世界は面白いことを考えるものだな。
「今日はギルドに行っていたのか?」
「うんそう。ギルドに行く時に、一緒に依頼受けようって誘ってくれたパーティーがいて、臨時パーティーっての組んで一緒に受けたよ〜」
「そうなのか。」
「アデル以外の誰かと一緒に受けるなんて初めてだったけど、ちゃんと依頼料も討伐の買取も等分にして分けてくれたし、何人かで受けるのってこんな感じなんだーって分かってよかった。
血抜きってのも見せてもらったよ。」
「そうか。よかったな。」
パーティーに加わってもちゃんとやっていけるんだな。それが知れただけでもよかった。
あとは魔法と剣技の精度を上げつつランクも上げて、勇者パーティーのメンバーを探せばいい。
俺は結局、流行り病で5日寝込んだ。熱が下がったのは5日目の昼頃で、やっとまともに動けるようになると、レオンが買ってきてくれたスープを温めてパンも食べた。
病み上がりだからな。少し散歩でもするか。
夕方にはレオンと落ち合って外で美味いものを食いたいな。
そう思いながら街をブラブラと歩き、公園でボーッとしてからギルドへ向かった。




