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召喚士アデルの災難 〜なんで!?俺が召喚したのは最強勇者のはずだったのにアホっぽい男がきた〜  作者: 武天 しあん


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第37話 団長の呼び出し


あのレオンが魔物を狩りまくった日の夜、魔法師団より呼び出しの連絡があった。

エミレーツという神なのか精霊なのか人なのか分からないじいさんに教えてもらったことで、レオンが魔法を一通り使えることになったことを報告していたから、一度確認したいとのことで、さっそく翌日向かうことになった。


「レオン、もうそろそろ行くぞ。」

「ちょっと待って〜、もうちょっとでできるから〜」


レオンは相変わらず髪型にこだわっていて、ドランに以前教えてもらった蜜蝋とオイルを混ぜたもので髪を整えている。

毎日毎日、朝早くからよくそんなことに時間を費やせるものだ。俺ならそんな時間があれば少しでも長く寝ていたいと思うのに。


しっかり髪を整えたと思われるレオンと共に騎士団へ向かう。

正直俺には、そのちょっとの髪型の違いというのが分からない。


「もう別に教えてもらわなくてもいいんだけどね〜」

「そうだな。」


ありとあらゆる魔法が使えるわけではないが、レオンの頭の中には訓練場を更地にした後に団長の部屋でひたすら読まされた魔導書の知識が詰まっていて、しかもそれを使おうと思えば最も簡単に再現できてしまうんだから、もう指導官など必要ないだろう。

恐らく大型魔法なども使おうと思えば使えるんだろうな。



「どうも〜、お久しぶりで〜す。」

「団長、お久しぶりです。」

「うむ。勇者様は魔力をしっかりコントロールできるようになり、様々な魔法が使えるようになったと聞いたが本当か?」

「えぇ。本当ですよ。やろうと思えば今でも訓練場を更地にすることも可能ですが、的を壊さない程度の弱い魔法も撃てるようになっています。」


アイテムボックスや、他の特殊なスキルのことは話さないでおいた。

コピーというのは陛下や司祭には見られているが、どんな意味があるのかは分かっていないだろうし、HPや攻撃力の数値だけ確認してスキルなどいちいち覚えていないだろう。バルムンクのことも含め決して余計なことは口に出すなとレオンにもしっかり言い聞かせてある。


魔法師団の団長を眺める。やはりあのじいさんと比べると全く纏う空気のレベルが違うな。睨まれれば緊張はするが一瞬で命を奪われるというほどの危機感を持つことはない。

髭や髪の長さもじいさんに比べるとまだまだという感じがする。

それは関係ないかもしれんが。


「では勇者様、見せてもらえますか。」

「分かった〜、あの的でいいんだよね?火でいい?」

「はい。お願いします。」

「オッケー」


レオンは的に向かって拳より少し小さいファイヤーボールを撃ち出した。


バシュッ


弱めでちょうどいい感じだ。またコントロールが上手くなったな。

的のど真ん中に当たっているし、さすがだ。

まぁ団長からしたら、しょぼい魔法に見えるんだろうな。しかし違うんだ。レオンほど膨大な魔力がある者がこの小さく弱い魔法をコントロールできるということが、どれだけのことか、きっと団長にも分からないんだろうな。


「おお、確かに普通の魔法が撃てるようになったようですね。どうです?他の魔法を教えるために指導官を用意しようと思うのですが。」

「それは要らな〜い。別に何も教えて欲しいことは無いし。森で魔物相手に実践した方が練習になるから、指導官は要らない。

あと、剣も冒険者の友達に教えてもらったから、剣の指導官も要らない。さっきちょっとだけ訓練見せてもらったけど、教えてもらえそうな強い人いなかったし。」

「そ、そうですか。」


必要ないとだけ言えばいいのに、まるで魔法師も騎士も力不足と言っているようではないか。俺は団長の目は見ず、どうなっているんだ?という団長の視線には気付かないフリをしてレオンの上衣のの裾辺りをじっと眺めていた。

俺は知らん。別に俺が言わせているわけではないんだしな。


「では、森での実践訓練のためにもうそろそろ失礼いたします。」

「だね〜、団長さんまたね〜」

「あ、はい。」


何か言いたそうな団長を置いて、さっさと俺たちは騎士団を後にした。


「レオン、理由など話さず必要ないと断るだけで良かったんだぞ。あれではまるで魔法師も騎士も弱くて役に立たないと言っているようなものだ。そこを突っ込まれて付いてこられたら面倒だろ?」

「あ〜確かに〜、これからは気をつけるね〜」


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― 新着の感想 ―
[良い点] テンポが良く面白いです! 召喚勇者にも色んなタイプがいるのでしょうね〜 と思いつつ、危機感薄いまま和ましい冒険者生活はほのぼのしてて良きですね。関係者視点の描写も増えると共感できるかも。 …
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