第24話 寝ていますね。は?
息も絶え絶えに走っていると、さっきの冒険者たちが申し訳なさそうな顔をして息を切らしながら走ってきた。
「すまん。レオンとドランはどこだ?」
「お前ら見ていないのか?レオンはドランを担いでギルドへ向かったぞ。」
「え?いつの間に?」
「レオンは足が速いからな。見えなかったんだろう。」
「なるほど。身体強化を使って走っていったのか。」
「まぁそんなようなものだ。それよりドランに何があった?」
「俺らが一緒に依頼を受けて欲しいと頼んだんだ。そしたら受けてくれて。でもちょっと疲れていたのか動きが悪くて、それで吹き飛ばされて。」
「そうか。それで魔物は倒したのか?」
「魔物は逃した。あっちも深傷を負っていたから・・・。」
「なるほどな。ドランを一人で置いていったのはなぜだ。」
「使い捨ての魔物避けの魔道具は置いていった。俺ら1人じゃ下層まで行けないと思ったから。」
「分かった。だが、これからはレオンを連れ出す時は絶対に一人にするな。」
「「はい。すいませんでした。」」
そんな話をしながら彼らと共に階層を下っていくと、レオンが走ってくるのが見えた。
「アデルー」
「レオン、なぜ戻ってきた?ドランはどうしたんだ?」
「アデルのこと心配だったし〜、ドランはギルドに連れてって保健室みたいなところに寝かせてきた。二人も無事でよかった〜」
「ホケン?それは何か知らんが、危ないから戻らなくてよかったのに。」
もうすぐ2階層だということもあり、レオンと冒険者2人と共に走ってギルドへ向かった。
俺だけ酷い息切れで、もっと体力をつけた方がいいと思った。
「ギルド内が騒がしいから俺らはギルマスに説明に行ってくる。」
二人はそう言うと、受付に向かったため、俺とレオンはドランのところに向かった。
レオンがホケンなんとかと言っていたのは、救護室のことだったらしい。
部屋に入るとベッドに寝かされたドランはまだ目覚めていなかった。
「治癒師を呼ぶか。」
「お医者さん?」
「オイシャというのは何か知らんが、怪我や病気の治療を専門としている人のことだ。」
「そだね〜、まともに魔法が使えない俺より専門の人に頼んだ方がいいよね。俺が医学部とかだったらよかったんだけどさ〜、社会学部だから診断とかできないし。」
「これは・・・」
「なんだ?」
「寝ていますね。」
「は?寝ている?」
「叩き起こせば起きると思います。」
「そうですか。」
寝ている?ドランは寝ているのか?なぜ?
「ドラン!起きろ!」
俺はドランの肩を叩き、それでも起きないと肩を揺さぶった。
「ん〜、ん?どこだここは。」
「ドラン〜」
グハッ
目を覚まして起き上がったドランに、レオンは勢いよく抱きついた。
男が男に抱きつくのも如何なものかと思うが、レオンよ、お前の力で勢いよく抱きついたら馬に激突されるくらいの衝撃になるんじゃないか?せっかく助かったドランが死んでしまうのではないかと思ったが、ドランはさすが実力はAと言われるだけのことはある。衝撃は受けたようだが、レオンを受け止めた。
「レオン、お前は自分の力が強いことを理解した方がいい。
俺だから大丈夫だったが、他の奴なら骨の2.3 本は折れていると思うぞ。」
「ごめん。」
「だが、俺のこと心配してくれたんだろ?それは嬉しい。」
「うん。」
どうしたんだ?ドランがやけに素直じゃないか。
噂と違う面を見すぎてドランが本当はいい奴なんじゃないかと思えてくるな。
それよりもだ。
「ドラン、状況は把握しているんだろうか?」
「いや、分からん。」
俺はドランが倒れていると報告を受けてレオンと共に5階層に向かったこと、ヒールをかけここに連れ帰っても目を覚さないため治癒師を呼んだら寝ていると言われ起こしたのだと伝えた。




