押し倒すのが目標です
非番の日にジュジュの家へと来ているクラム。
朝食を食べた後、二人でかぼちゃ畑へと来ていた。
この畑は一年中かぼちゃを栽培して収穫が出来るように魔法が掛けられているのだ。
猫の額ほどの小さな畑だが、かぼちゃ大好きなジュジュにとっては文字通り魔法のかぼちゃ畑なのである。
かぼちゃの生育をよくするためにも魔法をかけているのだが、当然かぼちゃ以外の植物…雑草の生育もよくなる。
可愛いかぼちゃチャンに栄養をたくさん摂らせ、ふくふくと肥らせるためにジュジュはせっせと雑草を抜いていった。
クラムにはぶら下げて生育するランタンかぼちゃのための支柱を立ててもらっている。
やはりこういう作業は男手があると助かるのだ。
木槌で支柱を打つクラムに雄みを感じ、惚れ惚れとしながら眺める。
───はぁ……カッコイイ……たとえ中身は心変わりしていても、肩書きはまだわたしの婚約者だもん。見蕩れたっていいよね。
ジュジュは草を引きながら、どうやったらあのカッコいいクラムを押し倒せるかを考えた。
───精のつくものを食べさせたからといって、押し倒さなきゃ意味がないのよね?でもどうやって押し倒す?物理?やはり物理的に押し倒せばいいのかしら?
そんな事を考えながらブチブチと雑草を引き抜いてゆく。
「支柱、立てたぞ」
───押し倒してからどうする?わたしから宣言すればいいの?「婚前交渉しましょう!」って?
え?でもガッツキ過ぎて引かれない?怖がられない?
「ジュジュ」
───それ以前にクラムってばわたしでちゃんと●つのかしら?
男の人って勃●しないとデキないんでしょ?
え?わたしじゃ無理?ダメ?そもそも女として魅力がないから心変わりなんてされるんだし……●たなければ婚前交渉できないのよね……?
え?どうやって無理やり勃た●ればいいの?
「おい、ジュジュ?」
「はっ!」
「支柱……立てたぞ」
「あ、ごめんなさいっ。(支柱は)立ったのね!よかった!」
考え事に没頭し過ぎて我ながら訳のわからない事を口走ってしまう。
「あはははっ……」
とりあえず笑って誤魔化すジュジュであった。
───こうなったら昼食は卵と山芋でふんわりオムレツをたくさん作って食べさせましょう!!そして食べたら押し倒す!!
ジュジュはせっせと道具を片付けるクラムを見ながら鼻息を荒くして拳を握りしめた。
ちなみに、玉子も山芋も精がつく食材である。
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朝からなんの話やねん☆
夜の更新に続く。