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肩を並べるなら 3

 残りの敵の数は四人。剣使い二人が、最初と同じように最初に突撃してくる。しかし、先ほどとは違い剣の構えが左右で違う。二人が剣でベルシャインを挟むように振るうためか、左右を反転したように脇に構えて進んでくる。ベルシャインは前に出て、彼らを迎え撃とうとしていた。


 彼は、右の剣使いに向かって先に剣を突き出した。右側の敵が剣を振る前に、攻撃が来たために、回避によって剣を振るうことができない。先に左の方が剣を振るう。彼は突き出した剣を左側に持ってきて、剣を軽く弾いた。斧使いが正面に来て、斧を思い切り上から振り下ろしてきた。彼はそれには反応せずに、軽く弾いた剣の面を上から叩く。


「土よ。ロックウォール!」


 後ろからのベアトリスの援護により、彼の足元から土が盛り上がるが、土のような柔らかさはなく、岩のような質感の壁が伸びていく。彼の頭上に振り下ろされた斧は岩の壁に突き刺さり、斧はそれ以上進まなくなった。剣を上から叩かれた敵は剣が手から離れて、カランという音と共に地面に落ちた。彼は右側の敵が後ろに離れて、距離が少しだけ開いたのを見て、左にいた剣を落とした奴に近づく。身を屈めて、足を延ばして距離を一瞬で縮めた。剣を下から上に切り上げて、相手の頭を狙う。しかし、さすがに視界の中に入っていたベルシャインの攻撃はよけられた。切り上げた剣の力を利用して、相手の胸倉を掴んで、下の方に引き寄せる。そして、剣の柄で相手の頭を思い切り叩いた。敵はあまりの痛みに目に涙を浮かべている。しかし、気絶まではしていない。相手もすぐそこにいるため、その敵に時間をさけるのはわずか。彼もそれは理解しているが、このチャンスを逃すわけにはいかないと、欲が出ていた。彼は胸倉を掴んだまま、相手の顔を上げさせる。既に目がきょろきょろと動いていて、視界が揺れいているであろうというのはわかった。彼は剣を握る手で、相手の顎を軽く殴りつけた。相手が白目をむいて、脱力したところで、ベルシャインは胸倉から手を離した。どさりと体を横たえて、敵は気絶した。しかし、彼がそこにいるのはかなり危険だった。既に右側にいた剣使いが、彼にむかって剣を伸ばしている。彼は視界にない部分に関しては、超能力が適応されず、相手の動きは読めない。しかし、彼自身が今の自分に大きな隙があるのはわかっていた。そして、その隙を逃すとは思っていなかった。だから、彼は振り向いて後ろを確認する前に、剣を握る手を先に動かして、背中側で敵の剣を受け止めた。その後に、片足を軸にしてくるりと半回転しながら、敵の剣を弾いた。だが、それと同時に、斧が彼に向かっていた。今度は視界の中に斧使いと剣使いが映っているため、少し先の未来が見えた。斧の軌道の未来も見た彼はぎりぎりで斧を買わせるように、体を少しだけ動かした。斧は空振りして、重い武器はすぐには手元に戻すことができないため、自分の体勢を整えることができる。


 しかし、彼はそうすることができなかった。彼の肩の辺りに何か衝撃を食らい、後ろに数歩下がってしまった。その衝撃が視界の中に映っていたはずなのに、何に攻撃されたのか、最初は認識できなかった。魔法が飛んできたのかと思ったが、誰かが魔法の詠唱をしたのは聞いていない。彼が視界に敵を移すと、いつの間にか、棒使いが近くに来ていて、その棒が敵の体の隙間を縫って伸ばしてきたのだ。その突きが彼の肩に当たり、そのせいで後ろに下がることになってしまった。そして、その一瞬の隙をついた攻撃のため、ベアトリスの魔法の詠唱が間に合うはずもない。さらにベルシャインに密接するほど近くにいるわけではないため、ハンカチを硬化させて彼を守ることができなかった。


「俺のこと、忘れんなよ?」


 不敵な笑みで、棒の先を彼に向けてそんなことを言っていた。明らかに挑発しているような態度だが、彼はそれに乗れる状況ではないことは理解している。三対二にはなったが、それでもまだ、数としては負けている。それに前衛にかかる負担はかなり大きいだろう。相手に魔法使いがいない以上、魔法を主体に使っているベアトリスは完全にサポートに回ることしかできない。ベルシャインが敵と戦っている時には基本的には広範囲の魔法は使えない。ピンポイントで狙うことができる魔法の威力はどうしても下がってしまう。


 ベルシャインは敵と離れたことで、再び構えを取ることができた。一度、落ち着いて、再び敵と相対する。彼が剣を構えるのを合図にするかのように、剣使いと斧使い、棒使いが動き出した。

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