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肩を並べるなら 1

 ベルシャインたちに五人、同時に近づいてくる。剣を持った二人が先頭を走り、その後ろに斧を持った不良生徒が少し遅れて着いてきている。短剣を持った相手は、その三人の周りにはおらず、二人の視界からは消えていた。そして、最後尾には長い棒を持った敵が着いてきていた。近づいてくるとその長さが異様であることがわかった。その長さはベルシャインの身長を軽く超えていて、彼の二倍かそれを少し超えるくらいの長さがあった。そんなものを振り回せば、大きな隙ができるだろうが、それは一対一の場合であればだろう。多人数で戦えば、その隙をカバーしてもらえるだろうが、周りに味方がいる状態であの長い棒を振り回せば、味方に当たるはずだ。あの武器をこの状態で扱うのは難しいだろう。


 とにかく、最初に接敵するのは剣二人と斧一人だ。棒を持つ敵がすぐに動いて攻撃してくるとは思えない。短剣を持った敵は常に警戒していなければいけないのはストレスがかかり、他の攻撃に当たる可能性が上がる。不良たちがそこまで考えているとはベルシャインは考えてないと思っていた。しかし、この短剣使いが見えないことや、長い棒を持つ敵が後ろに控えていることがかなりのプレッシャーになっていることに彼は気が付いていなかった。ベアトリスは不良が頭が回らないという先入観を、敵が一人見当たらない時点で、捨てた。どこからどんな攻撃が来るのかすらわからないと考えて、先ほどこちらに寄ってきた短剣使いの姿も見えないことを考えれば、相手が五人でないことすら考えられる。ほぼ三十人の人が逃げたのに乗じて、姿をくらませたとも考えられなくもない。あのリーダーからすれば、そういった不意打ちをするような人は、あの不良のボスのリーダーに着いていこうとするとは思えないのだが、頭の片隅にその情報を置いておくに越したことはないだろう。


 ついにベルシャインが剣使い二人と接敵する。二人の剣が同時に彼におそいかかるが、彼はその剣を受け止めていた。剣で彼の剣を押さえつけて、少し遅れてきた斧使いが彼の腹を打とうとしていた。ベルシャインは彼らの剣を弾き飛ばして、斧を後ろに軽く下がって回避する。斧の軌道に体がギリギリぶつからないように回避した。そういう回避の仕方であったために、彼の剣は相手に剣使いに届く。彼は剣を右側にいた剣士に向かって突き出した。相手が回避するのは超能力のおかげで見えていた。剣をそのまま前に少しだけ突き出して、すぐに敵が回避した右側に振るう。剣は相手に届いたが、剣の切れ味は悪く、相手にダメージを与えることはできない。剣には体重が乗っていないため、剣が少し触れただけでは、相手にダメージを与えることができないようだった。そして、彼は体勢を前に出したせいで、左側にいる敵の剣が彼に向かって伸びていた。


「土よ、クレイショット」


 ベアトリスが、魔法を詠唱して小さな土の塊がベルシャインの方へと向かって移動する。龍樹の魔法ほどの速度はない。しかし、彼女の土の魔法は、彼に迫っていた剣を弾き飛ばした。彼は体勢を整えようと剣を自身の身の近くまで引いた。剣使い二人とは距離が開いたが、斧使いはその間を抜けるように一歩前に出て、斧を斜め下から斜め上に切り上げるように振るった。先ほどよりもそのリーチが少しだけ長い、ベルシャインとの距離が開いていても、斧が掠る程度の軌道を取っているようだった。彼の視界の中に三人が映っているため、次の行動がわかるのはいいが、ベルシャインでは、先を読めてもすべてに対処できるほどの能力はなかった。掠るだけとは言え、斧の攻撃が当たれば、ダメージを食らうだろう。彼はぎりぎりで回避することよりもしっかりと回避することを選んで、大きく後ろに下がる。ベアトリスとの距離が短くなるが、ベアトリスは彼の動きに合わせてサポートしやすい距離を取るように移動した。


 彼は斧をしっかりと回避した。剣使い二人と斧使いとの距離が開いて、体勢を整える。彼もそれと同時に体勢を整えようとしたのだが、視界に影ができたような気がして、その瞬間に横に大きく飛んだ。彼は空中で半回転して、地面に背中をつけて、くるりと周り、先ほどまでいた場所を見た。そこには短剣使いの短剣の剣先が地面に着いていた。


 音もなく、影が見えなければ、あの短剣に大きなダメージを受けていただろう。ベアトリスも今の敵に気が付いていないようだったため、本当にぎりぎりで回避したのだと悟る。短剣使いがいないことを頭の片隅に置いていて、忘れていなかったことも躱すことができた要因かもしれない。


(思ったよりも連携が綺麗だな。二人で相手するのは難しいかもしれない。でも、ここで踏ん張らなければ、二人の力にはなれない)

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