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無関心は蔓延るばかり 3

 ハルエラは、一人を戦闘不能して、次の相手に向かって素早く移動する。いつもの彼女と同じとは思えないほどの鋭く、一瞬で残り四人の内の一人との距離を詰めた。詰められても彼女に反応することができずに、彼女が大勢を低くして、斜め上に打ち上げた足に突き上げられた。相手と彼女のスカートがひらひらと揺れているのが全員に見えていた。あまりに鮮やかな蹴りに誰も蹴られた生徒を助けにいけない。だが、彼女にはそんなことは関係なく、体が持ち上げられた相手の腹に二度目の蹴りを放つ。防御する術を持たない相手は簡単に突き飛ばされた。地面に転がり、すぐには立てない。


「土よ。クレイバインド」


 先ほどと同じように、土が相手の体を拘束して、それがすぐに金属になった。相手は動かないが、抜け出そうとしても簡単には抜け出せない拘束。


(残り、三人)


 彼女は残りの敵の数を意識しながら、次の相手に近づいた。三人目ともなれば、彼女の行動を予想することもできる。相手は彼女が近づくであろう場所から後ろに退こうと重心を後ろに倒した。最初にやられた生徒よりも早く反応して、体を相手から離したつもりだった。しかし、ハルエラは目の前にいた。相手の表情は驚いているもので、次に焦りが顔に映る。彼女はそれを認識しながら、先ほどの同じように蹴りを放つ。しかし、同じ攻撃が通用することはなく、相手は無理に体勢を変えて、蹴りを回避していた。


 ハルエラは自身の次の行動を既に決めていた。蹴りを回避されても打つ手はいくらでもあると言わんばかりに、軸足を変えて、体を半回転させて踵を相手の横っ腹を狙う。素早い連撃に相手が対応できずに、その場に崩れた。


「土よ。クレイバインド」


 先ほどと全く同じ様子で三人目が拘束された。残り二人、と意識しながら次のターゲットに近づく。そこでようやく、残り二人が我に返ったような様子で、臨戦態勢に入る。あまりに華麗に倒されたものだから呆けることしかできなかったが、ようやく、相手も行動を始める。あまりに遅すぎるものだが、普段のハルエラを知っている者なら、彼女がそんな鋭い動きや鮮やかな連撃を出すとは思わなかっただろう。彼女の魔法の技術も大したものではないのは、授業を見ていればわかるだろう。中級の魔法の授業を受けているため、彼女の魔法の技術はある程度はわかっていただろう。だが、彼女の格闘術がここまでのものだとは予想できるはずもない。


「くそがっ!」


 残り二人の敵がハルエラに向かって攻撃を始める。ハルエラに狙われている方は、彼女に向かって詠唱を始めているが、今更詠唱しても意味がない。詠唱が終わる前に彼女が敵に到達する。次は蹴りではなく、拳が相手の腹の辺りにえぐりこむ。かろうじて、体を相手の動きに合わせて退いて威力を逃がす。それでも、ダメージが体に入っているのがわかるほどの痛みがあった。


 ハルエラが攻撃している間に、最初にハルエラに交渉を持ち掛けていたこのグループのリーダーであろう女子が彼女に近づいていた。ハルエラと同じような素早い速度で彼女に近づく。だが、その速度は遠くハルエラに及ばない。


 ハルエラはそれに気が付いていたが、今相手にしている敵が身を引いたのについて行って、身を寄せた。相手は次の攻撃を警戒して腕で彼女の拳をガードしようとした。しかし、これは拳だけの戦いではないのだ。ハルエラはさらに後ろに下がろうとしている相手の足を引っかける。それだけで簡単に相手の体勢が崩れる。崩れたところに、真上から拳を叩きつけようとした彼女だが、既に最後の敵が近くにいるのを確認した。相手の拳が自分に向けて伸びているのを彼女は軽く回避した。その間に、足をかけた相手は地面に背中を打っていたが、気絶はしていない。相手はすぐに起き上がり、二対一の構図になった。


 そこで、ハルエラは後ろへ少しだけ身を引いて、仕切り直し。彼女と敵二人は体勢を整えて向き合った。不良二人は彼女のことを睨んでいたが、ハルエラはただ目を大きくして相手を見ているだけだ。その瞳からは何を考えているのか、次の行動が何なのかを読むことはできない。その思考の不透明さに不安を覚えてしまったためか、先に動いたのは不良たち。彼女を左右で挟み込んで、拳や足を使って、彼女を攻撃しようとしていた。しかし、二人で挟んだところで、攻撃は当たらない。彼女の速度に二人でもついていくことができていない。ついに片方が彼女の腕を掴もうとしたが、手が届かない。


 そして、ついに彼女の腕を片方が掴むことができたのだが、彼女の細い腕から出るとは思えないほどの力で、掴んでいた方が振り回され、そのままもう一人の相手にその体をぶつけた。二人は後ろに転ばされてしりもちをついた。片方が顔を上げて彼女を見たが、その時点ですでに自身が敗北したことを理解していた。彼女の口からは魔法が詠唱されていたのだ。二人まとめて、体に土が這う。抜け出すことなどできない金属に変化した。


 ハルエラはスカートを手で払うと、その場を去っていく。

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