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魔法の使い方 2

 自己紹介も終わり、二人はセレナルから授業を受けることにした。彼は基本的に黒板に図解を交えて、二人に話していた。


「魔法の元は魔気と呼ばれるものです。この物質はとても重要で魔法を使う以外にもこの世界の物質を形作るものでもあります。この世界の全てのものは魔気が構成しており、それを分解したり、集合したり、圧縮したりすることで、新たな物体や物質を作りだすこともできます。そして、人や他の生物もこれは例外ではありません。つまり、体から全ての魔気が消滅するということは、体が維持できなくなることと同じです。魔法を使っていて、少しでも体に異変があるときは、魔法を使ってはいけません。これは絶対に守ってください」


 彼の真剣な目と表情に二人は、こくりと頷いていた。


「そして、一般的には魔法を使う時には、使用する魔法の起点、過程、結果を想像して、使用する魔気の指定と、魔法名を口に出すことで魔法が発動します。そして、発動した魔法は想像した通りの流れの全てを終えるまで消すことはできません」


 龍樹はその解説を聞いて、自身が魔法を一度だけ使った時のことを思い出していた。彼は魔法を想像してはいたが、起点や過程、結果なんてものは想像していない。自身のイメージと同時に魔法が発動しているのだ。やったことはないが、おそらく魔法と中断することもできるだろう。そういうのは感覚で理解していた。


「セレナル先生、俺の使った魔法にはそういうのはいらなかったみたいなんだけど」


「はい、魔法の研究者や魔術師は魔法を想像するだけで魔法を発動することもありますし、それ以外にも超能力のおかげで、そういった枷を持っていない人もいると聞きますから、おそらく、龍樹さんの持つ超能力がそういうものなのでしょう。調べてみないとわかりませんがね」


 彼はさらりといったが、今の言葉を龍樹も小鳥も聞き逃せなかった。


「先生、超能力っ、超能力って言った?」


 珍しく小鳥が、机から身を乗り出しそうな勢いで問うた。まさか、小鳥がそういうことをするとは思わず、セレナルが驚いていた。しかし、彼は一瞬だけ目を閉じて、こほんと咳ばらいをして、場を仕切り直す。


「魔法ではないのですが、おそらくこの世界の人は生まれつき、超能力を持っています。少なくとも、この国で超能力を持っていない人がいるという話はありません。そして、召喚された聖女やその付き人にも超能力は宿っています。記録では、聖女は治癒系の超能力を、付き人の超能力は様々ですが、戦闘に使えるものがほとんどでした。あとで、少し魔法を試してもらいますから、その時に確認してみましょうか」


 その後、セレナルは火、水、風、土の魔気の特性を軽く教えていた。魔法は万能ではなく、それぞれの魔気によってできることが限られていて、その特性を持っていない属性を使ったところで、魔法は発動しない。例えば、水の魔気を使って、火を出すことができないことや、土の壁を立てるのに、風の魔気ではできないというわけだ。


「そして、二種類以上の魔気を合わせることで、相乗効果を生むこともできるのですが、それは魔法に慣れてから使いましょう。最悪、国が消し飛ぶ可能性もあるので」


 なかなか、怖いことを言っているが、冗談という風でもなく、二人は無理に魔法を使わないことを決意していた。国一つを爆破するなんてことは二人も望んでいない。そもそも、そんな爆発がこの国で興せば、二人も無事ではないのだ。


「ああ、でも、そこまで怯える必要はないですよ。爆発とは言っても、そこに魔気を大量の込めなければいいだけですから。それに自身の体内の魔気の量を把握できてないあなたたちにはそこまでの魔法は使わせませんから、安心してください」


 彼は爽やかな笑顔でそんなことを言っていた。


「では、外に出て魔法を使ってみましょうか」


 しばらく、座学をして、二人が疲れた顔をし始めたときにセレナルがそういった。




 王宮内の図書館から外に通じる扉を出て、中庭へ出た。中庭には植物が綺麗に花を咲かせていた。それが何の花かわからなかったが、綺麗であるのは間違いない。咲いている花も様々な色で、華やかだ。セレナルは中庭の通路を通って、別の部屋へと移動した。


 その部屋は、見た目には質素な作りに見えた。図書館や彼らが過ごしている部屋とは違い、壁は砂のようなレンガのみで構成されていて、地面は砂が敷かれている。部屋のドアも彼らが入ってきた場所のみだ。


「ここは魔法の実験室。そうはいっても、研究施設のものより大分、脆いのですが、まぁ、弱い魔法ならひどいことにはならないでしょうし、この壁も厚いので、他の部屋に影響はないように作られていますから、安心してください」


 セレナルはそう言っているが、見た目にはこの王宮の中でも一番脆そうな壁をしているため、二人は心配だった。

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