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力任せな悪 1

 龍樹がコスタたちを戦闘になり、コスタの仲間の一人が、彼に攻撃を仕掛ける。龍樹はそれを回避して相手の腕に触れた。触れた部分から、強力な風の圧力を出して、相手の腕を吹っ飛ばす。その威力に引っ張られて相手は体のバランスを崩した。バランスを崩した相手の下から土の柱を出現させた。相手がそれに対応してくると考えて、相手をその柱で上へと持ち上げる。勢いのついた状態で、柱の上昇を止めれば、相手の体が宙へと放り出されるというのは当然のことだろう。


 いきなり、宙へと放り出された相手は体をじたばたさせて、体制を整えようとしている。しかし、空中でそんなことができるはずもなく、彼は相手に向けて、八本の土の柱を出現させて、その柱を相手に向けて勢いよく移動する。最後には土の柱が相手の体を押しつぶしていく。柱を構成する土の魔気がこぼれて、黄色い粒子が飛び散った。そして、龍樹の魔法のイメージがなくなり、土の柱は全て、そこから消えた。最後に残った魔法を受けた男だけが、地面に落ちた。かなりの高さから落下したように見えるが、男は死ぬどころか、気絶することすらなかった。さすがに立ち上がるということはなかったが、呻きながら体を動かしているのだ。


(さすが、ファンタジー。この世界の人はかなり頑丈だな。俺や小鳥は元の世界の頑丈さのままだとすれば、魔法だけでなく、物理攻撃を受けるだけでも死ぬかもな)


 一撃でも受ければ、死ななくとも気絶くらいはするだろう。そして、気絶してしまえば、次に待っているのは死だろう。どう考えても、一撃も攻撃を受けるわけにはいかないのだ。


「てめぇ、魔法使いかよ。そんななりして」


「そうだ。まさか、怖気づいたとかいわねぇだろうな」


「いうわけねえだろ。だが、お前が魔術師だってわかれば、数で囲んで叩いてやるぜっ!」


 コスタがそういうのと、同時に他の男たちが散開して、彼を取り囲む。魔術師の弱点は魔法を使うのにイメージが必要である点だ。彼にはないが、詠唱を含む場合は、一対一で戦うのには相性が悪い。ましてや、一対多という状況であれば、さらに弱くなるだろう。イメージを辞しながら、状況を常に読み続けるのは難しい。


 相手の男たちがそれぞれに彼に近づいてくる。彼はそれに対処する様子を見せず、そのまま相手の接近を許した。そして、相手のコンビネーションを交えた拳での攻撃が飛んでくる。一撃目は腹を狙ってきていたが、それを土の壁を作って防御。他の方向から二撃目が飛んでくる。それを彼は軽く顔を動かして交わす。三撃目は足を狙った蹴りだったが、その足も土の壁を貫いて攻撃することはできなかった。それ以降も回避と土の壁を作って完璧に攻撃から身を守っていた。


(想像以上に弱いな。それにコスタはなぜ見てるだけなんだ。口だけのリーダーってわけじゃないだろうが)


 彼はしつこく攻撃を続ける男たちの対処が面倒くさくなっていた。彼の周りに土の壁だけではなく、彼の周囲に風の魔気が放出されていた。それらは彼の周囲に衝撃を飛ばした。彼の周りにいた男たちは当然、それに巻き込まれる。


「なっ……!」

「くそ……」

「くっ」


 男たちは彼から離れてしまった。すぐには近づくことができない。なぜなら、次の攻撃を警戒していたからだ。だが、彼の魔法相手に警戒するというのは握手だった。イメージが常に魔法を形成しているのだから、警戒する前に動かなければいけなかった。


「伏せろ!」


 コスタがそう叫んで、それに反応したのは二人。とっさに体を地面に添わせるように体を動かした。コスタの声に反応しきれなかった男二人は首から大量に出血していた。


 彼が使ったのは風の刃だ。風の魔気を刃の形にして相手にぶつける魔法。対象が一人でなかったため、複雑な軌道は取れず、身を低くするだけで回避できるが、彼の操る魔法の変化速度についてこれない人はその魔法に対処することができなかった。その結果、風の刃を回避することができずにその首を切ることになってしまった。


「くそ、おい! もはや生かしておけねェな! さっさと殺してやる!」


 コスタと共に、生き残っている男たちが動き始めた。先ほどの戦いでは本気を出していなかったようで、龍樹に先ほどよりも冷たい殺意を放っている。絶対に殺してやるという強い意志が彼に向けられていた。


「ははは、今更キレても遅いんだよ!」


 彼は大声を出して、その冷たい殺意をはねのける。相手も素手で戦うつもりはないようで、拳には長い金属の爪のついた武器を握っていた。どこに隠していたのか、残りの三人の男たちも斧や大剣、片手剣を両手に持っていた。その凶器を持った男たちが彼に向かっていく。

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