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騎士&付き人VS古い悪魔 4

 悪魔の魔法と言葉を聞きながら、彼は風の魔気を使った単純な刃を飛ばした。たったそれだけで、土の塊を真っ二つにした。その後に風の刃が真っ二つになっている土の塊の中を駆け回る。さらに土の塊を細かく裁断して、土の塊は粒子へと変わった。その様子を見て、悪魔も悪露どいていた。その表情はあまり変わらないが、人間がその魔法を壊せるとは思わなかったのだ。


「流石ですね。ですが、かなりの魔気を消耗しているのでは――」


 彼が言葉を止めた。その理由は悪魔の視界の中にあった。彼は人間以上に、その生物が現在持っている魔気の量を見ることができた。その量が今の魔法を使ってもなお、魔気の量が変わっていないのだ。だからこそ、彼を煽ろうとしても、その言葉が続かなかったのだ。


「どうしたんだ? 古い悪魔さん」


 敵の言葉が止まったことで、相手の予想外のことが起こっていることはすぐに理解できた。そして、プライドが高いことは明かで、彼は挑発するようにそういった。悪魔はその言葉に頭に血が上りそうになるが、すぐに落ち着いた様子に戻った。


「貴方はそこらの人間とは本当に違うというわけですか。この国の人間だけではなく、明らかに異質ですね。ここまでの魔気を保有している人間は他に見たことがありませんでした。私も油断しすぎていたようです。ここからは多少本気で戦いますので、光栄に思ってください」


「口を動かしてばかりで、勝つ気がないように見えるが?」


 彼は悪魔を挑発するように話しているが、悪魔に怒った様子がなく、むしろ彼の挑発に言葉を返す。


「そうですね。では、次の攻撃を食らわせてあげましょう。感謝してくださいね」


 先ほどの土の塊を再度出現させたかと思えば、その土の塊が形を変えた。土が柱状になり、その先端が鋭く尖った。その柱が、彼の方へと向かって動き出した。彼はその土の塊を先ほどと同じように風の魔気を使って刃を出して、柱を切り刻む。しかし、その大部分が魔気に戻ったのだが、その先端の身が魔気にならずに彼の方へと飛んでいく。彼はそれが視界に入っているため、彼は風の刃をさらに作り出してその土の小さな塊を切り刻んだ。


「一つ一つでは、物足りませんか。まだまだ、私の魔気は尽きませんから、もっと食らわせてあげましょう。まずはこんなものはどうでしょう」


 悪魔の右手に火が出現して、左の手に薄緑色の風が渦巻く。その手を自身の真ん中に持っていき、その二つを合わせるようにした。そして、その手を龍樹の方へと向けあ。その瞬間に、火が勢いを増して燃え盛り、火炎が彼を襲おうとしていた。しかし、彼は自身の前には滝のような水のカーテンを出現させた。火はそれ以上前に進むことはできず、火炎は水によって自然の魔気に代わる。


 悪魔はそれからも、一つずつ魔法を披露する。その全ての攻撃を彼は簡単に防御していた。単純な化学現象であれば、その対処法は高校生程度の知識さえあれば、解決できることだろう。しかし、この世界の人のはその現象を理解することはできない。この魔法の応酬の初めの方は理解できたが、悪魔の使う魔法が強くなると、その現象を理解していなかった。そのせいで、騎士たちも援護は一つもできなかったし、ベルシャインも何が起きているのか理解できなかった。さらに魔法が素早いせいで、小鳥も何が起きているのかはわからなかった。


「これでも私についてくるとはいよいよ化け物ですね。私と同じですよ、喜びなさい。しかし、ここからは貴方でもついてくることはできませんよ」


 敵は空中で身を屈めてどこかに飛ぼうとしていた。それは逃げるわけではなく、明らかに自分のところに近づこうとしている動きだ。彼がそれを認識したときには既に相手は動いている。そして、悪魔が龍樹の懐に入り、掌を彼の腹の辺りに置いた。その掌から風の魔気を利用した衝撃が発生していた。悪魔は、龍樹の使った、自分を吹っ飛ばした魔法だけは理解していて、それを彼に当て返そうとしていた。敵の掌で衝撃が彼の腹にぶつかった。


 彼はそれを理解していて、一切回避しようともしなかった。彼は自身の腹にその衝撃が触れているのを感じていたが、彼自身にはその攻撃が当たっていることはなかった。彼を守る風の膜が、その衝撃はほぼ後ろに流れていた。悪魔は自身の攻撃が効いていないことを理解すると同時に彼から離れた。彼に反撃される隙を与えないためだったが、彼にはそもそも反撃するつもりは全くなかった。だが、既に悪魔は気が付いてしまっている。彼が自分に反撃すれば、それだけでダメージを追うことになる。さらに今の距離で魔法を使われれば、大怪我を負うことを理解していた。

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