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騎士&付き人VS古い悪魔 1

 龍樹たちが、王宮の門に到着すると、彼らの目の前で騎士たちが一人の男性と戦っていた。その男性は明かに他の人間とは違った。違うというのは動きやその速度、見た目も彼らとは全く違うということであった。そして、龍樹もその敵が今まで戦ってきた者たちはとは比べ物にならない実力を持っていることはすぐにわかった。


 騎士たちがその敵と戦っているのだが、彼らの実力では全く歯が立たないようで、明らかに相手が手加減してもなお、ぎりぎり押されているような状況だった。騎士たちはそれでも、その敵に果敢に向かって言っているが、騎士を殺さずにぎりぎり生き残るように攻撃している。即死しないとなれば、怪我をしていない騎士はその騎士を戦闘している場所から遠ざけて回復しようとするのを彼は理解していた。死んでしまえば、彼らはこの戦闘が終わるまでは放置するかもしれないが、大けがをしているだけで、生きているなら回復せざるを得ないのだろう。それが感情によるものなのか、そういう規則なのかまでは、悪魔は知らないことであり、彼らがそうする理由も理解できなかった。理論では理解できるが、彼の中では非効率的で、回復するより敵にダメージを与える方を優先するべきだと考えているのだ。


 悪魔は騎士の相手をしながら、彼らより強い者が近くに来るのを感じていた。一般人は絶対にしないはずの自身の魔気をあたりに放出しながら移動する人間を彼は見たことがなかった。そうしない理由は、簡単で魔気が体内からなくなれば、死んでいしまうからだ。自身の魔気を、魔法に変換しないで放出する人間は馬鹿だと言わざるを得ない。自殺に近い行為になるだろう。悪魔はそれを理解しているが、今、近くでそれをしている馬鹿が近くにいるということだ。そして、それが本当に馬鹿なのか、人間とは比べ物にならない実力を持っている者なのか、悪魔はそれを考えるだけで、わくわくしていた。騎士との戦いもおざなりになっているのにも関わらず、騎士たちは傷一つ、髪を乱すことさえできなかった。


 そして、その圧倒的な魔気を持った人間はそこにいた。彼の視界に入る彼は、本当に彼自身の魔気を放出していた。彼の視線が自分を捕らえていることを理解して、自分から攻撃しようと思ったが、騎士たちの連携の中には逃げるだけの隙は無い。防御と回避はできるが、その場所から逃げるための隙間はなかったのだ。その場所から逃げようとして、初めて騎士たちの本当の目的を理解した気がした。逃げることができないほどの包囲を用意して、その数の差で相手の消耗を待つ。同じ人間ならそれだけで敵が消耗するのは間違いない。逃がさないという技術を彼らが持っていることに気が付くことができたのは、悪魔にとってはいいことであった。しかし、騎士との実力は圧倒的な差がある。つまりは、それだけの包囲網も悪魔が逃げるために少し手加減をやめることで騎士たちが包囲できなくなるということである。


「素晴らしい。馬鹿にしていましたが、まさか逃げることはできないとは。これは私が、悪魔出なければ逃げることはできませんね」


 彼がそう呟きながら、その言葉は誰にも届いていない。彼を中心に小規模な竜巻が起きて、騎士は悪魔に近づけなくなる。竜巻がなくなるとその瞬間に騎士たちが切りかかろうとするより速く、悪魔が龍樹に近づく。空中を移動して騎士たちは悪魔をすぐに止めることはできなかった。そして、悪魔の手が龍樹の胸を貫こうとしていた。


 悪魔はこの国の人間とは思えないほどの実力のありそうな者を前にして、その実力を試さずにはいられなかったのだ。そして、もしそれが見当違いの者であっても、龍樹は心を痛めることなどない。彼が死んでしまっても、その程度の人間だったと思う だけだ。


 龍樹は目には見えていなかったが、何かが近づいてきたのは、放出していた魔気が感知していた。そして、それと同時に自身の周りに、風の魔気で膜を作った。魔法は簡単に通るが、物理攻撃の衝撃をすべて吸収するという魔法だった。悪魔は自身の指を四本そろえた手が何かを貫通した感触がないことに驚いていた。自分の攻撃が全く効果がなかったということはなかったからだ。その予想外のことが起きたために、悪魔はすぐに身を引こうとはしなかった。


「いきなりだな」


 今、手を突き刺そうとした相手の声が耳元でした。悪魔はそれを聞いた瞬間、体が何かに吹っ飛ばされた。胴体の辺りを何かで強く打たれたような感触が腹に残りながら、後ろに吹っ飛ぶ。騎士たちの方へと飛び、再びその中央で、くるりと回って地面に足を付いた。

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