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騎士VS古い悪魔 4

 ベルシャインとベアトリスは学園から王宮に帰ってきていた。彼らは正門から帰るわけではなく、学園から直接王宮の中に入ることができる道を歩いていく。王族関係者以外は利用できない扉が付いており、それを通って王宮の中に入った。その際に、門の方が何か騒がしいのがわかった。ベルシャインはその騒がしい門の方に近づいて、何が行われているのかを確認しようとした。しかし、騎士たちが目視できるくらいに近づいたところで、それだけの騎士が門を守っていることにも驚いていたが、それ以上に、その中央にいる者が騎士に物怖じもせずに、戦っているのだ。騎士たちの攻撃に、回避と防御を続けている。たまに騎士たちの反撃をしているが、それが全力でないどころか、確実に手加減に手加減を重ねているというのがわかった。大人が赤ん坊の相手をするときのような、それくらいの力量の差があるのは彼の目から見てもわかった。そして、騎士たちが全力で戦っているのもわかっていた。


「あれは、なんだ。とにかく、王に確認するしかない。ベアトリス、行こう」


 二人は王宮の中に戻り、王がいる執務室にノックをしてはいった。彼が帰ってきたことを理解して、王は立ち上がる。そして、二人に入れと声をかけたところで、ベルシャインが部屋の中に入った。


「騎士が王宮の門のところで戦っていた者は誰でしょうか」


「……ああ、見てしまったのか。……あれは、そうだな。古い悪魔だ。おそらく、ギブラッドがあれを復活させてしまった」


 王はこの状況がこの国が傾くほどのことだと理解していて、騎士たちに任せて入る。いざとなれば、逃げるしかないが、市民たちを見殺しにすることはできない。騎士たちが悪魔を止めることができなければ、最後には聖女と付き人である二人に頼もうと考えているが、それまでは二人に危害が加わることがないようにしたいと思っていた。幸いにも二人の居場所はいつも図書館にいるため、呼ぶならばすぐに呼ぶことができるだろうと考えていた。


「あれが、古い悪魔……。龍樹と小鳥はどこに?」


「今はおそらく、図書館にいるはずだ。彼らに頼るのは最後の手段だ……。わかっているな?」


「そんなことを言っている場合ではありません。このままでは、騎士は全滅して、二人は援護もなしに戦うことになりますよ」


「それでも、二人に頼るのは騎士が全滅してからだ」


「……王である貴方がそういう判断をされるのは結構。だけど、私は私の考えで動きます。それでいいですね」


 ベルシャインは声だけは落ち着いていたが、その声には怒りが込められていた。このままでは、騎士は全滅して、龍樹と小鳥も援護なしでは戦えないだろう。小鳥に関してはまだ戦う技術があるのかすらわからない。魔法の勉強はしているのは知っているが、それが戦闘に使えるほどの実力になっているのかは全く分からない。だが、騎士たちの援護があれば、龍樹も魔法が使いやすくなるかもしれない。今、彼を呼べば、一人で戦うよりもあの悪魔に勝つ確率が上がるだろう。それならば、今彼に戦ってもらわなくてはならないと、彼は考えていた。


 ベルシャインは彼に力を貸してもらおうと考えているが、ベアトリスは王の考えていることも少しは理解できた。騎士たちのプライドも考慮しているのと、龍樹の戦闘方法を考えれば、周りに人がいない方がいいからだろう。魔法はどうしても広範囲に効果がある。全力で魔法を使って戦闘をするのであれば、あれだけの騎士の数は邪魔になるだけだろう。騎士は騎士のメンツを保ったまま死に、そのあとに多少消耗しているであろう悪魔を龍樹が攻撃する。そうするのが、王にとっては一番いい結果というわけだろう。騎士たちだって、自分たちの命を賭けているのに、龍樹からの攻撃に当たり戦線から離れるなんて馬鹿なことにはなりたくないだろう。だが、彼女の意見は、ベルシャイン寄りだった。たとえ、プライドや矜持に傷が入っても、命があれば、次のチャンスもできるだろう。彼らには家族だっているはずだ。家族だって、騎士である以上は、その人が死ぬのを覚悟はしているだろう。だが、それでも生き残っていた方がいいのは間違いない。


わたくしも微力ながらお手伝いします。小鳥さんは私が守りますから」


「ああ、騎士たちも守ろう。死ななければ、名誉を挽回することもできる。死んでしまえば、それで終わりだから」


 二人は図書館へと急ぐ。その間に、ファベルとすれ違った。彼女は王宮の職員を町の方へと非難させ終わったことを王へと伝えに行くところだったようで、ベルシャインは彼女に事情を説明すると、王への報告が終われば、合流することを約束してくれた。彼女はいれば、小鳥もより安全に守ることができると、彼はさらに決意を固くする。

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