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今でもずっと死にたいあなたへ  作者: 世界の大やん
4章 3人目 引きこもり女は来ない明日を夢見る
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被虐君④

僕がまず一番に思う事。


良くある虐められる方にも原因があるという人は虐めの本質を50%しか理解していないのだ。


だから虐められている方にも原因があると思い込んでいる。


本当にヤバイ奴はたとえ目立った行動をしていなくても、誰が相手でも関係なく自殺まで追い込もうとして来る。


もはやそれは殺人の領域だし、心がグチャグチャになるそれは通り魔よりもタチが悪い。


外国では虐める奴の方が精神が異常なんじゃないかと心理療法を用いるらしい。


実際僕も身に沁みてそう思う。


何故虐めるのかを尋ねた時に返って来た答えが「お前が生きているのがむかつく」「虐めたいから虐めてるんだよ」と返って来た時に僕にはもう為す術が無かった。そういう悪魔が本当に存在するのだ。



中学校に上がると自分達の小学校だけではなく他の小学校からも人が集まって来る。


人が多い所は必然に悪い奴も増えて来る。そもそも千葉という場所は本当に治安の悪い所だった。


信じられないと思うかもしれないが僕の中学校は窓ガラスが頻繁に割れすぎて、もはやガラスではなくプラスチックを枠にはめているだけだった。それすらも壊されてベニヤ板や新聞紙が貼ってあるだけになっている。新しく付ける度に来る窓ガラスアレルギーの馬鹿達が壊して回るからそうするより他は無い。


廊下に走るなと張り紙がある。その廊下を二人乗りのバイクが走って後ろを先生が走って追いかけている。


移動授業の度に階段の踊り場や廊下でキャッチの様にこちらを睨んでいる人達が居る。誰も目を合わせられないしピタッと喋るのを辞める。気に障ったら終わりだからだ。


他校の中学生が当たり前の様に校内に居る。ここは本当に中学校なのか?



表向きは夢と魔法の国と言っているがそれはリアルなお金でフィクションの夢を時間限定で買える地域限定の所だけだ。


僕は目立たない様にしようと考えていた。思えば今までは人の目に多く映ったから攻撃される対象になったのかもしれない。


それでも野球は好きだったから、、、リスクは有ったが野球部に入った。



同期には習い事の野球の時の仲間が居た。僕を馬鹿にしている人間しか居ない。


そして全く見ない違う小学校から来た人間達。いや悪魔だった。


「宜しくね○○君。」


中学1年生にして180近い身長があったその男は笑顔が特徴的な人間だった。



僕が此処に入ってもやる事は変わらない。僕は左腕では投げられ無いが、右腕はまだ投げられた。


野球には代打や代走というシステムもある。せめてそこだけでも活躍したいと夢を描いていた。


野球部の顧問には自分の内情を話した。


「大丈夫だ。俺も同じ様に肩を壊してボールを投げられなくなった。だからお前の気持ちは分かるよ。それでも試合に出るチャンスはあるかもしれないぞ。どんなに辛くとも頑張った先にはきっと将来にプラスになる。頑張れよ」


どんなに辛くとも試合に出られるかもしれない。せめてもう一回だけでもフィールドに立ちたい。



体育会系の部活は先輩が絶対だった。


それは何処も変わらないかもしれないが、此処では一つのミスでボールを顔面に思い切り投げつけられる。


ボールが身体に当たる事は野球に於いて何もおかしくは無いからだ。


辛い事しか無かった。2年生の先輩達は僕達を奴隷としか見ていない。


だが先輩達も同じ様に教わった事を繰り返しているだけに過ぎないのだろうと3年生の先輩を見て納得した。


それでも社会はこういうモノなのだと半年間は耐えていた。


同じ様に辛い目に遭っている同期には絆が出来ていたのかもしれない。


先輩達が居ない所で不満を言い合っていた。僕は角を立てなくなかったので相槌を打つようにしていた。




後日部室に僕が呼び出される。


部室は1年生には入れないからどんな所なのか想像も付かないし僕は此処でもスコアラーをしながら練習をしていた関係上、先輩達とは他の同期よりも話す機会が多かった。


何かやって欲しい事があるのかな?


ドアを2回ノックし「失礼致します。一年の○○です。遅くなり申し訳ありません」


「入れ」


ドアを開ける。


狭い部室で先輩達が座りながら此方を見ている。全員が見ている。


一番ドアの近くに居た先輩が何も言わずにドアの鍵を閉め僕を真ん中に押す。


夏なのに冷たい汗が止まらない。バットを片手にキャプテンが話し掛ける。


「ここに来た理由が分かるか?」


「申し訳ありません。自分には分からないです」


「ハァー残念だよ」僕の肩に手を置く。


何も意識していない状態で腹を思い切り殴られる。


「ぐっ!?」


倒れこんだ先の先輩に顔を蹴られる。


僕を囲むようにして先輩達が集まり倒れこんでいる僕を殴り、蹴り上げる。


僕は四方からいつ来るか分からない攻撃がただ怖かった。


「ネタは割れてんだよ。お前俺達の悪口言ってるらしいじゃねえか?」


そんな事は言ってない!


「自分はそんな事言ってないです。本当です!」


バットを喉に押し込められ体重を掛けられる。アヒルの様な悲鳴を上げる。


口を塞がれ、携帯電話を耳元に置かれる。


「ほら証拠だよ」


僕が相槌を打った所だけ録音されていた。


「これお前の声だろ?違うか?」


「あ。あぁ。」何も言えなかった。嵌められていたのだ。


「申し訳ありませんでした。でもここに居たのは俺だけじゃないです」


殴られながら話した。不満を皆が言っていた事。僕はただ相槌を打っていた事。録音されているのが自分だけの声だった事。


気が付くと僕は全裸で土下座させられ写真を撮られていた。


「反省した顔をしろよ」、「犬みたいにチンチンのポーズしながらチンコ見せろよ」、「クソ笑えるわ。彼女に写真送るわ」、「何笑ってんだよ」、「おい笑えよ」、「これを誰かに言ったらどうなるか分かるよな?」、「コイツ生きてる価値無さ過ぎて笑えるわ」、「部活辞めさせねえからな。辞めたらこの写真ばら撒いてやる。ていうかその前にお前を殺してやるよ。」、、、


僕が部室を出て同期達の所に戻ると悪魔が嬉しそうに僕を見て笑っていた。


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