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今でもずっと死にたいあなたへ  作者: 世界の大やん
4章 3人目 引きこもり女は来ない明日を夢見る
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陰気ちゃん⑤

小学校5年生になった。身体も第二次性徴期を迎え、乳房も発達し、遠目からでも女子と判別出来る程に大きくなっていた。


平均よりも大きい胸は、人の目が集まるので嫌で嫌で堪らなかった。


腋毛や陰毛も生え始めた頃だった。毛に対する羞恥心や周りからの目を余計に気にする事になった。


腕に生えている毛や脛に生えている毛を毎日剃っていた。


気になる事は幾らでもある。口臭も臭いと思われたくないからブレスケアをいつもしていたし、体臭も強くなっていたから、汗や肌のケアを欠かさずにやる。


全ては嫌われたくない一心だった。やっと手に入れた場所なのだ。絶対に放したくはない。


少しでも注目を浴びる火種を抑える為である。


女友達は出来なかったが、男友達は何故かどんどん出来た。


今になっても理解出来ないが、子供の頃は同姓と仲良くしないと弾かれる。


社会ではそんな事は無く、寧ろ異性と仲良くなりたいと思うのが正常だろう。


男子は女子と一緒に居る男子を馬鹿にし、女子は男子と一緒に居る女子を良く思わない。


但し、男子はカッコイイだったり、凄いと思う事に関しては男女の垣根を壊す。


私は何故か男子の羨望の的になっていた。


ソレが気に食わなかったのだろう。


「はぁ?何言ってんだよお前?」


私は動けない。またこの時間が来たかと思うと身体は動かない。


空襲が過ぎ去るのを待つしかない兵士の様に息もせずに縮こまる。


「この子から聞いたのよ。コイツはこども園の頃に彼方此方にゲロをばら撒いていたのよ。汚い」


ゲロを被った少女と目が合った。少女はすぐさま目線を外し、青い顔になり申し訳なさそうな顔をする。


そんな風に後悔するなら初めから言わなければ良いのに。


「○○さんのそんな話信じられるかよ。違うよな○○さん」


「・・・」


私は動けないのだ。こういう時に、もう何度も身に沁みた。


「○○さん、どうして」


予鈴が鳴り皆が席に着く。私は泣かないと決めた。弱い自分を見せて周りを喜ばせたくない。


隣の子が怪しい動きを見せている。


私に気付かれない様に、後ろの席から何か紙を受け取っている。


そしてにやっと笑うと何か言葉を付け足して違う席の子に投げている。


私に来る事は無かった。勉強に集中した。


給食の時間。私はいつの間にか多くのご飯を食べられるように成長していた。


もしかしたら私の身体の発達の早さはちゃんと栄養を取っていた事に起因するかもしれない。


小学生の内は唯一女子が男子に身体の大きさで勝てる瞬間なのだから負ける訳がない。私は高くなりつつある身長も怖かった。


給食終わり。いつもと180°違う景色が広がっていた。




私の食べ終えた食器を触って他の人に擦り付けている様に見えた。


私は何が起きているのか分からず突っ立っていた。


「〇〇菌付けたぞ。逃げろー」


〇〇菌?なんだソレは?私の名前が付いているという事は世紀の発見を私がしたのか。


「ふざけんな自分から始めた癖に逃げるんじゃねえー」


それは一体何なんだ。


「きゃあ辞めてよ!私に付けないでよー。汚い」


汚くなんかない。私は人一倍気を使って・・・


「てめえ良くもやりやがったな!こうなったら最終奥義、食べてたスプーンに直接触ってパワーを何倍にもする」


私の使っていたスプーンをがっつりと触り、誰かに擦り付ける。そんなの誰だって嫌だ。


「辞めろよ!〇〇さんはばい菌じゃねえ!」


私に一番初めに話し掛けてくれた子だ。


「良い子ぶってんじゃねえよ。そのゲロ女が好きなのか?」


「ふざけんな。そんな訳ねえだろ!」


そんなに強く否定しなくても、、、


私を庇う様に前に立っていた男の子は誰かに突き飛ばされ私に触れる。


「痛っ!あ、悪い大丈夫か」


ゆっくりと頷く私。


「うわっ。○○も感染したぞー逃げろ」


「何言ってんだよ。こんなバカみたいな真似止めろよ。なぁ○○」


仲が良かった友達に話し掛けるが友達は逃げていく。


「おい、お前ら一体どうしたんだよ。おい!」


追い掛ける男の子、逃げるクラスメイト。ただ観客の様に見ているだけの私。



家に帰った私は風呂場で自分の身体を何度も擦った。


「私は汚くない。汚くない。私は汚くなんかないっ!」


何度も擦る内に赤味を帯びた肌はやがて耐え切れずに傷となり血が滴り落ちる。


「おっ!〇〇帰ってたのかぁー気付かなかったわ」


誰よりも汚い男がワザとらしく浴室にタオルで前も隠さずに入ってくる。


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