お正月SS
SSだと思った?
SSでした!
今話は現在本編には一切関係ございません、ホントに、正月だからってだけの代物ですので
1月1日、AM10:00
「メンテ?」
怪訝そうに問う彼に彼女は妖艶に答える、その内容は今日、正午からメンテナンスが入るというもの、極めて珍しいことにこの世界が閉じられる規模のメンテナンスが行われるのだ。
そして彼女は「それでね」と続ける。
「この後、一緒にお参りへ行かないかしら?」
微笑み、そう尋ねる彼女の眼差しは、不安に揺れ、外面の妖艶さと内面の初心さを表しているようで…
「……分かったよ、どこ?」
既に魅了されきってしまっている彼にそこから抗う術など、一切無いのであった。
◆◇◆◇◆◇
「お待たせ、待った?」
「いいや、行こうか」
短く言葉を交わし自然に取られた手とそれに従って歩く彼女らは先ほどまで「魔導の司」と「幻想弓士」として言葉を交わした二人組。
傾国とも称された妖艶さを鮮やかな朱い振袖とともに纏う彼女、ともに歩くのはともすれば幼く見える容姿とそれを掻き消す雰囲気を纏う少年、こちらは普段の装いにウール地のPコートを羽織っただけであった。
「……まぁその、とても似合ってるよ、綺麗だ」
暫く歩き、そろそろ神社が見えてくるかという頃、エスコートしていた彼はようやく口にした。
「ふふっ、ありがとう、いつまでも何も言わないから不安になっちゃってたわ」
なんと表そうか戸惑い、やっとの思いで口にした言葉も軽く流され、少し拗ねて見せる彼は赤く染まった彼女の頬を見ることなく、ただ握った手に、より強い力を込められた事を感じるだけであった。
◆◇◆◇◆◇
「ありがとう、楽しかったわ、じゃあ、また後でね」
「…うん、いつもの場所で待ってるから」
別れを告げ、それぞれは自宅へ帰っていく、先ほどまでの甘やかで濃密な時間を思い出しながら。
◆◇◆◇◆◇
「お待たせ」
「別に待ってないさ、じゃあ、始めようか」
「そうね、じゃあ、開けましょうか」
少し顔を見合せ、どちらともなくインベントリからそれを取り出す、未だに「確実に出るところを間違えた」と言われるかのモンスターを倒した報酬、何度もその内容を巡り議論が交わされたもののその答えは結局示されること無く、過疎の道を免れなかった。
アイテムを手に取り、袋の口を開ける、その取り出された中身は…
「魔儀書?」
彼女が得たのは魔儀書[Requiescat in pace]、日本語に直すなら[死者よ、安らかに眠りたまえ]、となるだろうか。
煩雑な手順、大量の触媒、莫大な時間を必要とする魔儀を封じ込めた魔儀書は紛れもなく切り札となりうる存在であった。
「えっと、こっちは…秘伝か」
彼が得たのは秘伝『憧憬神槍』、その神槍に伝説は無く、ただ遥かなる憧れだけがあった、どれほど名をあげようとも、それは偽物でしか無かった。
「どうだった?」
「いや、性能は見てないけど、フレーバーテキストが重たすぎてあんまり使う気になれないというか」
「そうなの?あなたはいつも性能にしか興味無いと思ってたわ」
「確かにあまり気にしないけど、だからといって情報の力を舐めたことは無いよ」
「それは……そう、でも使うときは間違わないでね、あなたに限ってそれは無いと思うけど」
「そんな無条件に信頼されても困るけどね、それでそっちはどうだったの?」
「ふふ、見てのお楽しみってところかしらね」
「そうかい、それならそれで良いけど」
彼ら二人だけの時間は、ゆっくりと、流れていく。
◆◇◆◇◆◇
[Requiescat in pace] 魔儀
フィールド内のアンデッド全てを浄化し消し去る。
指定された対象全てに『死の波動』判定を行う。
敵性対象全てを強制的に恐怖状態にする。
黒魔儀の型伍式に則ることで発動する。
『死の波動』
対象に15回の即死判定を行う、判定の成功率は50%から累乗されていく。
『憧憬神槍』妖術秘伝 消費MP500
詠唱省略不可
極大威力の雷槍を撃ち出す
装備の耐久度を80%消費する、消費に耐えきれず装備が破損した場合『憧憬神槍』は失敗する
最大100回の雷属性追加ダメージが発生する
「今ここに希う、届かぬ夢に手を伸ばす者、遥か遠く、高くに憧れ抱く者より、希う、雷艇は我が手に在らず、ただ憧れのみが残りしや……憧憬は砕けず只ひたすらに手を伸ばす、故にこの手に栄光を、我が憧憬の前に障害は無く、悪意はただ打ち砕かれるのみ」
正月感薄いって?このネタの先出しオンパレードがお年玉代わりだよチクショウっ




