英雄集えり、次代を告げるは爆雷の砲4
残酷描写が保険で終わらなかった…だと?
苦手な方は騎士による『ハウル』で読むのを止めておいたほうが良いかと…
place:第1回イベント特設マップ
「『風刃』」
開戦の合図は魔術師の放つ魔法だった、『風刃』は威力はそれほど出ないものの極端にクールタイムが短く、連射による弾幕や牽制に適した呪文と言えた。『風刃』が飛ぶのに合わせ剣士と暴漢が左右に分かれて襲ってくる、逃げ場のない事を見てとると潤は短剣を抜き放ち剣士に向かって自ら突っ込んで行った。
予想外の出来事に驚き咄嗟に振られた剣を潜り抜け鎧の隙間を切りつける。大したダメージにはならないもののヒットストップ判定こそを重要視し後衛の元へ駆けて行く、勝利条件は離脱、位置関係を入れ替えるだけでもベター、追いつかれ一撃でも貰えばそのまま斬られるだろう。故に走る、『火炎嵐』で仕留めるにしろ『凍結矢』で足止めするにしろ近すぎる上に神官と魔術師が厄介だった。
「『風刃』『風刃』『風刃』っ」
魔術師による足止めの為の弾幕がはられる、地面を滑るように躱し前へ、前へ、前へ。
滑り込んだそのままの姿勢から跳び、魔術師の喉を切り裂き、そのまま走り抜ける。短剣を鞘にしまい改めて弓を取り出し、射手座の導きを確かめもせず矢を放つ、振り向きざまの不安定姿勢からバックステップで後ろに下がろうとするがそこに騎士が立ちはだかった。
「『ハウル』っ」
騎士のスキルにより他のプレイヤーへの命中率に著しくマイナス判定がくだされ、実質的に騎士を狙うしか現状の打破は出来なくなった…
道は繋がり、射線は通った、後は引き絞った矢を放ち、仕留めるだけ。その光景までもを幻視した潤は、密かに笑みを浮かべ、勝利を確信する愚か者を見据え、その矢を放った。
「『水裂矢』」
その矢は狙い誤たず対象を貫き……
神官の首を切り裂いた。
「ちいっ、何故だっユミルっ」
「このってめぇっ」
「『凍結矢』」
動揺する騎士を捨ておき、激昂してこちらへ走って来る剣士の様子を視界に収めながらも神官の首から噴き出す赤いエフェクトに対して『凍結矢』を使用し、血の散弾と化したそれを咄嗟に駆け寄った暴漢と斥候に見舞う、怒りで大振りになる剣を軽々と避けながらも『炎熱矢』を騎士の鎧の隙間に打ち込む、瞬く間に高温になりそれ自体がダメージリソースと鎧がなる中、最後に残った剣士を見据える。今や形成は完全に逆転していた。
「『盲目矢』、『嵐矢』、『凍結矢』」
今にもこちらを呑み込まんとする山火事を視界の端に見てとった潤は多少不格好に転がり剣士から距離を取ると一息にスキルを載せた矢を放ち、剣士の動きを止めた、山火事に呑まれるかカマイタチに切り刻まれてHPを全損させる事だろうと潤は剣士に背中を向け全力で山から離脱した。
命中率にマイナス補正がかかってもACUが高すぎると普通に当たります、ほぼ極振りの10倍を魔法職程度が避けられるはずがありません。




