自己紹介ですか?
今回はちょっと長めです。
ああ、展開を変えた瞬間訪れる何百字と消す絶望、出来るだけ無いようにしたいものです
place:始まり町、ノルン
今日も今日とて町の情報掲示板から始めることにした潤、まずは次の都市の場所を調べ、そこまでの注意する点や必要になるアイテムを確認していく。
「宿泊アイテム、かぁ」
それは町の外など、モンスターが行き交う危険な地帯に於いても安全にログアウト出来るというアイテム、アイテムのランクによって同時に利用出来る人数や使える総回数が決まっていた。
ふと思いつきフレンドウインドウから唯一のフレンドを呼び出し、コールする。
「どうした?」
「ああ椿、今回は各自のアイテムはそれぞれで準備で良いんだよね?」
「そうだな、それぞれが普段動いてる単位で準備しているはずだけど…どうしたんだい?」
「いや、一応、確認しときたかっただけだから」
「そうか、じゃあ、また後でな」
「うん、またね」
そう言ってコールを切断し潤は町の南区画、冒険に役立つアイテムが豊富に取り揃えられているそこへ足を向けた。
◆◇◆◇◆◇
place:始まりの町、ノルン:西門
そしてそれからしばらくの時間が経ち、集合時刻の15分程前に潤は西門に到着した、今回購入したのは宿泊アイテムの一種である[安らげる丈夫なテント]、1人しか使えない代わりにHPを回復するテントやロープ、大ぶりのナイフなど、サバイバルに必要なものと、いつの間にか貯まっていたSP、スキルポイントを利用してとあるスキルを購入していた。
「あ、おーい」
手を振りながら見つけた椿の方へ駆け寄っていく潤、椿の周りには既に4人程のプレイヤーが立っており、まだ来ていないのは1人だけであった。
集まっている4人の内、3人は固まって何かを話しており、こちらを見向きもしなかった。残りの1人は腕を組んで立っており、こちらに向けて小さく目礼をしてきたのでこちらも小さく会釈を返す、どうやら今回の臨時パーティーの内約はソロが3人と小パーティーが3人であるようだ、恐らく椿がバランスを取るためにそうしたのだろう。
それから15分程が経ち、集合時刻ギリギリになって漸く最後の1人が姿を現した、漂う空気は傲慢、確かにソロであることを納得させるような佇まいをしていた。
「よし、全員集まったようだね、初めましての奴もしょっちゅう会う奴もこんにちは、あたしが椿、[鎧鍛冶]の椿なんて呼ぶ奴も居るけどね」
そう言って椿はぐるりと全員を見回すと満足したように続ける。
「あたしからは何も言わないよ、別に子どものお守りをする訳じゃ無いんだからねじゃあアイテムの配分をするから、受け取りに来な」
椿がそう言うと真っ先に動いたのはさっきからずっとそわそわとしていた潤だった、ぴょんと跳ねるような動きで椿の前に出ると、両手を揃えて前に差し出し、椿にアイテムをねだった。
その後も順番に全員がアイテムを受け取り、椿が最後とばかりに口を開く。
「じゃあ、あたしは戻るから、ここからはあんたらだけでやっとくれ、商魂都市:ボッタクルに着いたら連絡をしてくれ、アドバイスとしてはまずはお互いに自己紹介でもしとくことだね」
そこまで言うと椿はそそくさと踵を返し、町へ戻って行った、残ったのは呆気に取られた6人のプレイヤー達、誰からともなく輪になり、そして口を開く。
「僕は閏、戦闘でのポジションは後衛火力、普段は[索敵]を使って周囲を警戒して回るよ」
そう言って潤が口火を切れば
「ライナスだ、戦闘でのポジションはタンク、常に前に出て道を切り開こう」
1人だけ挨拶をしてくれた男が続き、
「ヒカルだ、戦闘でのポジションは前衛火力、普段からパーティーリーダーをしているから状況判断は任せて欲しい」
「エリータよ、戦闘でのポジションはヒーラー、普段は辺りの警戒をしているのだけど…今回は隠蔽に徹しようかしら」
「アリスよ、戦闘でのポジションは後衛火力、普段は、そうね、情報収集に徹しているわ」
小パーティーの面々が順番に告げる。そして、
「フン、シューインだ、火力職、戦闘以外では働かんぞ」
傲慢な男、シューインがそう言い切った。
「じゃあ、アリスと、閏さんは、戦闘のポジションが一緒だから、打ち合わせをしておいて欲しい、シューインさんは僕と、良いかな」
ヒカルが早速リーダーシップを発揮し音頭を取り始めた。
こいつら全然出発する気配ありませんね…まあ打ち合わせは大事ですが…何事においても




