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流れ落ちた色彩の世界で  作者: 海野そら
3/23

エピローグ

初投稿です。完結を目指して頑張ります。

 

 ───落ちる…



 落ちていく───




 どこまでか……

 底が 分からなくなるほど……





 ───深く、深く落ちていく





 *****


 あの日、立花鈴乃は大学が終わり、日が沈み始めた頃、家に向かって歩いて帰っていた。


 その日は昼過ぎから雨が降っており、講義の終わり時間が近付くにつれ、その雨足は激しくなっていった。



 帰る頃には道路は冠水し、ちらほらと姿の見える学生達もしばらくの間、帰るか、もう少し様子を見るか悩んでいるようだった。



 今のうちに帰るか悩むけど…待っていても雨はひどくなってきちゃったし。こんな雨じゃもう研究室にも誰もいないだろうな。びしょびしょに濡れるけど、諦めて帰ろう……。どうせ15分も歩いたら、家に着くんだし。


 家に着いたら、この間買った入浴剤使ってお風呂入ろう。



 家まで徒歩15分。3年前に一人暮らしを始めてから、何度も通っている道。

 そこを一人、憂鬱になっていく気持ちを感じながら、ふくらはぎの中程まで水に浸かりながら歩いていた。


 でもやっぱり雨…ひどいな。靴はとっくに浸水して足が気持ち悪いし、道路も水浸しだし…。泥水だから、足元もよく見えないな…。



 足首丈のカーキのチノパンも、白いレースのブラウスも裾の方は水を吸って肌に張り付く。


 せめてもの救いは、この間買ったパンプスではなく、朝、天気予報を見てスニーカーを選んだことだった。


 バシャバシャと水を蹴って、あまり役に立っていない傘をさしながら歩き、あと5分ほどで家に着くところまできた。


 大学を出る前、慌ててビニール袋に詰めた参考書やノートは果たして濡れていないだろうか。かなり怪しい。




 足元を気にしながら歩いていた。

 そのはずなのに、突然。



「うわっ……!いっ…!!」



 冠水した道路でたまたま蓋の空いていたマンホールを踏んでしまい、中へ落ちていく。

 150cmと周りと比較してもかなり背が低い分類に入り、かつ華奢な身体では、マンホールに嵌って引っかかるわけでもない。



 ただただ…中へと深く落ちていった────



短めだったかもしれません。

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