第10話 髪が抜け落ちても戦え!
幕ノ内常務は、ギラつく目で、こちらをたしなめながら、流暢に解説を始めた。
「リーマンショックにより、フィールド内の名刺に属する企業は、売り上げが40パーセントも落ち込み、リストラが発生する」
「お、俺が配置した、名刺の人間がみんな降格された!?」
前沢課長 残りライフポイント 2,699,000
三つ子物産 専務→課長 売り上げ 4,800,000円→3,000,000円
トニョタ 専務→部長 売り上げ 29,000,000円→19,000,000円(細かい数字はカット)
焦る気持ちを抑え、前沢課長は相手の手札を見て、冷静に意見する。
「そんなことをすれば、アンタの名刺も、同じことが起きるぞ?」
前沢課長の指摘を聞いた、幕ノ内常務は、底が深く、暗い井戸から這い出ようとする、怨霊のごとく、不気味な唸り声で返す。
「それが……どうした?」
今、目の前にいる男は、勝つことさえ出来れば、己の身すらも切り捨てる、鬼神と化していた。
「上司が……部下に負けるなど、あってはならん! 会社組織に置いて、そんな屈辱は、プライドが許さん!!」
今や、幕ノ内常務は、勝利に取り憑かれた鬼。
悪鬼羅刹か、魑魅魍魎か。
今の彼には、ありとあらゆる魔の存在が当てはまる。
幕ノ内常務 残りライフポイント 7,100,000
ソノー 社長→役員 前年度、売り上げ 8,000,000円→5,000,000円
ホンバ 社長→相談役 前年度、売り上げ 15,000,000円→9,400,000円(細かい数字はカット)
エイト&Lホールディングス 前年度、売り上げ 6,000,000円→3,800,000円(細かい数字はカット)
四田銀行 サポート名刺
男同士の、一歩も引かない、プライドのぶつかり合いは、フィールド内で阿鼻叫喚を形作り、コロシアムをより、白熱させた。
名刺交換が始まる。
攻撃:常務→課長
役職:ソノー役員>三つ子物産課長
三つ子物産課長、爆死。
ソノー - 三つ子物産 =ストレスダメージ
5,000,000円 - 3,000,000円 = 2,000,000円
課長のライフポイント - ストレスダメージ = 常務、残りライフポイント
2,699,000 - 2,000,000 = 699,000
攻撃:課長→常務
部長が、相談役に、部下の教育方針を相談。
役職:トニョタ部長<ホンバ相談役。
トニョタ部長、役職負けにより、爆死。
ストレスダメージ半減。
19,000,000→9500000
トニョタ - ホンバ = ストレスダメージ
9,500,000 - 9,400,000 = 100,000
常務のライフポイント - ストレスダメージ = 常務、残りライフポイント
7,100,000 - 1,000,000 = 6,100,000