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3分の1~あの夏を目指して~  作者: 一般人々
1章 一年生夏編
7/9

vs レギュラー2 「単打の天才」

お久しぶりです!

最近本当に忙しすぎて投稿できませんでした

これからもまた忙しくなるので不定期投稿になりそうですが、小説は書くので良ければお付き合いください。

一回の裏 一年生チームの攻撃


「さて、レギュラーチームのエースの藤澤先輩ですか。 今までピッチングは見たことないのでしっかり見ていきましょう 」


「うん それと決め球もわかれば最高だね」


投球練習を終え一回の裏が始まった


こちらの先頭打者の阿部は右バッターボックスにたった


「プレイ! 」


(さてっと、一年生にやられっぱなしってのも尺なのでしっかり頼みますよ )


荒木は藤澤にサインを出した


一球目藤澤の右のオーバースローから放たれたボールはストレートであり、インコースの真ん中に入っていった


「ストライク! 」


「ぱっと見135くらいってところですかね? 」


「多分それくらいだね あの球速が出てて羨ましいよ 」


(それに最初から全力が来るはずない。 つまり藤澤先輩にはもっと上があるんだ )


慎二は自分の今の球速に満足いっておらず、もう少し早ければ釣り球や決め球として使えるのにと思っているためにおよそ135出ている藤澤が羨ましいのだ


慎二が一人で考え事している間に藤澤と荒木のサイン交換は終わり二球目投げた


二球目も同じようにインコースに行き阿部は振ったが空振りに終わった


「ストライクツー! 」


(か、簡単に追い込まれちゃったよー... どうしよう次は遊び球かな? )


サインを交換し終わり三球目投げた


(てか、ずっと思ってたんだけどサイン交換早いなー 深見君と古谷君なんてサインすら交換してないけどよくあれでとれるよね )


(あ、またストレート! )


三球目の球は外角高めにストレートがいきそれを振った阿部は空振りした


(うわ、ボール球振っちゃった )


「ストライク! バッターアウト! 」


チラッ


藤澤先輩は俺を一瞬だけ見てきた


「随分意識されてますね~ 今の釣り球は絶対慎二を意識しましたね 」


「うん 140くらい出てたし、お前と違って空振り取れるストレートだって言われてるみたいだよ 」


「気にしちゃいけませんよ。 あなただって投げられるのですから 」


「わかってるよ。 だから気にしちゃいないよ」


今すぐは無理だけど、機会を見て絶対先輩達を驚かせると密かに決心した


続く二番打者の青木にはストレート、シュートからの三球目のスライダーを三塁前に転がしサードゴロでアウト


三番打者の石原にはシュート、ストレート、スライダー、ストレート、ストレートとカウント2-3になりここまで一度も使ってなかったカーブを使いタイミングをはずしアウト


一年生チームの初回は三者凡退に終わった


∞∞∞***∞∞∞


二回の表 二、三年生チームの攻撃


「さて今回もしっかり抑えますよ 」


「うん。 任せておいて! 」


(さてさっきの宮間先輩の言葉がほんとなら相当やったかいだけどたまたまそう見えたという確率もあるしな )


先ほど荒木がバッターボックスにいくときに宮間は


「あいつのカーブは二種類あるが途中まで軌道が同じでどっちか正直わからなかった。 狙うなら恐らく今度こそ決め球であろうカーブだろうが、どっちかわからないんじゃ分が悪いからあえて他の球がきやすい初球からとか狙ってもいいかもな 」


「確かに。 情報ありがとうございます 」


「ああ、 頑張れよ 」


(にしても軌道が途中まで同じとかほんとならすげえ武器のはずだ。 なのに今まで話題に出てないのはなんでだ? 中学の大会の準優勝投手なら少しは話を聞いてもおかしくないはずなのに... とりあえず狙うはストレート。 カーブはとりあえず見る )


荒木は右バッターボックスに立ちバットを構えた


「さてさっきの宮間先輩に使ったカーブを荒木先輩に伝えているのならおそらくどのようなカーブか見てきます。 つまりそれはカーブなら振らないということと同義です。 Dカーブを使う必要はありません。 二球カーブ続けてカウント貰いましょう。 」


「りょーかい 」


一球目、二球目とカーブを続けたが荒木は全く振らずボールを見ていた


(あちゃー、 完璧に作戦読まれてた? やべーどうすっかな )


「フォークいこうと思うけどどう? カウント余裕あるしボールになってもいいと思うんだ 」


「問題ないと思います。 投げましょう 」


(ここで遊んでくるか? いやでも宮間先輩の時は遊ばなかったし... しかもカーブ見るってバレてたしな。 ここで裏をかいてまたカーブもあり得るしDカーブならさっきの軌道の印象あるから打つのは難しい... くそこの状況はピッチャーに有利すぎる )


三球目投げたボールは内角低めに飛んでいった


(ストレート! じゃなかったあ... )


「ストライク! バッターアウト! 」


荒木は低めにコントロールされたフォークボールに手をだし三振した


続く六番吉川、七番千羽もカーブとDカーブを投げ分けて打ち取りこの回の二、三年生チームの攻撃は三者凡退に終わる


∞∞∞***∞∞∞


二回の裏 一年生チームの攻撃


「さて打ちますか! 球種わかればなんとかなるさ! 」


身長は170にも満たないと小柄だが、元気な声が響いている佐藤貴史の打順に回ってきた


「元気いいよなあいつ。 でもあれで中学の時の全国大会で出塁率6割で打率3割7分のトップだからすげえよな。 」


古谷が俺に佐藤の中学の時の成績を教えてくれた


「翔平は佐藤と試合したことあるの? 」


「中学の時に数回な。 あいつの恐ろしいところはボール球をいやなくらい振らないとこなんだよ。 お陰で置きにいこうものならカィンと打たれるからさ、あいつ相手するの大変だったわ 」


「それは凄いし、 敵としてはやだけど今は味方だから頼もしい限りだね 」


「全くだ。 おもいっきり頼りにさせてもらうさ 」


佐藤は右バッターボックスに立った


(さてと来たなあ別格。 こいつのバッティングセンスと選球眼は一級品だ。 一年生だからって侮れない。 一球目外角のくさいところにストレートを )


藤澤と荒木はサイン交換をし終わり一球目投げた


「ボール! 」


(全く動かなかった。 そんなあからさまなボール球ってわけでもないのにバットがピクリとも動かなかった。 これで一年かよ... かわいげないなあ... さて二球目はさっきの外の球のイメージを残してあるから内ギリギリにシュートを )


二球目投げた佐藤の胸元に曲がっていった


(これは... )


佐藤は一瞬振り抜こうとしたバットを戻し、ボールを見た


「ボール! 」


「うわすげあのボールを見るのかよ 」


「そこなんだよあいつの凄いところはさ。 振ったと思っても咄嗟に戻せるからさバッテリーとしたら嫌なことこの上ないよな。それとここからは俺の予想なんだけど、多分佐藤は純粋なアベレージヒッターなんだと思う 」


「純粋なアベレージヒッター? 」


「ああ。 アベレージヒッターって言ったっていつもヒットだけじゃなくてでかいの狙ったりとかしたりすることもあるだろ? 」


「あーどうなんだろ? 」


「例えば小技が得意なやつが置かれやすい二番とかにもバントとほかに打つだろ? その時右中間割る長打コースいったりするだろ? そう言うのが佐藤の場合はほとんどないんだ。 いやしてないといった方が正しいかもしれない 」


「なんで? そんなに打率出してるなら長打も狙えると思うけど? 」


「佐藤自身にそこまでパワーあるわけじゃないからさ。 ボールの下叩いてボールを外野に飛ばすよりボールの上を叩いてゴロにして転がした方が足も早いあいつには塁に出る確率あるのさ。あいつ盗塁も凄いからな? 油断してると一瞬でやられる。 つまりそこで前にランナーいなくて盗塁すれば佐藤にすればある意味長打なんだよ。 実際二塁に行けば、プレッシャーもかけられるからな 」


「なるほど。 翔平ってすごいねよくそこまでわかるね。 」


「キャッチャーに取って情報は命だからな。 過去に対戦した要注意人物のデータはある程度記憶に残ってるのさ 」


翔平とそんなこんな話していると、カウントは1-3になっていた


三球目は見逃しストライクで、四球目は外れてボールだった


(くそ。 ほんとにボール球を振らない。 流星のサインはカーブか。速い球続いてるから構わないか )


藤澤は荒木のサインに縦に首を振り五球目投げた


(やっときたな緩い球! )


「キィン! 」


佐藤はカーブを待っていて、カーブを打つためボールを引き付けて打ち三遊間を抜けてヒットした


「今のスイングは緩い球を待ってましたね 」


「うん。 完全に引き寄せてのスイングだもんね 」


「あのスイングは見習いたいですね 」


(カーブ待ってたようなスイングだ... だが速い球にも手を出してきたよな? ストライクなら打てるやつは打ってくるのか? いやそんなのは無茶だ。 となるとやはりカーブを待ってたはずなのに... くそ考えがまとまんね切り替えろ )


「藤澤先輩どんまいです。 球走ってますし、しっかり抑えていきましょう! 」


(やっぱり佐藤は要注意だな。 だが他は今日の藤澤先輩なら打ち取れる。一人だけ塁に出ても無駄だぜ )


佐藤は打率や出塁率が高いことで有名だが、本当に凄いのはキャッチャーに狙い球を絞らせない技術と足の撹乱によるキャッチャーとピッチャーに同時にプレッシャーをかけて意識をバッターより走者つまりは佐藤自身に向けることにある


その事をこの後荒木はいやと言うほど知ることになる


選手MEMO


安部久人(あべ ひさと )

一年生

右投げ右打ち

一年生の中では塁間最速

50mを五秒代で走ると言う俊足の持ち主

気が弱い


青木京平(あおき きょうへい )、石原幸田(いしはら こうた )

どちらも右投げ右打ち

今回はあまり登場しなかったため割愛


佐藤貴史(さとう たかし )

右投げ右打ち

長打力は無いがヒットを量産する純粋なアベレージヒッター

意外と知られてないが足も早く安部の次に一年生の中では速い


荒木流星(あらき りゅうせい )

右投げ右打ち

すべてにおいてバランス良くこなす

特に苦手なこともないが得意なこともない

ただ、唯一肩が他の人より少し良いことが自慢


吉川秀(よしかわ しゅう )、千羽圭(せんば けい )

吉川は右投げ右打ち、千羽は右投げ左打ち

残念からが登場したが、一瞬で終わったため今回は割愛


藤澤結城(ふじさわ ゆうき )

右投げ左打ち

Max140kmのストレート、スライダー、シュート、カーブを投げる

スライダーやシュートで相手に左右で揺さぶりをかけた後のカーブで仕留めるのを得意としている

監督が直々に声を掛けた慎二には余りいい感情は持っていない

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