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小話4


「あーーもうっ! なんなのよ、あいつは!」

「いったい私が何をしたって言うのよっ!」

「せっかく、上手くいっていると思ったら、自力で元の世界に帰るとか、意味わかんない!」

「呼び出すのも、タダじゃないんだから!」

「この落とし前は、絶対に付けさせてやるんだからっ!」


「…………」

「って、ちゃんと聞いてるのっ?」


「…………うん、大変だったね」

「そうなのよっ! それに、この前なんか――――――――――――」



 最近、同僚の愚痴がひどい。

 上手くいっていないようで、毎日のようにここにきて愚痴を聞かされる羽目になる。

 ここは私の家だぞ。


 だいたい、聞き流しているが、たまに相槌を打たないと面倒なことになる。

 先ほどは上手く回避できて良かった。


 私が仕事終わりに優雅に読書をしていると、どこからともなく突撃してくるのだ。

 しかも、同じ話を何回もだ。

 聞き流しているのに、内容を覚えてしまった。


 最近、特に興奮しているのは、途中まで上手くったのがよっぽど堪えたらしい。

 いままで、かなり手ひどくやられているようだ。

 結果として、世界が救われればいいじゃないかと思うのだが。


「――――――――――ってことなのよ」

「うん」


 適当に話を聞いていたら、今日の分は終わりのようだ。

 私もそろそろ寝るか。


 椅子から立ち上がると、腕を掴まれる。


「じゃあ行くわよ」

「…………は?」



 気が付いたら、一緒に飛ばされていた。

 一体どうことなの?






「さあ、やるわよっ!」

「はぁ」


 いまから、召喚を行うらしい。

 前回の分でお金が無くなったので、私に借りるようだ。

 なんども召喚をするようなものではないが、彼女には変な趣味があるので、足りなくなってしまったようだ。

 一つ世界を救えば、査定が付いてボーナスが上がるがまだ先だ。

 次のボーナスで返す予定みたいだ。

 



 コストを祓い、彼女が召喚を行う。

 私は、後ろで見ているだけだ。


「勇者の資格を持つ者よ、よくぞ我が召喚にこたえてくれました」


 召喚が成功した。

 出現と同時に演出を始める。

 毎度のことながら良くやるなと感心する。

 

 ちなみに私は召喚しない派である。

 自分で少しずつやるのがよい。

 昔、召喚していた時期もあるが、今は自分でやる派なのだ。


「世界は混沌に包まれて、死の危機にさらされています。 どうか、この世界を救ってください」


 彼女のお気に入りフレーズだ。

 愚痴を聞かされるたびに、吹き出しそうになる。

 私にはちょっと無理だ。

 話している最中に、自爆しそうだ。


「すべての元凶である、魔王ハデスを打ち滅ぼしてください。 魔王は人間の恨み辛み妬みが限界まで膨れ上がった時にそれを解消するためのシステムでしたが。 意識を持ってしまい暴走しています。このままでは世界が危ないのです」



 今回は上手くいきそうだ。

 今までと違って、ちゃんと話を聞いているみたいだし。

 違う人を呼んだのかもしれない。

 



 あっ、なんか。

 すごいの出てきた。

 なにあれ、ロボット?

 

 うぁ、すごい空飛んでるし。 

 動きもなんか、キモイ。

 召喚の間をものすごい勢いで動いている。


 ドヒャ  一二三穴


       穴三二一 ドヒャ


     /

    Ⅱ ドヒャ

    穴



 なんか目が緑に霞んできた気がする。

 …………先に帰ろう。

 うん、そうしよう。

 帰り際に、これは世界に優しい成分でできています、と聞こえた気がした。







 あの後、寝る準備をしているとまた彼女がきた。

 ぷんぷんしていたが。

 

 話を聞くと、一応終わったらしい。

 特に問題もなく。

 私からすればだが。


 彼女にとっては、全然納得がいっていないようだ。

 家に入ってきたときに分かっていたが。


 また、彼女の愚痴を聞くまで寝れそうにない。

 ふぅ。

 ため息しか出てこない。









 実は、世界は救われていたのであった。


ネタに走ってしまった。

一応、某逆流王子ではなく主人公です、あしからず。

緑のあれは、体に優しいので大丈夫です。

穴がわからない方はACfaをやってみるといいよ。


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